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Dolby AtmosやDTS:X、BDオーディオなどをデモ。Atmosテストディスクで“音の見える化”

 オーディオ・ビジュアル関連の総合展示会「オーディオ・ホームシアター展 2015」(音展)が、東京・お台場の「タイム24ビル」で10月16日(金)~18日(日)の3日間開催されている。会場から、Dolby AtmosやDTS:Xなどの体験型デモを中心にレポートする。音展は入場無料だが、一部のイベントは有料。

2階のホームシアター体験デモブース

各社がDolby Atmosで映画上映。デノン初のDTS:Xも

 会場2階の「204」は、デノン、オンキヨー、ヤマハ、マランツ、パイオニアの3社5ブランドが共同で運営するホームシアター体験デモブースで、Dolby Atmos用にスピーカーを設置して体験できる、通称“Atmos部屋”となっている。

 ここで、各社がAVアンプやスピーカーなどを用いて、Blu-rayの映画コンテンツを中心に上映。各ブランドが異なるアプローチで、Dolby Atmos向けの機能や音質性能などをアピールしている。

“Atmos部屋”のデモスケジュールと使用機材

 オンキヨーとパイオニアは、今回の音展デモに合わせて、アーノルド・シュワルツェネッガー主演「ターミネーター:新起動/ジェニシス」BD(11月18日発売)の一部映像を、発売前にデモ。国内で一般向けに上映されるのは初となった。

オンキヨー/パイオニアのデモで、ターミネーター:新起動/ジェニシスを上映

 また、オンキヨーとパイオニアの両ブランドが協力し、Dolby Atmos用にチェックディスクも作成。それぞれのデモ時に視聴できる。これは、空間に音を配置できるDolby Atmosの特徴を分かりやすく“見える化”するため、音声に合わせて、「今どの場所に音を定位させているか」を、映像でも表示しているのが特徴。例えば、蚊が飛ぶ「プーン」という音を、空中の様々な場所から鳴らしたり、ハエが飛び回る動きをDolby Atmos音声で表現しながら、映像では部屋をイメージした四角いスペース内に黄色い点で表示。この点は音に追従して場所が変わるため、今どこで鳴っているかが耳と目の両方で分かる。

 このチェックディスクは、一般販売される予定は無く、トレーニングを受けた販売店向けに提供するとのこと。音展のオンキヨーまたはパイオニアのデモ時間では、このディスクを使って、Dolby Atmos/DTS:Xの“オブジェクトオーディオ”について解説する時間も設けている。

今回用意されたオブジェクトオーディオ用のチェックディスク
音がどの場所に定位しているかが分かる
天井にスピーカーを設置できない人のために、ドルビーイネーブルドスピーカーも用意

 デノンは、最上位AVアンプの「AVR-X7200WA」を使って、デノン初となるDTS:Xのデモを実施。DTS:X採用のBlu-ray第1弾となる映画「Ex Machina(エクス・マキナ)」や、DTSのデモディスクなどを上映。Dolby AtmosとDTS:Xではスピーカーレイアウトに対する考えが異なり、DTS:Xでは「いかなる場所にスピーカーを配置しても環境に合わせて再生するため、2chでもレンダリングが可能」といったことを説明した。

デノン「AVR-X7200WA」

 デノンのAVR-X7200WAは、Dolby Atmos対応のために32bit DSPを4基搭載している。DTS:Xにも今後アップデートで対応予定だが、開発陣によれば、DTS:Xの方が、Dolby Atmosよりもやや処理が重かったとのこと。

DTS:Xの概要
DTS:X再生中のAVR-X7200WAの本体表示

 ヤマハは、同じ部屋でAVアンプの「RX-A3050」を使ってDolby Atmosなどを紹介しているほか、別室のヤマハブースでは、上位機種のAVENTAGE AVプリアンプ「CX-A5100」や、デジタル・サウンド・プロジェクターの「YSP-5600」を使ったデモを行なっている。

ヤマハのAVプリアンプ「CX-A5100」

 YSP-5600は、最大7.1.2ch相当のリアル3Dサラウンド再生を、一体型サウンドバータイプとして、YSPシリーズで初めて実現した製品。Dolby Atmosに対応するほか、DTS:Xにもファームウェアアップデートで後日対応予定。

Dolby Atmos/DTS:X対応のYSP-5600をデモ

Blu-rayオーディオや、ハイレゾ比較試聴なども

 Blu-ray Discオーディオのブースでは、BDプレーヤーやヘッドフォンを使って、PCレスでハイレゾオーディオを楽しむスタイルを提案。エミライやクリプトンなどの機材を使って、用意されたBDオーディオディスクから好きなものを選んでその場でヘッドフォンで試聴できる。

Blu-ray Discオーディオのブース

 この会場では、評論家の麻倉怜士氏や、山本浩司氏らを講師に招いてソフトの紹介/試聴デモも実施。OPPO Digital Japanによる最新ハード紹介や、メモリーテック、ハピネット、カメラータ・トウキョウ、キングインターナショナルらによるコンテンツの紹介も行なわれている。

試聴用のディスク
講師を招いたBD試聴などのセミナーも用意されている
2Fセミナールームでは、JEITAやバッファロー、スペック、女子オーディオの会などが交代でイベントを実施している

(中林暁)