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「東芝グラス」や「FlashAir III」、高画質裸眼3Dと4K対応のノートPCなど
(2015/1/8 16:15)
東芝は、米国ラスベガスで1月6日~9日(現地時間)に行なわれている「2015 International CES」において、メガネ型ウェアラブル情報端末の「東芝グラス」や、4K2DとHD裸眼3Dを切り替えられる液晶技術などを展示している。
東芝グラスを体験可能
メガネ型ウェアラブル端末機器「東芝グラス」のプロトタイプを展示。本体右側に超小型のプロジェクタを備え、レンズに投写することで実際の風景に映像を重ねて見ることができるもので、日本でも「CEATEC JAPAN 2014」で参考展示された。2015年内の実用化を目指して開発が進められている。
映像はレンズの隅の方に投射され、視界を遮らずにハンズフリーで情報を確認可能。体験コーナーを設けており、レシピを見ながら料理したり、スケジュールを簡単にチェックするといったデモを行なっている。
東芝ブースには、ソニー、Samsungらと共に推進する著作権保護規格のSeeQVault(SQV)を紹介するコーナーも用意。この中で、SQV対応のストレージからワイヤレスで東芝グラスに動画などのコンテンツを転送して再生するといった使い方も提案している。なお、同社がSeeQVault製品を米国で展示するのは初だという。
用途が広がるFlashAir IIIが日本にも登場予定。NFCやTransferJet対応のSDカードも
通信機能を備えたSDカードの新しい提案も行なっている。同社が販売中の無線LAN SDカード「FlashAir」は、第3世代モデル「FlashAir III」(W-03)が登場予定。第3世代からはWebDAVに対応し、PCのWebブラウザ画面でドラッグ&ドロップにより写真などのファイルを転送可能になる。また、新たにスクリプト言語のLua Scriptを使ったアプリなどもサポート。これにより、視覚的にわかりやすいインターフェイスでアプリなどが作れるという。日本でも、現在の第2世代モデルから第3世代に切り替わる予定で、価格は第2世代と同等の見込み。
また、世界初というNFCを搭載したSDHCカードも2月に発売予定。カードにNFC対応のAndroidスマートフォン(OS 4.0~4.4)をかざすことで、専用アプリからカード内にある写真などのサムネイルを16枚まで表示可能。NFCの転送量がボトルネックとなり、ファイルそのものをスマホに転送することはできないが、例えばSNSに写真をアップロードする前に、どんな写真がカード内にあるかといったことをチェックできる。カードの空き容量確認も可能。
もう一つ展示されているのは、近距離無線通信のTransferJetに対応したSDカード。TransferJetの規格上は最高560Mbpsの高速転送が可能だが、このカードの場合は40Mbpsまで対応する。例えば、パソコンなどにTransferJet対応のUSBドングルを接続して、このSDカードを入れたデジカメをかざすと、自動で画像が転送され、パソコンなどに表示できる。
低クロストークの裸眼3Dと4K/2Dを1台で表示できる15.6型ノートPC
既報の通り、同社は15型4K液晶パネルに対応した、新しい低クロストーク高精細液晶GRINレンズ技術を開発。これにより、明るく高精細なHD精細度の3D表示と4K精細度の2D表示の切り替えが可能なディスプレイを、小型かつ可搬性高く実現可能になる。
GRINレンズ(Gradient-Indexレンズ)は、液晶セルに電圧を印加して形成した屈折率分布によるレンズ。今回開発した技術では、液晶GRINレンズの液晶分子の配向方向とレンズ方向の角度を、液晶パネルの出射偏光方向に対して最適化することで、従来液晶レンズ境界付近に発生していた液晶分子の異常配向を低減。従来の3D表示では5%以上あったクロストークを2%まで改善した。
CESの同社ブースでは、55型4Kテレビをベースにした試作機と、15.6型ノートパソコンベースにした試作機を用意し、2D/3D切り替えなどのデモを行なっている。より正確な表示が求められる医療用データを表示し、高精細と、クロストークの少ない裸眼3Dなどをアピールしている。