具体的な製品化の時期と価格は、会員各社とも未定としている。ただし、日立によれば、同容量のベアドライブと比較して1~2割ほど割高になるという。 会員各社の担当は、富士通と日立がドライブを提供し、フェニックスがBIOSを開発。三洋電機、シャープなどがビデオレコーダなどの機器開発と販売を予定しているという。また、賛同社としてFCI ジャパン株式会社とミツミ電機株式会社の名が挙がっており、両社はそれぞれコネクタとソケットを生産する予定。
iVDR(Information Versatile Disk for Removable usage)は、2.5型のHDDを使用した記録メディア。公開された仕様によると、基本的にはPC用の2.5型ドライブをほぼそのまま流用可能。ただし、900G以上の耐衝撃性(非動作時)を確保する必要がある。外形寸法は130×80×12.7mm(幅×奥行き×高さ)で、将来的には1.8型ドライブの採用や、著作権保護機能の搭載も考慮されている。 主な用途としてPC用とAV用が想定されており、両者の橋渡しとしての役割も担う。当初は著作権保護機能の必要のないPCストレージ市場で展開し、賛同するコンテンツメーカーとの共同規格が決定次第、著作権保護機能つきのiVDRをAV市場に本格投入するという。 AV用途としては、単体ビデオレコーダ、ミニコンポ、単品オーディオ、カーステレオ、カーナビゲーションシステム、フラットテレビなどへの搭載を見込んでいる。また、iVDRを複数接続したホームサーバー用途も視野に入れている。PC用iVDRにはブート機能が盛り込まれる予定。 なお、iVDRをテレビ録画機能に使用した場合、1つのiVDRで3チャンネルの録画が可能。複数用意すれば任意のチャンネル数の録画・再生が可能になるという。
iVDR規格は、ハードウェア、インターフェイス、ファイルフォーマット、アプリケーションの4つのレイヤーに分かれており、今のところファイルフォーマットにはUDFのほか、フリー規格としてFAT、EXT2などが決定している。また、アプリケーション層には「テレビ録画用データフォーマット」、「電子アルバム用データフォーマット」、「オーディオ用データフォーマット」などが挙がっている。 iVDRコンソーシアム事務局は、容量、コスト、ランダムアクセスといったHDDの持つ利点を挙げると同時に、「ライフサイクルが短い」、「アプリケーションによっては大容量が不向き」、「モバイル性の欠如」、「メンテナンスが不便」というHDDのデメリットも列挙。そうしたデメリットをリムーバブル化することで解消し、HDD市場における新たなビジネスモデルを構築できると主張した。 もちろん、新しいマーケットの創出による量産効果も期待できるという。同事務局では2004~2005年でAV用HDDの市場が全体の30%におよぶと試算している。
今回設立されたiVDRコンソーシアムは、会員社の総会を頂点とする組織。下部は理事会、部会、事務局で構成され、部会には「プロモーションWG」、「コンプライアンス管理WG」、「ハードウェアWG」、「セキュア・ファイルシステムWG」の各ワーキンググループが存在する。 また、会員は議決権のない一般会員と議決権を持つExecutive会員に分かれており、年会費は一般会員が30万円、Executive会員が50万円となっている。
なお会見中、パイオニアの執行役員で研究開発本部長の松村純孝氏は「当社は光ディスクに特化してきたが、特性の点から見ても、iVDRはまったく違うメディア」と語り、光ディスク事業の継続を示した。
□iVDRコンソーシアムのホームページ (2002年3月6日) [orimoto@impress.co.jp] |
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