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AQUOSに声とココロを。「AQUOSココロビジョンプレーヤー」
近づくと声で番組オススメ。約2万円の4K Android TV
(2016/4/21 11:48)
シャープは、液晶テレビ「AQUOS」に接続して、ユーザーの嗜好を学習に基づいた番組オススメや4K動画配信サービス対応、音声検索、アプリ追加などが可能な「AQUOSココロビジョンプレーヤー(AN-NP40)」を6月10日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は2万円前後。
視聴履歴を人工知能が学習し、好みにあった番組を声で紹介
AQUOSの'16年モデルXD45/US40/U40シリーズと接続することで、見逃し配信番組を音声でおすすめしたり、VODサービス対応できるAndroid TVメディアプレーヤー。付属のリモコンではAQUOSの操作が行なえるほか、マイクを内蔵し、音声操作にも対応する。
シャープのクラウドサービス「COCORO VISION」に接続し、AQUOSのテレビ視聴傾向からユーザーの好みの番組を人工知能が学習。放送予定番組やオンデマンドのコンテンツからオススメを、嗜好や地域、時間に合わせて通知。長い間使うことで、好みの番組のおすすめ精度が向上するという。
また、人が近づくと、人感センサーが検知し、内蔵スピーカーで挨拶してくるほか、電源も自動でONとなり、おすすめ番組を表示してくれる。おすすめするのは、今後放送予定の番組や現在放送中の番組、また、映像配信サービス「COCORO VIDEO」のユーザーの嗜好に近いコンテンツ。
コンテンツを表示するだけでなく、「深田恭子さんが出演しています」など、おすすめの理由を音声で紹介したり、天気や料理の豆知識などもランダムに音声案内する。
おすすめ番組は、青、赤、緑、黄の4つのアイコンで、番組名とメディアタイプ(現在の放送、今後の放送、COCORO VIDEO)を表示。リモコンのカーソルでアイコンを選んで選択するほか、リモコンの4色ボタンでも決定操作が行なえる。
現在、おすすめ対応のVODサービスは「COCORO VIDEO」のみだが、今後、WebAPIの公開やメタデータ連携の対応を強化し、他のVODサービスとの連携も計画中。また現在は、AQUOSのUSB HDD録画番組はおすすめの対象外だが、対応を検討していくという。
見逃し番組を「COCORO VIDEO」から紹介
ビデオマーケットと提携したシャープの映像配信サービス「COCORO VIDEO」もプリインストール。13万本のラインナップを揃え、利用料金は月額500円から。好みの番組をAQUOSココロビジョンプレーヤーで購入、再生できる。例えばテレビの録画予約を忘れた時、COCORO VIDEOで見逃し配信中の番組を購入して視聴する、といった用途を想定している。
COCORO VIDEOは、COCORO VISIONと連携する映像配信サービスとなり、AQUOSココロビジョンプレーヤーとAQUOSを接続して利用すると、テレビの番組視聴から人工知能が学習したユーザー好みのコンテンツを選び、おすすめしてくれる。また、毎週見ている連ドラを見逃した場合に、見逃し回が配信されていることも検出し、伝えてくれる。
基本的には都度課金型(TVOD)のサービスとなるが、一部見放題プランも用意。利用プランは、月額500円で540ポイントが付与され、好みのコンテンツを購入できる「プレミアムコース」と、15,000本の見放題コンテンツを楽しめる月額980円の「プレミアム&見放題コース」、月額900円の「NHKオンデマンド見逃し見放題パック」、月額900円の「NHKオンデマンド 特選見放題パック」の4種類。
AQUOSココロビジョンプレーヤーの利用にはアカウント等の登録は不要で、購入してすぐに利用できる。ただし、COCORO VIDEOの利用はシャープIDが必要。また、Google Playからのアプリダウンロードには、Googleアカウントが必要となる。
