一方、営業利益は40.3%減の1,346億円、税引前利益は65.1%減の928億円。2002年度は6%増の売上高8兆円、50%増の営業利益2,800億円を見込んでいる。 なおソニー単独では、売上高2兆6,441億9,500万円(同12%減)、営業損失529億9,400万円、経常損失61億2,200億円となっている。
連結での分野別では、AV機器やPCを含むエレクトロニクスが5兆3,104億円(同3%減)、営業損失が82億円。増収に寄与したのは、テレビ(同6.3%増)、ビデオ(同1.9%増)、携帯電話以外の情報・通信(1.1%増)となっている。また、バイオも16.1%増と好調だった。 特に「キャッシュフローが貢献した」(徳中暉久副社長兼CFO)とし、2001年3月に発表された構造改革も14億円の寄与になったという。なお、連結全体での期末残高は、6,838億円となっている。 同分野で減収した部門は、半導体(同23.3%減)、PC周辺機器などのコンポーネント(同6.5%減)、オーディオ(同1.2%減)、その他の部門(同11.5%減)。その他の部門には、2002年10月1日付けで完全子会社化するアイワの業績を含んでいる。なお、オーディオは増益となっており、Net MD機器、ホームシアター機器が好調だったという。 一方、同分野の減益は、市場価格の下落、OEMビジネスの低迷、回収問題も起こった携帯電話ビジネスの損失などによるもの。当然ながら、アイワの損失やアイワの構造改革費用(850億円)も減収要因に含まれている。なお、アイワは営業利益で380億円のロスを出すもSCMが効果を挙げ、年間35%の在庫削減ができたという。 また、米ソニーミュージックエンタテインメント(SMEI)とソニー・ミュージックエンタテインメント(SMEJ)からなる音楽分野は、売上高6,428億円(同5.0%)、営業利益(同1.6%減)となった。 SMEIはデスティニー・チャイルド、マイケル・ジャクソン、ジェニファー・ロペスといったベストセラーアルバムを発売。しかし、違法デジタルコピーによる著作権侵害の増加や、米国同時多発テロの影響などを理由に、売上高は4%減少した。また、構造改革を継続中で、それに伴なう費用が20%の減益を生じさせたという。この構造改革には、世界規模での従業員削減や、デジタルメディア事業と投資ポートフォリオの整理合理化などが含まれている。 一方、国内のSMEJは売上が2%増加しており、ケミストリー、ゴスペラーズ、平井堅のアルバムがヒットした。また、営業利益も18%増加。国内市場は不振だったが、販売費や管理費の削減と旧スタジオ施設の売却益が増益につながったとしてる。 映画部門は増収増益で、売上高が14.5%増の6,538億円、営業利益が7.2倍の313億円となった。なお、発表内容は米国ソニー・ピクチャーズエンタテインメントの円換算後。 好調だった作品は「ロック・ユー!」、「アメリカン・スウィートハート」、「ブラック・ホーク・ダウン」など。また、「グリーン・デスティニー」、「バーティカル・リミット」といったDVDパッケージも「1月に発表した想定を上回った」(同)ほど好調で、増収に寄与した。
徳中副社長は、2002年度の通期および第1四半期について「半導体不況に底打ち感が見られるが、今後も厳しいものと思われる。また、アイワのリストラも加速させる」と語った。さらに「映画分野でもスパイダーマンやメン・イン・ブラック2といった大作が控えており、営業費用がかさむと見られる」とし、営業赤字になるとの予測を発表した。また、第1四半期だけで600~700億円規模の構造改革も行なうという。
ただし、キャッシュフローについては「在庫削減やオペレーション改善を継続し、消化を見込んでいる」との明るい見通しを語った。
□ソニーのホームページ (2002年4月25日) [orimoto@impress.co.jp] |
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