部門別売上高は、テレビ、ビデオ、PCなどのAVCネットワークス部門が前年同期比95%となる4兆518億円、白物家電のアプライアンス部門が1兆1,782億円(同90%)、FA、空調など産業機器のインダストリアル・イクイップメント部門が2,887億円(同62%)、半導体、電池などのデバイス部門が1兆3,580億円(同84%)となっている。 このうち、AVCネットワークス部門は、テレビやVTRで構成する映像・音響機器と、電話、PCなどの情報・通信機器に分けて売上高が発表された。情報・通信機器が同89%と落ち込む中、映像・音響機器は前年並みを維持し、102%の微増が伝えられた。 松下電器の中村邦夫社長は、「創業以来の大赤字を出し、ご迷惑をかけた」と頭を下げた後、2月に発表した下方修正から700億円上回ったことに対し、「売上が減少した中で在庫が減っており、当初の目論見通りといえる。これまでの徹底した構造改革が実を結びつつあり、2002年度は『破壊と創造』のうち、『創造』に軸足をおいた経営を行なう」と語った。 2002年の見通しとしては「強制の激化で、依然として厳しい状況にある」と前置きした後、1月10日に発表したグループ5社の100%子会社化や、88品目の「V商品」の投入により、1,000億円の営業利益実現を強調。決算報告の終わりには「(業績回復を)社会との契約として達成する」との力強いコメントもでた。
2002年度におけるAVCネットワーク分野の部門別売上高は、映像・音響機器が1兆9,050億円、情報・通信機器が2兆2,450億円を見込んでいる。情報・通信機器は前年並みだが、映像・音響機器については6%の増収になる。 また、会計報告の後にグループ再編の説明があった。2002年1月10日に発表されたグループ5社の完全子会社化(10月1日予定)を契機に「AVC事業」、「固定通信事業」、「移動通信事業」、「カーエレクトロニクス事業」、「システム事業」、「環境システム事業」、「FA事業」の5つの事業ドメインに対応した再編を行なう。新体制発足は2003年1月1日を予定している。 このうちAVC事業は、松下電器の社内分社、AVC社を「パナソニックAVCネットワークス(仮称)」に名称変更したもので、業務は開発、製造、販売、サービス・エンジニアリングとなっている。 事業内容は、テレビ、STBなどの映像機器事業、DVD、ビデオ、オーディオ、PCなどのAVCネットワーク機器事業、業務用映像機器などのAVシステム事業に分かれている。この中でも、特にデジタルテレビ、PDP、DVD、SD、デジタルスチルカメラ事業をコア事業と位置付けるという。2004年度の売上高目標は、約1兆5,600億円。 また、カーエレクトロニクス事業は、松下電器のカーエレクトロニクス事業推進センター、カーエレクトロニクス営業本部、AVC社のカーシステム事業、松下通信工業株式会社のカーマルチメディアカンパニー、九州松下電器株式会社のカーナビ事業を統合し、「パナソニック オートモーディブシステム社」を設立。2004年度の売上高として、約4,500億円を目指している。 なお、連結子会社の日本ビクター株式会社は、今回の再編の影響を受けない。理由を中村社長は「(松下電器とは)まったく違ったブランドの製造販売会社と位置付け、協業すべきところは協業し、その実をあげていく」と説明した。ビクターは、25日に2001年度の業績を445億7,100万円の赤字で発表している。売上高が2.1%増の9,541億7,200万円、営業損失が120億9,400万円、経常損失が156億4,600万円。 2002年度の重点施策として、AV&マルチメディア事業では、DET搭載テレビなど高付加価値戦略をとり、システム事業では生産拠点の1本化、ソフト・メディア事業では音楽事業をコアとして収益力を強化、その一方でVHS事業の縮小を行なう。2002年度の連結業績は、売上高4,760億円、経常利益13億円を予想している。
□松下電器のホームページ (2002年4月26日) [orimoto@impress.co.jp] |
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