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キヤノン、100m伝送対応の短焦点LCOSプロジェクタ

輝度6,000ルーメンのレンズ交換型も

 キヤノンは、LCOS(反射型液晶)を採用した「パワープロジェクター」シリーズの新製品2機種を、4月25日より発売する。ハイレンズシフト機構やワイヤレス投写用のWi-Fi機能を備えた短焦点モデル「WUX450ST」と、高輝度でレンズ交換ができ、レンズ別売の「WUX6010」を用意し、価格はオープンプライス。キヤノン オンラインショップの直販価格は、WUX450STが72万円。WUX6010が74万3,000円(本体のみ)。WUX6010用の標準ズームレンズ「RS-IL01ST」(23~34.5mm)は31,000円。

WUX450ST

 大会議室や教育現場などのほか、デジタルサイネージやプロジェクションマッピングなどの利用を想定したモデル。パネル解像度1,920×1,200ドットのLCOSにより、映像の網目のような格子感を抑えて滑らかな画像を投写できるとする。輝度はWUX450STが4,500ルーメンで、WUX6010が6,000ルーメン(標準ズームレンズ装着時)。コントラスト比はどちらも2,000:1。

WUX6010

 新機能として、映像/音声などを1本のLANケーブルで最長100mまで長距離伝送できる接続規格「HDBaseT」に対応し、受信機(RX)機能を内蔵。別途用意した送信機(TX)と組み合わせ、非圧縮の映像信号をLANケーブルで伝送できる。そのため配線工事の簡素化や、設置コストの低減などのメリットがあるとする。

 さらに、WUX450STはパソコンなどからのワイヤレス映像投写で使えるWi-Fi機能も内蔵。専用ソフト「ネットワークマルチプロジェクション(NMPJ)」を使って有線と無線での投写を可能としている。

「パワープロジェクター」シリーズの新製品2機種

WUX450ST

WUX450ST

 '14年発売「WX450ST」の後継機で、LCOSのパネル解像度を従来の1,440×900ドットから1,920×1,200ドットに高解像度化したモデル。独自の光学システム「AISYS」により、光の利用効率と均一性を向上させている。ランプ出力は最大260W。

 約1.2mで100型の画面を投写でき、投写サイズは30~300型、投写距離は0.35~3.64m。ズームは固定。独自開発のハイレンズシフト機構を搭載し、投写画面を上方に約75%、左右に約10%シフトできる。シフト操作は手動。

ハイレンズシフト機構を備えた一体型レンズ部

 独自の映像エンジンにより、画像の4隅のゆがみを個別に調整できる「4点キーストーン補正」に対応。会議室や廊下などスペースの限られた場所でも、歪みのない大画面投写ができるとする。また、複数台の投写映像をつなぎ合わせて、つなぎ目の明るさを自動調整できる「エッジブレンディング」機能も備える。

テーブル下の床に置いて大画面投写できる
側面の操作部と入出力端子
ネットワークマルチプロジェクション機能に対応

 パソコンからLANケーブルを介して映像投写するネットワークマルチプロジェクション(NMPJ)を備え、新たにWi-Fiワイヤレス投写にも対応。NMPJではミーティング/クラスルーム/ブロードキャストの3モードを利用できる。専用ソフト(Ver1.2)の対応OSはWindows Vista(Business)/7/8/8.1。なお、時期は未定だが、Windows 10にも今後対応予定としている。

 入力端子はHDMI、DVI-I、アナログRGB(ミニD Sub15ピン)、ステレオミニ音声×2。USB端子も備える。ステレオミニの音声出力と、5Wのモノラルスピーカーも装備。RJ-45はHDBaseTとEthernetを各1系統搭載する。外形寸法/重量は約337×415×136mm(幅×奥行き×高さ)/約6.3kg。

HDBaseT規格に対応する
Wi-Fi利用のワイヤレス投写も可能

WUX6010

WUX6010

 '14年発売「WUX6000」の後継機で、大会議室などでの利用を想定したモデル。光学システム「AISYS」により、光の均一性などを向上させている。ランプ出力は最大340W。

 レンズ部は電動ズーム/フォーカス/シフトに対応し、付属のリモコンから各操作が行なえる。レンズ交換が可能で、設置環境に応じてオプションの短焦点固定レンズや超望遠ズームレンズを装着できる。標準ズームレンズ利用時の投写距離は1.3~29mで、100型投写時は3.2~4.8m。投写できる最大サイズは40~600型で、装着するレンズによって異なる。ズームやフォーカスの位置や歪曲補正、色補正などの情報を登録できる「ポジションメモリー」機能を備え、リモコン操作で呼び出せる。

 NMPJに対応し、パソコンの映像をネットワーク経由で投写できる。入力端子はHDMI、DVI-I、アナログRGB(ミニD Sub15ピン)、ステレオミニ音声×2。USB端子も備える。ステレオミニの音声出力と、5Wのモノラルスピーカーも装備。RJ-45はHDBaseTとEthernetを各1系統搭載する。外形寸法/重量は約380×430×170mm(幅×奥行き×高さ)/約8.5kg。

 オプションのズームレンズは5種類(いずれも発売済み)で、広角端/望遠端の輝度差を抑えているのが特徴。標準ズームレンズ以外の価格は、望遠ズーム「RS-IL02LZ」(34~57.7mm)と短焦点固定「RS-IL03WF」(12.8mm)が各22万5,000円。超望遠ズーム「RS-IL04UL」(53.6~105mm)と短焦点ズーム「RS-IL05WZ」(15.6~23.3mm)が各26万5,000円。

側面の入出力端子と操作部
オプションレンズのラインナップ

(庄司亮一)