同レーザーには、世界初となる新構造を採用。これまでのレーザー発振器は、光源体に絶縁体のサファイアを使用していたため、電極を基板上面にp/nの2極設ける必要がある。そのため、p-クラッド層、活性層の下にあるn-クラッド層を表わすためのエッジングなど、成型工程数が多くなっていた。 新構造では、光源体に導電体のInGaN(インジリウムガリウムナイトライド)系化合物半導体を採用。これにより電極を基板の上下に設けることができる。同社では、この構造を「上下電極構造」と呼称している。この構造により、チップ面積300μm2程度と、従来製品比で約1/2程度への小型化や、生産性の向上などが見込めるという。 また、これまでエッジングで成型していたレーザー光が通る導波路の成型には、イオン化した原子を半導体に打ち込み、材質を変化させるイオン注入技術を使用。エッジング成型の工程を削減すると同時に、ビーム形状が安定するため、同社では「ビーム安定構造」と呼称している。同構造によりノイズが低下し、動作電流も低減する。 発信波長は405nm、光出力は5mW。ビーム広がり角度は水平8°/垂直30°。電流はしきい値電流40mA、動作電流45mA。また、ノイズ値は-135dB程度としている。パッケージサイズはφ5.6mm。 波長405nmは、松下、ソニーなど9社が策定した大容量光ディスク規格「Blu-ray Disc」に準拠するもの。しかし、今回発表されたレーザー発振器は出力が5mWで、約30mWが必要な「Blu-ray Disc」には使用できない。発表会では、「同構造で高出力化が可能。できるだけ早く高出力のものを開発する」と話していた。
□三洋電機のホームページ (2002年3月13日)
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