ニュース

パナソニック、'14年第1四半期は営業利益822億円に。テレビは黒字回復

 パナソニックは、2014年度第1四半期(2014年4月~6月)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比1.5%増の1兆8,522億円、営業利益は28.2%増の822億円、税引前利益は55.1%減の551億円、当期純利益は64.8%減の379億円となった。

2014年度第1四半期連結決算概要
パナソニック河井英明代表取締役専務

 パナソニックの河井英明代表取締役専務は、「売上高は、為替や事業譲渡を除く実質ベースで増収。実質ベースでは、底を打ち、増収トレンドに転換したとみている。消費増税後の反動は想定よりも小幅に留まり、パナホームなどの住宅関連や、車載関連事業が伸張。欧州を除いてすべての地域で増収となった。また、実質販売増や固定費圧縮が寄与し増益となった。構造改革は順調に進んでおり、これらの取り組みで経営体質は着実に強化しており、売り上げ増が利益拡大に直結する構造へと転換した」と総括。「第1四半期は、想定を上回る順調な滑り出しとなったが、第2四半期以降は住宅関連事業での減少が想定される。公表値を最低限の目標として取り組んでいく」との姿勢をみせた。

主要商品別売上高分析
要因別営業利益分析
セグメント別営業利益分析
地域別売上高

 地域別売上高は、円ベースで、国内が1%減の8,574億円。海外では、米州が4%増の2,823億円、欧州が1%増の1,797億円、中国が4%増の2,634億円、アジアが4%増の2,695億円となったが、現地通貨ベースでは欧州を除いてすべて前年実績を上回った。欧州は、現地通貨ベースで6%減となっている。

 「欧州での売り上げ減は、テレビやデジタルカメラの不振、ウクライナ情勢が影響している。中国では昨年まで課題となっていたエアコンが大きく回復。新製品における冷暖房機能の強化、店頭展示の刷新、拡充などにより、増販施策がそのまま販売増、利益に直結している。アジアでは液晶や配線器具が好調」とした。

アプライアンスが増益。テレビは黒字化

アプライアンス社の実績

 セグメント別では、アプライアンスの売上高が前年同期比1%増の4,654億円、営業利益が101%増の225億円となった。

 「国内消費税特需後の市場在庫の補充による出荷増、テレビやエアコンといった課題事業の収益改善が寄与している。モーターやコンプレッサなどの増益効果もある」とした。

 そのうち、テレビ事業は売上高が前年同期比8%減の1,151億円、営業利益が前年同期の13億円の赤字から、10億円の黒字になった。テレビのセット事業の黒字化は、2013年度第3四半期以来のこと。

テレビ事業は収益改善

 「テレビ事業は、国内の販売減や、PDPからの撤退の影響があり、売上高は減少したが、北米での流通改革効果、大型製品のラインアップ強化などがプラス効果になっている。消費増税前の需要増により、店頭在庫の補充といった動きが、テレビの販売増にもつながった。実需は前年を下回っているが、パナソニックはシェアを伸ばしている。新製品効果もあり、前年実績を上回っている」という。

 また、「テレビ事業は第1四半期は黒字となった。ただ、日本および海外の需要動向が見えたわけではない。通期では厳しいのは確かだが、かなりセット部門は改善をしており、通期では、ほぼ黒字化が見えている」と述べた。

 一方、エコソリューションズは、売上高が4%増の3,844億円、営業利益が6%増の162億円。AVCネットワークスの売上高は前年比1%増の2,738億円、営業損失は154億円の赤字から81億円の赤字へと縮小。「デジタルカメラや携帯電話の新製品効果や、製品の絞り込みが効果につながった」という。

エコソリューションの実績
AVCネットワークスの実績
液晶パネル事業の実績

 液晶パネル事業は、今年7月以降、AVCネットワークスからオートモーティブ&インダストリアルシステムズへと事業を移管。液晶パネル事業の売上高は32%増の161億円、営業損失は前年同期の65億円の赤字から、50億円の赤字へと縮小した。

 「液晶パネル事業は第1四半期には赤字が残ったが、業務用向けが大きく伸張し、確実な増販を遂げている。限界利益の改善などもあり、引き続き、業務用向けの拡販強化などを通じて、年間では大幅な改善を目指している。いまは、その計画を若干上回る進捗であると理解している。だが、これからかなりがんばっていく必要がある」などと述べた。

 液晶パネルを生産する姫路工場については、「非テレビ分野への転換を進めている。足下ではまだ黒字ではないが、オートモーティブ&インダストリアルシステムズに移管することで、車載向けについても用途の広がりを出せるようになる」とした。

 さらに、産業革新機構やジャパンディスプレイ、ソニーとともに設立する有機ELディスプレイパネルに関する統合新会社のJOLEDについては、「技術を結集して、モバイル向けの小型有機ELの技術を進化させていくことが目的。将来的には、ここからパネルの供給を得ることも考えている。だが、テレビ向けに関しては、時間がかかるものであり、補完するものがあれば別にやることも考えている」と述べた。

オートモーティブ&インダストリアルシステムズの実績

 オートモーティブ&インダストリアルシステムズの売上高は2%増の6,804億円、営業利益は18%減の235億円となった。その他事業では、売上高が18%減の1,432億円、営業損失が20億円の赤字となった。

 なお、米テスラモーターズと、ギガファクトリーと呼ばれる大規模な電池工場の建設で合意に至ったことについては、「4つの項目で基本合意に至ったものであり、どのくらい投資をするのか、いつ投資をするのかといったことは決まっていない。重要なパートナーであることは確かで、詳細については協議を行なっていく。クルマの需要にあわせてしっかりと対応していくことになり、段階的に投資するという考え方は変わらない」としたほか、「PDPへの投資はBtoCが中心となっていたが、今回の投資はBtoBであり、PDPの投資とは意味合いが大きく異なる。収益性のある事業計画を立てていく」とした。

(大河原 克行)