シャープ、5.6MHzサンプリングを実現した1ビットデジタルアンプ
―DVD/SACD用のマルチチャンネルシステムも開発


9月25日発表



 シャープ株式会社は25日、独自の「1ビットデジタルアンプ技術」をもとに、サンプリングレートを従来の2.8MHzから2倍の5.6MHzに向上させることに成功したと発表した。また、同技術を用いたマルチチャンネル再生システムも開発。さらに同技術によるマルチチャンネル用DVD/SACDプレーヤーの開発にも成功したとしている。

 「1ビットデジタルアンプ」とは、同社が'99年6月に発表した技術で、CDの64倍という約2.8MHzの詳細なレートでサンプリングした後、1ビット信号でスイッチング増幅を行なうもの。これにより「原音に限りなく近い高音質と省エネ化、小型化を実現した」としている。

 今回、新しい「1ビットデジタルアンプ信号処理LSI」を開発し、サンプリングレートを従来の倍となる5.6MHz(1秒間に5,644,800回)に引き上げることに成功。これにより「さらに緻密な超高音質再生が可能になった」という。最終段のスイッチングも約5.6MHzパルス幅にしている。

 また、開発された1ビットデジタルアンプ信号処理LSIでは、7次のΔΣ変調によるノイズシェーピングをサンプリング後に行ない、ダイナミックレンジ、再生周波数帯域の拡大を実現する。

 加えて、現行機「SM-SX100」で100W×2ch(8Ω、4Ωとも)だった出力を、ほぼ同じサイズで150W×2ch(8Ω)、200W×2ch(4Ω)へと大出力化を図るとしている。

 電源部はスイッチング電源で構成され、AC/DCコンバータは効率95%、出力750Wで駆動するという。また、DC/DCコンバータは、動作方式として「ゼロ電圧スイッチング」を採用。効率90%、出力500W×2chを実現した。

 今回の開発品を活かし、同社では「1ビットデジタルアンプ」を用いたマルチチャンネル再生システムも開発した。、DVD/SACDプレーヤーとアンプとの間に置く「マルチコントロールセンター」に、様々なオーディオ信号を1ビットに変換する「マルチビット to 1ビット変換回路」を8ch分搭載することで、入力信号をすべて1ビットで処理。「高品質オーディオ再性能能力を最大限発揮するマルチチャンネルシステムを構築できる」としている。

2000年のオーディオエキスポで参考出展されたシャープの1ビットデジタルアンプとプレーヤー
 また、同社では1ビットマルチチャンネル用のDVD/SACDプレーヤーも開発。本体に「マルチビット to 1ビット変換回路」も内蔵し、SACD以外のディスクの信号を1ビットに変換。「マルチメディアコントロールセンター」が行なっていたことを単体で可能にする。またSACD再生用として、192kHz/24bitの音声DACをチャンネルごとに6個搭載。加えて、ドルビーデジタルとDTS-ESデコーダを搭載し、プログレッシブ出力が可能な54MHz/10bitの映像DACを内蔵するという。

 これらの開発品は、10月2日からの「CEATECH 2001」と、10月5日開催の「オーディオエキスポ」でも出品予定となっている。


マルチチャンネル再生のシステム例

□シャープのホームページ
http://www.sharp.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/010925-2.html

(2001年9月25日)

[orimoto@impress.co.jp]

I
◇ 最新ニュース ◇
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【Watch記事検索】

00
00  AV Watchホームページ  00
00

ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2001 impress corporation All rights reserved.