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ハイレゾ音源&最新機器を渋谷で楽しむ「OTOTOY DSD SHOP」開幕。ライブやプレゼントも

 ハイレゾ音楽配信を手掛けるOTOTOYが主催するオーディオイベント「OTOTOY DSD SHOP2014」が、12月9日に開幕した。会場は東京・渋谷ヒカリエ 8Fの8/(ハチ)で、期間は12月15日の月曜まで。入場は無料。

会場の渋谷ヒカリエ 8Fの8/(ハチ)

 2010年よりDSD音源の配信を始めているOTOTOYが、ハイレゾの高音質を体験できる場として提案するイベントで、国内外のオーディオ機器メーカーが協賛。今回で3回目となる。「DSD SHOP」という名称だが販売するのではなく、機器の展示と試聴に加え、週末を中心にアーティストを招いたライブやトークなどのイベントを実施する。来場者へのプレゼントも行なっており、今回は来場者全員にSuaraの5.6MHz DSD音源「トモシビ」(Special Place Recording -Suara at 求道会館-から)がプレゼントされる。

 出展ブースから、各社のハイレゾ対応機器や、展示の内容などをレポートする。

渋谷駅直結のヒカリエ 8Fに上がって、奥のaiiimaというスペースが会場となっている

iFI-AudioやAKシリーズ、ティアックなどの最新ハイレゾ対応機器が試聴可能

 iFI-Audioは、2015年2月下旬に発売予定のハイレゾ対応ミニコンポ「Stereo 50 Retro System」が展示され、試聴可能。デジタル技術と真空管アナログ技術を組み合わせたシステムで、USB DAC機能はDSD 512(24.6MHz)や、DSD 256(11.2MHz)、PCMは768kHzまでサポート。iPhone/iPad、USB-OTGケーブルを介してAndroidデバイスとも接続可能。

iFI-Audioの「Stereo 50 Retro System」

 また、768kHzのPCMや24.6MHzのDSDネイティブ再生にも対応したポータブルDAC/ヘッドフォンアンプ「micro iDSD」を展示。PCM 768kHz、DSD 24.6MHzまでのネイティブ再生に対応する。

 ハイレゾプレーヤーとしては、ソニーのウォークマンA「NW-A10シリーズ」や、「NW-ZX1」、バランス対応ポータブルアンプ「PHA-3」などを用意。Astell&Kernのハイレゾ対応ポータブルプレーヤー第2世代シリーズである「AK240」、「AK120II」、「AK100II」も試聴可能となっている。

iFI-Audio「micro iDSD」
ソニーのウォークマン「NW-A10」、「NW-ZX1」、ポータブルアンプ「PHA-3」
Astell&Kernの「AK240」、「AK120II」、「AK100II」

 ティアック初となるハイレゾ対応ポータブルプレーヤー「HA-P90SD」も試聴可能。DSD 5.6MHzやPCM 192kHz/24bitの再生に対応し、ポータブルヘッドフォンアンプとしての機能も充実しているのが特徴。同社のTASCAMブランドからは、OTOTOYで配信されているDSD音源のレコーディングなどでも多く使われている業務用レコーダ「DA-3000」を展示。複数台での同期によりDSDマルチトラック録音が可能で、DSD 5.6MHzとPCM 384kHz/32bitの再生にも対応している。

 デノンは、ポータブルUSB DAC/ヘッドフォンアンプの「DA-10」を展示。独自のデータ補完アルゴリズムを用いて、データをハイビット(32bit)/ハイサンプリング化して処理することでハイレゾ音源をさらに原音に近づけるというAdvanced AL32 Processingや、44.1kHz系、48kHz系のデュアルマスタークロックなどの技術を投入。試聴用のヘッドフォンとして、天然アメリカンウォールナット素材のハウジングと40mmのフリーエッジドライバを搭載した「AH-MM400」を用意している。

ティアックのハイレゾ対応ポータブルプレーヤー「HA-P90SD」
デノンは、ポータブルUSB DAC/ヘッドフォンアンプの「DA-10」と、ヘッドフォンの「AH-MM400」

 パイオニアは、USB DAC機能も備えたハイレゾ対応のネットワークオーディオプレーヤー「N-70A」を展示。左右のチャンネルで独立したESS製DACを8chパラレル駆動。D/A変換から信号出力までのアナログ全段を、L/R独立させたフルバランス回路で構成する。

 ヤマハは、DSD対応USB DAC搭載のプリメインアンプで、約10万円の「A-S801」を展示している。伝統の「ToP-ART」思想に基づくディスクリート構成パワーアンプなどを内蔵。ESSの32bit DAC「ES9010K2M」を内蔵する。

