また、11月中旬から撮影開始の2002年5月公開作品「突入せよ!! あさま山荘事件」の撮影に用いられ、同作品は初の720pビデオ撮影の作品となる。 「AJ-HDC27F」は、4~60fpsの範囲でコマ数を可変できるデジタルHDカメラで、記録レートが「DVCPRO」の4倍の「DVCPRO HD」に対応する。なお、DVCPRO HDは、約1.2GbpsのHDデジタル信号をダウンサンプリング後に約1/6.7に圧縮し、ビットレート約100Mbpsで記録する方式。民生用DVやDVCAMなどと再生互換がある。 「AJ-HDC27F」の最大の特徴は可変フレームレート機構により、フィルム撮影での等速となる24pでの撮影のほか、フィルムカメラで用いられる「コマ落とし撮影(アンダークランク)」や「高速度撮影(オーバークランク)」といった撮影法を、ビデオカメラで初めて実現したこと。同社ではこの製品を「VariCam」と呼んでいる。 この4~60fpsの信号を60コマに変換(720/59.94p)し、ビットレート約100Mbpsに圧縮して記録。DVCPRO HDカセットテープに最長46分記録できる。
搭載CCDは2/3型IT式100万画素×3。感度F12(2,000ルクス)を実現し、最低被写体照度は0.7ルクス。「ISO 640相当で超微粒子フィルムの感覚で撮影が可能」という。 また、フィルムのラチチュードをCCDで再現するために、ガンマカーブとして2種類のシネガンマ(フィルム用/キネコ用)とビデオガンマの計3種類を搭載した。撮影用途に合わせて選択できる。さらにカーブの調整機能も使用でき「まさにフィルムトーンの表現力が得られる」としている。 レンズには、別売のHDレンズアダプタを介すことでフィルム用の「ウルトラプライムレンズ」を装着可能。さらにアダプタ接続時に画像の上下反転をキャンセルする「スキャンリバース機能」を世界で初めて搭載した。 そのほか、レンズ前面に装着する「マットボックス」やフォーカス合わせに使用する「フォローフォーカス」といった、フィルムカメラ向けのオプションを利用可能。アントンバウアー製バッテリを装着するためのバッテリホルダも用意されている。 撮影映像をその場で再生できるビューファインダを搭載するほか、HD-SDI OUT端子で外部モニタが行なえる。また、フィルムを代えるようにホワイトバランスを「タングステン」と「デイライト」に切り替え可能。加えて、セットアップデータを最大8件までSDメモリーカードに保存できる。本体重量は4.3kg。 同社は8月に映画上映向けのDLPプロジェクタ「TH-D9610J(ライティア)」を発売。今回発表のHD撮影システムにより、撮影から上映までの「デジタルシネマ関連のハードのラインナップが整った」とし、本格的な事業参入を表明した。HDコンテンツ制作については、従来から携わる同社グループ内のパナソニックデジタルネットワークサーブ株式会社に加え、社内ベンチャーのプログレッシブピクチャーズ株式会社が同事業に着手している。
□松下電器のホームページ (2001年11月5日) [orimoto@impress.co.jp] |
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