東芝、4K 2Dと裸眼HD 3D対応のREGZA「55X3」
-QFHDパネルをリモコンで2D/3D切替。実売90万円
55X3 |
東芝は、55型/3,840×2,160ドットの4K/2Kパネルを採用し、HD解像度の裸眼3D視聴にも対応した液晶テレビREGZAのフラッグシップモデル「55X3」を12月中旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は90万円前後。
■ 4Kの2Dと、HDの3Dをリモコンで切り替え
55X3 |
フルHDの4倍の画素数となる829万画素の55型「4倍画素QFHDパネル」を採用。コントラストは5,000:1。直下型のLEDバックライトを採用し、エリア制御により高コントラスト化を図っている。エリア分割数は240。
映像処理エンジンとして「レグザエンジンCEVO」を2基搭載した「レグザエンジン CEVO Duo」で、REGZAと同様の各種高画質処理により、4Kの入力信号を精細に表示できるほか、フルHD映像の高画質4Kアップコンバート処理も組み込んでいる。
なお、4K信号のネイティブ表示のためには、、4本のHDMI信号を同期を取りながら、同時に入力する必要があるため、一般家庭で4K映像をそのまま見るのは難しい。これはHDMIで4Kを伝送できるのが、30pまでとなっているための制限とのことだ。
別売の4倍画素QFHD映像アダプタ「THD-MBA1」も2012年3月下旬発売予定でこれを利用することで、パソコンなどから業務用の4K出力機器を介し、4Kの映像をそのまま入力可能となる予定。そのため家庭での主な利用シーンとしてはフルHDのBDや放送番組などを4Kにアップコンバートして視聴する形となる。
55X3をブースで大々的に展開 | 直下型LEDだが薄型のボディ | QFHDパネルを採用 |
QFHD超解像技術の概要 |
画素ごとに色情報を解析し、高彩度画像のテクスチャー復元性能を向上する「カラーテクスチャー復元 超解像技術」を新搭載。再構成型や自己合同性型などの超解像技術などと組み合わせて、精密さを保ちながら4Kへのアップコンバートを行なう。
写真の高画質表示ができる点も特徴。4Kの829万画素を活かし、SDメモリーカードに記録した写真をDot by Dotで再生できるほか、スケーリング時には再構成型やカラーテクスチャー復元超解像などを適用し、高画質に再生する。現在写真以外の4K超のコンテンツはほとんどないが、NTTぷららと共同で、4K映像配信について技術検討を開始しているという。
QFHD超解像技術 | ひかりTVと4K/2K映像配信技術について共同で検討を開始 | 4Kの圧倒的な情報量をそのまま再現 |
2D表示だけでなく、裸眼3D「グラスレス3D」も実現し、リモコンの[3D]ボタンを押すだけで、2D/3D切り替えが可能。3D表示時の解像度は1,280×720ドット。
3Dメガネが不要な点が特徴で、パネル上に特殊な細かなレンズを装備した「レンチキュラーシート」を被せたインテグラルイメージング方式を採用。9視差の映像を生成し、左右の目に異なるアングルの映像を見せることで、脳の中で立体感と奥行感を知覚させ、3D視聴を可能にする。2D表示時にはレンチキュラーシートを無効化し、2D表示を実現する。
リモコンのボタンを押すだけで、2Dと3Dを切り替え | 液晶パネル前のレンチキュラーシートがONになると3D表示を行なう | ON/OFF切り替えで2D/3Dを選べる |
グラスレス3D再生 |
表示 | レンチキュラーシート | 解像度 |
3D | 有効 | 1,280×720ドット |
2D | 無効 | 3,840×2,160ドット |
さらに、パネル下部に備えた「顔検出カメラ」により、テレビ前の人の顔を検出し、その検出結果をもとに3D映像視聴可能な領域を調整する「フェイストラッキング機能」も搭載している。常に視聴者の顔をセンサーで検出しているが、誤検出を防ぐため、実際の視聴領域調整は、リモコンのボタンを押したときの状態を維持するよう設定している。
2D-3D変換機能も搭載。被写体の動きや、画面の構図、顔検出による3つの奥行推定により、リアルタイムで高画質に2D-3D変換が行なえるという。
フェイストラッキング機能を搭載 | センサーを内蔵 |
■ 長時間録画やDTCP配信「レグザリンク・シェア」も
地上デジタルチューナを3系統、BS/110度CSデジタルチューナを2系統装備し、別売USB HDDへの録画にも対応。また、DRモードのほか、MPEG-4 AVC/H.264の長時間録画モードも備えており、AFモード(約12Mbps)、ANモード(約8Mbps)、ASモード(約6Mbps)の3種類を用意する。2番組の同時録画にも対応する。
人気の番組などを紹介する「おすすめサービス」も搭載。USB HDDに録画した番組をLAN経由でREGZAブルーレイなどにダビングする「レグザリンク・ダビング」やスカパー! HD録画にも対応する。
DTCP-IPサーバーとしても動作。USB HDDに録画した番組を家庭内のネットワークの別DTCP対応テレビやタブレット、スマートフォンなどから再生できる「レグザリンク・シェア」に対応する。DTCP/DLNAのクライアント機能も備えており、レコーダ内の番組をREGZAから再生することも可能。DLNAのDMR(レンダラー)にも対応する。
リモコン |
対応タブレットはREGZA Tablet AT700/AT3S0でアプリケーションの「RZプレーヤー」が必要。スマートフォンはREGZA Phone IS11Tで、「DiXiM Player」を利用する。RZプレーヤーは東芝専用に提供する。なお、同社のサポート外となるが、他社のDTCP-IP対応クライアントからでも基本的な再生などは行なえる見込み。
10W×2ch+10Wのスピーカーを搭載。2×10cmのフルレンジユニット×4と、8cmの丸型ウーファから構成され、画面4隅のスピーカーから音像をセンターにフォーカスさせることで、自然な再生音を実現。振動板は竹繊維と特殊な樹脂を採用している。音響パワーイコライジングの「CONEQ」も搭載する。
SDカードも装備し、AVCHDやMP4の動画ファイル、MP3音楽、MPO形式の3D写真、JPEG写真などを再生できる。
入力端子はHDMI×4と、D5×1、コンポジット×2、アナログ音声×2、HDMIアナログ音声×1。光デジタル音声出力やヘッドフォン出力、アナログ音声出力も装備する。USB×2やSDカードスロットも備えている。
なおREGZAサーバー「DBR-M190/M180」との併用時に、重複する超解像機能などを最適に制御し、ベストな状態で表示を行なえる。両機をHDMI接続した場合に、DBR-M190/M180では、複数フレーム超解像と色超解像を適用、REGZA側で再構成型超解像と非圧縮12bit相当の4:4:4処理を適用する。
左右各15度のスイーベル機能も搭載。消費電力/年間消費電力量は未定。外形寸法は127.1×35.7×86.2mm(幅×奥行×高さ)、重量は未定。リモコンは「レグザリモコンII(CT-90390)」。
(2011年 10月 3日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]