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キヤノン、動画に特化しながら価格を抑えたCINEMA EOS向け小型4K対応レンズ

 キヤノンは、CINEMA EOS SYSTEM向けの新たな4K対応レンズとして、COMPACT-SERVO「CN-E18-80mm T4.4 L IS KAS S」を10月下旬に発売する。価格は70万円。

COMPACT-SERVO「CN-E18-80mm T4.4 L IS KAS S」

 CINEMA EOS SYSTEMは、静止画カメラEOS向けのEFレンズを使って動画撮影ができるのが特徴。一方で、EFレンズでの動画撮影では、絞りリングがレンズ側に無い、絞りが無断階にできない、撮影中のズーム操作が難しい。かといって、動画に特化したCINE-SERVOレンズは大きくて高価という問題がある。

 そこで、その中間的な存在として、動画撮影で使いやすく、かつ価格や大きさを抑えたモデルとして開発されたのがCOMPACT-SERVOレンズとなる。手持ちで、カメラマンが1人で撮影するような放送制作の現場や、コンシューマのハイアマチュアに向けて提供する。

後ろから見たところ

 動画撮影での使用頻度の高い、焦点距離18~80mm(35mm換算)をカバー。明るさは全域でT4.4(F4相当)。4K撮影にも対応する光学性能を備えたという。色再現性はEFシネマレンズシリーズと統一させている。絞りは9枚羽根。

 業務用動画撮影に適した操作性を備えており、ズーム/フォーカス/アイリスにマニュアルリングを搭載。撮影意図に合わせたサーボ/マニュアル操作ができる。レンズ本体で、ズームサーボ操作が可能で、スピードは可変。フォーカスはサーボ/マニュアル、絞りはオート/マニュアルの切り替えが可能。レンズシフト方式の防振機能も備えている。

 レンズに別売のズームサーボグリップ「ZSG-C10」(7万円)を追加する事もでき、グリップに備えたロッカーシーソーで、グリップを握ったままズーム操作が可能。グリップには録画用のスタート/ストップボタンや、ONE SHOT AFボタンも装備。グリップ角度は調整でき、リグの先端にグリップを取り付ける事もできる。

 レンズの外形寸法は93.4×182.3×107.2mm(幅×奥行き×高さ)。重量は1.2kg。

別売のズームサーボグリップ「ZSG-C10」
ズームサーボグリップを取り付けたところ

レンズアクセサリも4K対応に

 4K放送用のポータブルズームレンズに対応する光学系アクセサリのラインナップも拡充される。

 「WA75HG」は、マスターレンズの広角端の焦点距離を0.75倍ワイド化するもので、取り付けネジ口径は112mm。「FEA60HG」は魚眼レンズのような特殊効果が得られる、0.6倍で、取り付けネジ口径は112mm。「105CL-UP800HG」は、クローズアップレンズ。取り付けネジ口径は105mm。

 なお、既発売のワイドコンバーター「W80HD」、テレサイドコンバーター「T15HD」は継続販売されるが、型番の末尾がGに変更され、「W80HG」、「T15HG」となる。製品自体に変更はなく、もともと4K撮影に対応できる性能を持っているという。

(山崎健太郎)