COCORO VIDEO開始にあわせて、新規加入した先着10,000名に、2万円分の動画視聴ポイントをプレゼントする「COCORO VIDEO開始特別キャンペーン」を実施。期間は6月10日~8月31日まで。
Netflix 4K対応や音声検索も
Android TV(Android 5.1)をベースとし、Googleアカウントを入力することで、VODやゲーム、生活情報などのアプリをダウンロード可能。HuluやdTV、U-NEXT、bonoboなどの映像配信サービスに対応する。NetflixとCOCORO VIDEOはプリインストールされており、アプリのダウンロードは不要。
リモコンにはYouTube、Netflix、COCORO VIDEOの専用ボタンを備えており、ワンタッチで起動できる。4K配信にも対応する。また、リモコンのマイクに話しかけ、Androidアプリのコンテンツを音声で検索可能。接続したAQUOSやAQUOSブルーレイの録画リスト検索も行なえる。
なお、テレビの見逃しのおすすめ以外の各機能は、'16年モデル以前のAQUOSでも利用可能。'16年モデルのAQUOSは、ユーザーの同意の下、テレビの視聴履歴をクラウド(COCORO VISION)に送信する機能を搭載。これにより、ユーザーに嗜好を学習し、おすすめ番組を紹介できるようになっている。'16年以前のAQUOSの場合は、AQUOSユーザーに人気の番組などをおすすめする。
出力端子はHDMI×1。USB×2やEthernet、IEEE 802.11a/b/g/n/acを搭載する。消費電力は0.5W。外形寸法は15.1×15.1×3.9cm(幅×奥行き×高さ)、重量は約0.5kg。スピーカーも内蔵している。
テレビジョンからココロビジョン
シャープ 代表取締役 専務執行役員 コンシューマーエレクトロニクスカンパニー 社長の長谷川祥典氏は、シャープが掲げる「モノの人工知能化 AIoT」にもとづき、知性や愛着を持った家電が、人に寄り添う世界を目指すという「ココロプロジェクト」のコンセプトを紹介。
長谷川氏は、クラウドに繋がることで、好みや環境にあわせて、「わが家流に成長する家電」を目指すと目標を掲げ、クラウドサービスの「COCORO VISION」を介して、シャープの家電機器を連携し、WebAPIを介して、ECやVODやなどの各種サービスと連携するなど、周辺ビジネスを拡大していく方針を示した。
ココロプロジェクトの第1弾製品は、5月に発売予定のモバイル型ロボット電話「RoBoHoN(ロボホン)」。第2弾となるAQUOSココロビジョンプレーヤーでは、音声通知や対話型のインターフェイスなどの音声関連技術やノウハウをRoBoHoNと共通化し、人が近づくと声で見逃し番組をオススメしてくれる新たなテレビ体験を訴求する。また、動画配信サービスもCOCORO VIDEOだけでなく、U-NEXTなどの他のパートナーとの協業も予定している。
長谷川氏は、AQUOSを第2弾製品に選んだ理由について、「一番お客様に近いタッチポイント(接触点)。シャープを代表するブランドAQUOSに“ココロ”を持たせるのが、ココロビジョンプレーヤー。テレビジョンからココロビジョン」と語り、人に寄り添うテレビの実現を目指す姿勢を示した。
さらに、ココロプロジェクトとして'16年度中に5つの商品計画があることを紹介。「あらゆる家電をクラウド化する」と語った。
なお、有機ELテレビについては、「OLED(有機EL)の研究開発は粛々と進めている。スマートフォン用、テレビ用で立ち上がりは異なっているが、スマホ向けは立ち上がりつつある。テレビ向けは、寿命、生産性、大型化において課題がある。そこをクリアにして、テレビ向けのOLED(有機EL)の量産目処がたてば、当然積極的に展開する」(コンシューマーエレクトロニクスカンパニー デジタル情報家電事業本部 国内事業部の宗俊明広 事業部長)と説明。ただし、「他社のパネルを買ってOLEDを出す可能性はない」と、自社パネルにこだわる姿勢を強調した。またテレビ事業の業績については「国内は順調でシェアも伸びている。アジアも堅調だが中国市場はやや落ちている。トータルでは今期黒字にできると思っている(長谷川氏)」とした。