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東芝、4K2DとHD裸眼3Dを切替できる新液晶技術をCES出展

低クロストーク液晶GRINレンズを15型4Kに対応

 東芝は、裸眼3Dディスプレイ向けに、15型4K液晶パネルに対応した、新しい低クロストーク高精細液晶GRINレンズ技術を開発した。これにより、明るく高精細なHD精細度の3D表示と4K精細度の2D表示の切り替えが可能なディスプレイを、小型かつ可搬性高く実現可能になる。同技術は、1月6日からラスベガスで開催される「2015 International CES」で参考展示する。

2015 International CESの東芝ブース

 同社では、'11年にグラスレス3Dテレビ「55X3」やグラスレス3DノートPCを発売したほか、これらの製品化で確立した要素技術をB2B市場向け製品に展開し、世界初となる「医療用裸眼3Dディスプレイ」も発売している。B2B分野では、プラスチックレンズを用いた3D固定表示を採用していたが、3D専用ディスプレイでは、別途2Dディスプレイが必要になり、特に小型で持ち運びながら使用する場合、高画質な3D表示だけでなく高精細な2D表示と切り替える機能が求められていたという。

2011年発売の裸眼3D/4Kテレビ「55X3」
2011年発売のDynabook Qosmio T851

 そこで、2D表示時の画質劣化が無く、また3D表示時の輝度低下のない液晶GRINレンズ方式をベースに、新たな低クロストーク高精細液晶GRINレンズ技術を開発した。

 GRINレンズ(Gradient-Indexレンズ)は、液晶セルに電圧を印加して形成した屈折率分布によるレンズ。今回開発した技術では、液晶GRINレンズの液晶分子の配向方向とレンズ方向の角度を、液晶パネルの出射偏光方向に対して最適化することで、従来液晶レンズ境界付近に発生していた液晶分子の異常配向を低減。従来の3D表示では5%以上あったクロストークを2%まで改善した。15型4K液晶パネルと組み合わせることで、3D精細度が従来比5倍以上(2011年発売のDynabook Qosmio T851比)に向上し、高画質な3D表示を実現できるようになったという

 今後、画面内の任意の位置およびサイズで3D表示と2D表示を切り替えることができる部分2D/3D切り替え技術と融合させ、医療や産業用など高精細な裸眼3D表示が求められるB2B用途に向け、早期の実用化を目指すとしている。

(臼田勤哉)