また、同じCCDを使用する光学6倍ズーム機「FinePix S602」の開発も発表された。価格は未定で、発売は4月を予定している。
■ FinePix F601
有効画素数310万の「第三世代スーパーCCDハニカム」を搭載した縦型デザインのデジタルカメラ。2001年3月発売の「FinePix6800Z」の後継機に当たる。デザインはポルシェデザインではなく、自社開発。 記録メディアにはスマートメディアを使用し、電源は専用リチウム充電池を採用。専用ソフト「FineViewer」の対応OSは、Windows 98/98 SE/Me/2000/XP、Mac OS 8.6~9.2/X(10.0.4~10.1.1)となっている。本体にインターフェイスは搭載しておらず、USB 1.1対応のクレードルは別売(5,000円)となった。 外形寸法は72×34×93mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約220g。FinePix6800Zよりも体積比で約20%ほど小型化している。レンズは沈胴式の3倍ズーム。電源連動型のレンズバリアを装備する。
新たに搭載した第三世代スーパーCCDハニカムは、従来のスーパーCCDハニカムと同じく、撮影した画像に独自方式の画素補間を適用できる。その場合は、最大2,832×2,128ドットの撮影が可能。今回も同社系列の富士マイクロデバイスが生産を担当する。 第三世代ならではの特徴は「画素加算信号処理」と「CCD内水平/垂直混合処理」が盛り込まれたこと。これらにより、従来のスーパーCCDハニカムと比較し、感度4倍、低ノイズ度120%、CCD集光率133%を実現したとしている。 画素加算信号処理は、ハニカム処理で得られた4画素分を1画素にまとめることで、4画素分のデータを1画素で実現するというもの。ISO 800および1600モードで作動する。信号レベル(感度)は4倍、SN比は2倍となり、高感度なISO 1600でもノイズの少ない画像記録が可能になるという。同社では、「ろうそく数本分の明るさでもスローシャッタにならず撮影できる」としている。ただし、記録画素数そのものは4分の1に減少し、1,280×960ドットに限定される。 一方、画素混合処理は、ハニカム配置の構造を活かした動画用の処理方法。CCD上の垂直、または水平方向の2つの画素を混合(電荷を合算)する。これにより、信号レベル(感度)が4倍、SN比が2倍になると同時に、高速読み出しが可能になる。このため、640×480ドットで30fpsの動画を記録できるという。ただし、今回発表のFinePix F601では15fpsにとどまり、FinePix S602より採用される。 また、CCD上のマイクロレンズの見直しなどにより、デバイスそのもののベース感度も引き上げられたという。設定できる最小値はISO 160からとなり、ホワイトバランスも改善されている。 記録画素数は、ハニカム処理の2,832×2,128ドットのほか、2,048×1,536/1,280×960/640×480ドットをサポート。動画の記録も可能で、解像度は640×480/320×240ドット、フレームレートは15fpsとなっている。
露出モードとして、オート/プログラム/絞り優先/シャッター優先/マニュアル/シーンポジション(5シーン)から選択できる。さらに、AFポイントを任意のポイントから選べる機能や、1,280×960ドットの画像を約0.6秒間隔で最大40コマまで撮影できる「MEGA連写機能」を搭載している。本体の起動は約2秒で、撮影間隔は約1秒。 そのほか、画像閲覧ソフト「FinePix Viewer」、インターネット画像保管サービス「PictureJouney」などの総称「Picture The Future」にも対応している。
■ FinePix S602
4月発売予定の光学6倍ズーム機で、FinePix F601と同じCCDを採用している。価格は未定。画素加算処理や画素混合処理も搭載し、ISO 600/1600での撮影も同様に行なえる。 ファインダには液晶モニタのほか、18万画素30fpsの液晶ビューファインダを搭載。また、スマートメディアとCF Type 2のダブルスロットとなっており、microdriveにも対応する。電源は単3電池4本を使用。 FinePix F601にない機能としては、通常のCCD AFにパッシブ位相差AFを組み合わせた「ハイスピードツインAF」がある。レンズ一体型デジタルカメラ中、フォーカス速度は最速という。本体上面には、外部ストロボを接続できるホットシュ―を備えている。 その他の機能はFinPix F601とほぼ同じになる予定。外形寸法は121×97×81.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約500gとなっている。
富士フイルムの古森重隆社長は、第三世代スーパーCCDハニカムについて「'99年に第一世代、2001年に高画素化した第二世代を送り出した。今回発表するのは、当社が目指してきた銀塩とデジタルのトータルソリューションをブレイクスルーするもの。写真の楽しさ、素晴らしさを実感できると考えている」と挨拶した。
また、青木良和営業本部長は発表会の中、「感度と解像度(粒状性)の相関関係は、銀塩フィルムもデジタルも同じ。フィルムの歴史は感度を増すと荒れる粒状を、いかに滑らかにすることだった。デジタルカメラでもこれは同じ。画素数の次は感度が重要になる」と語った。
□富士フイルムのホームページ (2002年1月30日) [orimoto@impress.co.jp] |
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