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外の音が聞こえるWestone製イヤフォン。10万円を切るラックスマン・ヘッドフォンアンプ
(2016/4/29 20:01)
4月29日~30日に中野サンプラザで開催されている「春のヘッドフォン祭2016」。ここではWestoneや音茶楽などのブースをレポートする。
ヒビノインターサウンド
iBasso Audioの新ハイレゾプレーヤー「DX80」が目玉だ。4月29日発売で、価格はオープンプライス、店頭予想価格は49,800円前後。microSDHC/SDXC対応のカードスロットを2基搭載している。
3.2型のディスプレイを備え、DSDは5.6MHzまでのネイティブ再生、PCMは192kHz/24bitまでサポート。DACにはシーラス・ロジックの「CS4398」をモノラルモードで2基搭載。L/Rの信号を個別に駆動する事で、音質を高めている。また、クロックに水晶を使わず、SiTimeのMEMS発振器を2基使っているのも特徴だ。
ディスプレイの下に3個のボタンを搭載。再生、一時停止、曲送り、曲戻しの操作ができる。150ステップのデジタルボリュームを採用し、微細な音量調整にも対応する。
WiseTech
中国のイヤフォンブランドPai audioの取扱いを開始したWiseTech。4月29日に3製品を発売している。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は、バランスドアーマチュア×3基の「PAI-MR3」が24,200円前後、ダイナミック型の「PAI-DR1」が6,640円前後、インナーイヤー型の「3.14FLAT」が2,420円前後。
2014年に設立された中国・深センのメーカーで、コストパフォーマンスに優れているのが特徴だという。
「PAI-MR3」は、バランスドアーマチュアユニットを3基搭載。ダイナミック型の「PAI-DR1」は、6.6mm径ユニットを採用。インナーイヤー型の「3.14FLAT」は16mm径ドライバでCCAWボイスコイルを使っている。
エムエムシー企画
韓国のオーディオメーカーThe BITの、ハイレゾポータブルオーディオプレーヤー「OPUS #1」。Android OSを採用したモデルで、4月30日からe☆イヤホンにて先行販売を開始。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は72,800円前後だ。それ以外では、5月下旬に発売を予定している。
DACには、Cirrus Logicの「CS4398」をデュアル構成で搭載。出力端子は3.5mmのステレオミニと、2.5mm 4極のバランスを備え、バランス駆動にも対応。3.5mmの端子は光デジタル出力も兼ねている。
PCMは192kHz/24bitまでサポート。DSDも5.6MHzまでの再生をサポートするが、PCMへの変換再生となる。ストレージメモリは32GBで、microSDカードスロット×2基も搭載。各スロットは200GBまでのSDXCカードに対応可能としており、合計で最大432GBまでの拡張が可能。
Just ear
Just earのブースでは、「XJE-MH1」の1周年記念チューニングモデル「Goddess Bless You」を展示している。名前の通り、「女神の吐息を耳元で感じたい」というテーマでチューニングされたモデルで、Just earの松尾伴大氏が、女性ヴォーカルの魅力を楽しむ事にこだわって調整したという。
フロンティアファクトリー
6月17日に発売する、Acoustic Research(AR)の新ハイレゾプレーヤー「AR-M20」を展示している。直販サイトでの価格は74,000円。
既存の「AR-M2」とよく似たデザインだが、M2よりも薄くなっているのが特徴。ディスプレイは5型。OSにはAndroid 4.3を採用し、専用のプレーヤーソフトもインストールされている。CPUはクアッドコアのCortex-A7。
内蔵メモリは32GB。200GBまでのカードが利用できる、microSDXCスロットも備えている。DACがM2の「PCM1794A」から「PCM5242」へと変更。PCM5242の内部で、オペアンプとコンデンサの処理を行なう、ダイレクトドライブ方式となった。クロックは44.1kHz系と、48kHz系を分離し、それぞれに専用のクロックを搭載する。
PCMが384kHz/32bitまでに対応。ただし、384kHzは192kHz、352.8kHzは176.4kHzへとダウンコンバートしながらの再生になる。対応ファイルはFLAC、Apple Lossless、WAV、DXD、APE、AIFF。DSDは5.6MHzまでの再生が可能だが、PCM変換再生となる。
ラックスマン
注目は、6月下旬発売のUSB DAC/ヘッドフォンアンプ「DA-150」だ。価格は98,000円。
2011年に発売された人気モデル「DA-100」のコンセプトを継承した新機種で、デジタル回路などの主な機能は2015年発売の上位機種「DA-250」を踏襲。DA-250からプリアンプを省略し、小型化した弟分と呼べる製品が「DA-150」。価格は98,000円。
USB DACとしてはDSD 5.6MHz、192kHz/32bitに対応。ディスクリートドライバの搭載により駆動力を高めたヘッドフォンアンプ、電子制御アッテネーター「LECUA」なども搭載。USB×1、同軸デジタル×1、光デジタル×1の入力も備えている。ヘッドフォン出力は標準プラグ。アナログ音声(アンバランス、RCA)×1も搭載する。
低位相雑音クロックモジュレータを44.1/48kHzのそれぞれに独立搭載。USBはアシンクロナス通信、同軸/光デジタルは内蔵DAIR「PCM9211」の高精度PLLにより、クロックにより低ジッタ化し、音質への悪影響を防いでいる。
音茶楽
音茶楽は、既発売のイヤフォン「Flat4-玄弐型」や「Flat4-緋弐型」の上位モデルとして、「Flat4-玄Ti Plus(KURO Ti Plus)」と「Flat4-緋Ti Plus(AKA Ti Plus)」の2モデルを5月27日から発売予定。それに先駆け、ヘッドフォン祭にて、試聴展示と少量先行販売を実施している。
ダイナミック型のイヤフォンで、従来から採用している「位相補正チューブ」技術などを採り入れつつ、新たにセンターキャビネット部に、削り出しの純チタン材を採用(下位モデルはアルミ)。キャビネットの内側は天然素材による制振処理を施し、固有振動を抑えて付帯音の少ない、ヌケの良い音を実現したとする
「茶楽音人-さらうんど-」のブースでは、ハウジングを小型化したイヤフォン「こどんぐり」の参考展示も行なっている。
Westone
テックウインドのブースでは、Westoneが米国NAMMショーで発表した、世界初のアンビエント型(開放型)ユニバーサルイヤフォン「AM Proシリーズ」を出展する。
従来のステージ用のカスタムイヤフォンは、外部音をなるべく遮断して、クリアな音をミュージシャンに届けるのが目的だ。しかし、観客の反応など、「外部の音を感じながらパフォーマンスを届けたい」というリクエストもあったという。
AM Proシリーズは、独自に開発された「SLED」テクノロジー、「TRUフィルター」を使い、不要な外部周波数はカットしながら、外部の音を取り込み、クリアな音を実現。「従来のアンビエント型モニターとはまったく異なる」という。歩行中に周囲の音を聞き取り、安全性を高める利点もある事から、コンシューマ向けにも提供する。
ラインナップは「AM Pro30」(3ドライバ)、「AM Pro20」(2ドライバ)、「AM Pro10」(1ドライバ)の3モデル。シェルはコンパクトで軽量。付属の純正ケーブルは経年による硬化が少ない柔軟な編み込みタイプとなっている。