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CAV、真空管ステレオプリメインと、ペアで73,000円の2ウェイスピーカー

CAVジャパンは、真空管ステレオプリメインアンプ「T-88α」と、ブックシェルフ型スピーカー「V-70NW(N)」を9月10日に発売する。価格は「T-88α」が180,000円、「V-70NW(N)」がペアで73,000円。

T-88α

真空管ステレオプリメインアンプ「T-88α」

 2008年に発売された「T-88」をブラッシュアップしたモデル。CAVジャパンの音響技術とノウハウを提供し、CAVオーディオと共同開発したという。

 出力段にKT-88×4本、選別管を採用。低歪な信号を作り出すと同時に、出力管をドライブさせることで、「滑らかな音質にパワー感を加えた」という。他にも、6SN7×4本、12AX7B×2本も使っている。最適な配置を考慮した回路設計を採用するほか、重量級のトランス類は剛鉄製のシャーシに溶接されている。音質面では「中低域の押し出し感が特徴」という。

 シャーシは一体ボックス構造。高い強度を持つほか、ネジなどによる接続部を無くし、シャーシ電位の安定性を上げることでノイズ感のない安定した再生を実現するという。

 三極管/多極管動作の切り替えスイッチも備え、「Tri/きめ細やかなサウンド」と「 Beam/力強いサウンド」が両方楽しめるという。なお、15WまではA級動作、15W以上はAB級動作となる。Phono回路はMM型に対応し、真空管も使っている。

 定格出力は45W×2ch(4Ω、8Ω)。周波数特性は15Hz~50kHz(±1dB)。全高調波歪率は1.0%(1kHz、定格出力時)、SN比は94dB(Aネットワーク)。

 入力端子は、アナログ×3、Phono×1。スピーカーターミナルは4Ω端子、8Ω端子を用意する。消費電力は最大250W。外形寸法は400×380×215mm(幅×奥行き×高さ)、重量は27kg。

ブックシェルフ型スピーカー「V-70NW(N)」

 既発売の「V-70NW」を、「新たな視点から音質を見直し、より完成度を高めた」というモデルで、型番の最後に(N)と付く。上位モデルの設計思想や音響技術、デザインを取り入れながら、コストパフォーマンスの高いモデルに仕上げたとする。CAVオーディオとの共同開発モデル。

スピーカー「V-70NW(N)」

 構成は2ウェイの位相反転式。ウーファには130mm径のナチュラルコーン振動板を、ツイータはアルミリボン型となる。ツイータは磁力反応速度を高め、「透明感のあるサウンドと高い臨場感を再現する」という。さらに、指向性もワイドで、広いスイートスポットを実現するとしている。

 ウーファユニットは、デンマークのTymphany製。Peerlessブランドの「The High Definition Sound(HDS) NOMEX」シリーズを採用している。専用設計した磁気回路により、大入力に対してもリニアな振幅を実現。振動板には硬質で分割振動の抑制したナチュラル紙を使っている。振動板をサポートするダンパーには、DUPONT製の「NOMEX」を採用。センターキャップは逆ドーム形状で、背面サポートに空気孔を設け、メカニカルノイズを最小化している。

 エンクロージャはFigured Anegreという、アフリカ熱帯地方に生育する広葉樹を使用。家具材や楽器に使われるもので、ギターのトップ材や、フラメンコで用いられるCajon(カホン)にも利用されている。音質的には「広がる豊かな中低域が特徴」という。

 スピーカーターミナルやバイワイヤリング対応で、バナナプラグもサポート。端子は金メッキ真鍮削り出し。

 インピーダンスは6Ω。再生周波数帯域は50Hz~50kHz。出力音圧レベルは87dB(W/m)。クロスオーバー周波数は4.5kHz。最大入力は100W。外形寸法は185×331×300mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は6.4kg。

(山崎健太郎)