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9万円のAtmos/DTS:X対応7ch AVアンプ。AKM 32bit DAC搭載のオンキヨー「NR656」
(2016/3/30 13:04)
オンキヨー&パイオニアマーケティングジャパンは、オンキヨーブランドの7.2ch AVアンプ「TX-NR656」を4月下旬に発売する。価格は9万円。カラーはブラック(B)。
'15年に発売した「TX-NR646」の後継機で、オブジェクトオーディオ技術のDolby Atmosに対応し、DTS:Xも8月下旬のファームウェアアップデートによりサポート予定。天井埋め込みのスピーカー、または天井へ音を反射させるドルビーイネーブルドスピーカーを使って、2.2.2ch、3.2.2ch、5.2.2chの構成に対応する。
NR646からの機能強化として、イネーブルドスピーカー利用時の音場を最適化する「AccuReflex」を搭載。また、Google Castや、映像の4Kアップスケーリングにも新たに対応。最大出力は190W×7ch(6Ω)、定格出力は100W×7ch(8Ω)。
AccuReflexや、Google Cast、4Kアップスケーリングなどは、同じく4月下旬に発売される上位モデル「TX-RZ810」(128,000円)と同じだが、RZ810との主な違いとして、NR656はDSDがネイティブ再生ではなくPCM変換となるほか、独自のフィルター回路「VLSC」がフロント2chのみ(RZ810は全7ch対応)で、THX Select2 Plus認証は取得していない。
新機能の「AccuReflex」は、Dolby Atmos/DTS:X利用時に、高さ方向のサウンドが手軽に楽しめるイネーブルドスピーカー向けの技術。天井へ音を反射させた帯域の音と、スピーカーから直接聴こえる帯域との間にわずかな時間差があり、それが位相ズレを起こし、聴感上の違和感につながっていた点に着目。具体的には、指向性が高い(音がまっすぐ届く)高域と、指向性が低い低域では、天井に反射させた時の音の届き方にズレが起きていたという。同機能をONにすることで位相ズレを補正し、最適な音場で聴けるようにする。
旭化成エレクトロニクス(AKM)製の384kHz/32bit対応新世代プレミアムDACを搭載。また、シーラス・ロジック製のクアッドコアDSPを1基搭載する。
EthernetとWi-Fi(無線LAN)を搭載し、Wi-Fiは新たに2.4GHz/5GHzのデュアルバンド対応となった。ネットワークまたはUSBメモリを使ってハイレゾを含むオーディオ再生が可能。なお、ハイレゾのネットワーク再生は有線のみサポートする。DSDは最大5.6MHzに対応し、PCM変換再生となる。WAV/FLAC/AIFF/Apple Lossless(ALAC)は、192kHz/24bitをサポート。USB再生時のみ、192kHz/24bitのドルビーTrueHDも再生可能。そのほか、AAC/MP3/WMAなどにも対応する。
Bluetoothレシーバも備え、スマートフォンなどの音楽もワイヤレスでAVアンプに伝送して聴ける。従来モデルのNR646はBluetoothのコーデックがSBCのみだが、NR656では新たにAACもサポートし、より高音質で伝送可能になった。
AirPlayに対応するほか、7月下旬のファームウェアアップデートにより、Google Castもサポート予定。これにより、Google Cast対応のスマートフォンアプリで聴いている音楽配信サービスの曲を、AVアンプに“キャスト”して、接続したスピーカーなどで聴ける。なお、Google Castは音声のみ対応する。インターネットラジオのradiko.jpやTuneInの聴取も可能。
HDMIは入力8系統、出力2系統装備。4K/60p(3,840×2,160または4,096×2,160ドット、YCbCr 4:4:4)映像のパススルーやHDCP 2.2に対応するほか、Ultra HD Blu-ray規格で採用されている広色域規格のBT.2020や、輝度拡張のHDR(ハイダイナミックレンジ)映像もパススルー可能。新たに、1080p映像などの4Kアップスケーリングや、超解像の「SUPERレゾリューション」にも対応した。
伝統の「ハイカレントアンプ設計(HICC)」を継承し、ハイカレント(大電流)、ローインピーダンス(低抵抗)特性により、大型スピーカーの振動板も正確にコントロール。音声信号の動的変化にも瞬時に反応し、大電流を出力できるため、シアター用のフロントスピーカーで使われる13~16cm径のウーファユニットも余裕を持ってドライブできるという。カスタムメイドの電源トランスなども搭載。スピーカーの適応インピーダンスは6~16Ω。
ワイドレンジアンプ技術により、音が減衰を始めるポイントをリスニングレベル周波数より高い位置に押し上げ、位相ズレ(フェーズシフト)を抑制。焦点の定まった音像を再現でき、歪みの無い正確な音を可能にしたという。また、オンキヨー独自のフィルター回路「VLSC」により、DA変換後に信号を再構築し、原音に忠実な信号をアンプへ伝送。フロント2chがVLSCに対応する。
新デザインのリモコン「RC-911R」を同梱。使用頻度の高いダイレクトファンクションキーを上部に配置し、ボタン数の少ないシンプルなレイアウトとした。スマートフォン用のリモコンアプリ「Onkyo Remote 3」での操作にも対応する。GUIも一新し、フルHD画質の見やすい画面に変更している。
自動音場補正技術の「AccuEQ Room Calibration」も利用可能。HDMI以外の端子は、映像入力がコンポーネント×2、コンポジット×2。音声入力は光デジタル×2、同軸デジタル×1、アナログ音声×7(RCA×6、ステレオミニ×1)、PHONO(MM)×1。アナログ映像出力は搭載せず、480i入力はHDMIへアップコンバート出力可能。音声出力はアナログ×1(ZONE 2)、サブウーファ×2、ヘッドフォン×1。消費電力は490W(待機時0.1W)。外形寸法は、435×378×173.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は10kg。