また、ML記録方式対応CD-R/RW用LSI「LC898040」と、CD-R/RWおよびDVD-ROMのコンボドライブ用LSI「LC898010」も発表された。両チップとも信号処理チップセット「LC898050」と組み合わせることで、対応メディアでのML記録が可能になる。サンプル出荷時期は2002年4月からで、サンプル価格は各3,000円となっている。 ML(MultiLevel Recording)記録方式とは、Calimetricsが'98年に開発した光ディスク向けの高密度記録技術。従来の記録方式がピットの長短という1bit記録だったのに対し、ピットの深さなどを調節することで、3bit記録を実現。従来以上の高密度記録が可能となり、CD-ROMの場合なら、現行の3倍にあたる2GBの記録容量を実現する。さらに、従来の赤色レーザで読み出せるため、現行のピックアップをそのまま流用できるという利点もある。 ML信号処理LSIの「LC898050」は、LQP-176パッケージのMLエンコード/デコード処理LSI。同時発表のドライブ用LSI「LC898010」と「LC898040」とのインターフェイス機能(ML/IF)を実装し、組み合わせることでML記録/読み出しが可能になる。データレートは、CD-ROM比36倍相当という5.4mbps。
「LC898040」は、単体で使用すると通常のCD-R/RWドライブを構築でき、LC898050と組み合わせるとML記録・読み出し対応のドライブを製作できるCD-R/RW用処理LSI。CD-ROMデコードは48倍速、エンコードは24倍速となっている。デジタルサーボや16MbitのSDRAMを内蔵し、CAV記録やBURN-Proofにも対応している。インターフェイスはATAPIで、パッケージはLQFP-216。 CD-R/RWとDVD-ROMコンボドライブ用LSI「LC898010」も、単体での使用のほか、LC898050との組み合わせが可能。CD-ROMデコードは48倍速、エンコードは32倍速、DVDデコードは16倍速。LC898045と比較すると、DVD再生機能やBCAリード機能が加わった程度で、大きな差異はない。 なお、ML記録方式で記録したディスクを現行CD-ROMドライブで読み込むことは不可能。また、ML記録方式は、記録型DVDへの適用も可能だが、現状では「開発成果品はまだ存在せず、Calemetricsで技術的な検証がすんだところ」(三洋電機セミコンダクタカンパニー)という状態にある。 現在、ML記録方式のアライアンスには、Calimetricsのほか、TDK株式会社、三洋電機株式会社、シナノケンシ株式会社、ティアック株式会社、松下寿電子工業株式会社、三菱化学メディア株式会社、ヤマハ株式会社が参加している。
□三洋電機のホームページ (2002年3月8日) [orimoto@impress.co.jp] |
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