パイオニアのUSB DAC搭載ネットワークオーディオプレーヤー「N-70A」
ヤマハのUSB DAC搭載のプリメインアンプ「A-S801」

 今井商事が取り扱うMYTEK製品から、DSD 11.2MHz対応のUSB DACでプリアンプとしても利用可能な「Manhattan」(Mytek Digital Manhattan DAC/PREAMP)も出展されている。これまでは一部の予約販売分のみだったが、一般販売も可能になったという。会場ではオリオスペックのオーディオ向けPCと組み合わせて展示しており、ヘッドフォンで試聴可能となっている。価格は75万円。

 USB 2.0とUSB 1.1、同軸デジタル、AES/EBU入力に加え、FireWire 800/400入力も装備。アダプタを介してThunderbolt入力にも対応する。3系統のアナログ入力(RCA×2、XLR×1)を備え、別売MC/MMボードの追加も可能となっている。

 MYTEK製品では、このほかにも「Mytek Digital Stereo192-DSD DAC Mastering Version」も出展され、会場で試聴可能となっている。2011年のモデルだが、ファームウェアアップデートにより機能強化を続けている。新モデルの「Manhattan」についても、同様に発売後もアップデートを続けて長く使えるようにするという。

下段のシルバー筐体のモデルがMYTEK「Manhattan」
中段にあるブラックのモデルが「Mytek Digital Stereo192-DSD DAC Mastering Version」

 コルグは、DSDを含むハイレゾファイルに対応するPCソフト「AudioGate3」をデモ。同社USB DAC「DS-DAC」シリーズと連携し、アップデートを重ねて5月にフル機能版が公開された。接続するDACとして、同社の「DS-DAC-100」や、小型モデルの「DS-DAC-100m」を用意している。

 フックアップは、米BENCHMARK製のDAC「DAC2 HGC」を展示。2012年より販売されており、前モデルであるDAC1のユーザーから寄せられた要望に応え、5系統のデジタル入力やデジタルスルー出力、3つのアナログ出力を備えるなど機能を強化している。価格は22万円で、カラーはブラックとシルバーの2色。

 さらに、新モデルとして「DAC2 DX」という製品の投入も予告している。

コルグ「AudioGate3」やUSB DACのデモ
BENCHMARK製のDAC「DAC2 HGC」
「DAC2 DX」という新製品も予告

週末にアーティストのイベントを予定。4K映像+ハイレゾのデモも

 オーディオ好きが普段から多く訪れる秋葉原などの場所ではなく、渋谷でこのイベントを行なっているのは、OTOTOYがオーディオ機器ではなく、ハイレゾ音源というコンテンツを扱っていることが大きな理由。数多くの音楽が生まれる渋谷という地で、若年層を含む幅広い人々にハイレゾを体験してもらうことを目的としている。ハイレゾ楽曲がジャズ/クラシックなど以外にも、アニソンやロック、テクノなど幅広いジャンルにまで広がってきたことから、そうしたコンテンツをより高音質で気軽に体験できる場として提案している。

DSDに関する基本内容や、楽しみ方などの解説

 試聴だけでなくアーティストなどを招いたイベントも多数予定。パイオニアやコルグ、デノンなどの出展各社が、ハイエンド機材などを使って試聴を交えた企画を用意する。OPPOのヘッドフォンアンプ「HA-1」で11.2MHz音源を試聴するというイベントや、雑誌「アニソンオーディオ」(音元出版)による聴き比べなども予定している。各イベントに参加を希望する場合はメールで予約可能。スペースがあれば当日でも観覧できる。詳細はイベントの特設ページで案内している。

 会場内のユニークな展示としては、4K映像とハイレゾを組み合わせたデモを上映。今回のイベントのために収録したというもので、OTOTOYでも配信しているアーティスト「水曜日のカンパネラ」の楽曲「桃太郎」のミュージックビデオを、4KカメラやDSD対応レコーダのDA-3000で収録。今回の上映用に音声は96kHz/24bitに変換してパソコンからAVアンプ経由で再生している。

4K映像とハイレゾ音声で収録されたコンテンツを上映

 ディスプレイには電子黒板を使用。映像は凸版印刷が制作している。映像内に表示されるコードにスマホをかざすとAR(拡張現実)の映像が表示されるというインタラクティブなコンテンツとなっている。このAR技術には、凸版印刷のARプラットフォーム「AReader」を使用している。

音源は、水曜日のカンパネラの楽曲「桃太郎」の特別バージョン
スマホをコードにかざすとARコンテンツが表示される
電子黒板に手書きすることも可能

(中林暁)