キヤノン、スタイルを一新した「IXY DV 3」
―DVカメラ初のExif 2.2対応、AD変換機能も搭載


5月下旬発売

標準価格:オープンプライス

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 キヤノン株式会社は、小型DVカメラ「IXY DV」をモデルチェンジし、「IXY DV 3」の名称で5月下旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は13万円前後になる見込み。アクセサリーキット(28,000円)は別売りで、内容はバッテリパック「NB-2L」、専用充電器、8MB SDメモリーカード、インターフェイスケーブル、ソフトウェアCD-ROMなど。

液晶モニタを開いた状態。金属パーツも多くなり、高級感が増した。外形寸法は50×89×111mm(幅×奥行き×高さ)

 「IXY DV」からのマイナーチェンジにとどまった2001年9月発売の「IXY DV 2」とは異なり、撮像素子をはじめ大幅な変更が加えられた。その1つがボディデザインで、本体上部に「FV30」のようなレンズ後端のくびれを取り入れるなど、最近の同社のデザイン傾向を採用。ビューファインダの接眼光軸を上に向けたのも、IXY DVシリーズとしては今回が初めてとなる。なお、本体サイズや重量は前モデルとほとんど変わっていない。

 また、IXY DV 2で採用された3倍録画機能(ESP/ELP)は省略された。これは、IXY DV 2ユーザーのほとんどがPCユーザーだったため。PCへデジタルで取り込めない3倍モードについては使用頻度が低いとの判断から、今回は搭載を見送ったという。

 本体にSDメモリーカード/MMCスロットを装備するほか、DV端子とUSB端子を装備。また、IXY DV初のアナログ→デジタル変換機能を本体に内蔵している。なお、ドッキングユニットが廃止され、USBなどすべての端子が本体に搭載された。ただし、USBはストレージグラスに対応していない。

 撮像素子は1/6型総画素数68万画素CCDで、カラーフィルタはシリーズ初の補色系を採用。より小型の1/6型CCDを使用したためで、同社では「感度をかせぐため」と説明している。また、動画と静止画で独立したカメラ信号処理回路を搭載し、それぞれの色空間に合わせた処理や設定を行なうという。

 有効画素数は動画時が約34万画素、静止画時が約63万画素。静止画の記録解像度は1,024×768/640×480ドットの2種類となる。記録した静止画はExif 2.2に対応。DVカメラでExif 2.2に対応したのは初めてとしている。また、撮影画像を同社のカードフォトプリンタ「CP-10」でプリントできるようになった。

メインスイッチを片手で操作しやすくしたという背面。露出など撮影時に良く使うボタンもここにまとめられた 特徴的な本体上部のくびれ。ビューファインダに角度をつけ、レンズ後部を絞り込んでいる。また、フォトボタンは鏡筒の斜め上に配置され、上から押し込むようになった。手ブレが防止できるという
ドッキングユニットをなくし、すべての入出力を本体に装備。搭載する入出力は、DV、USB、AV入出力、S映像入出力、外部マイク入力、LANC、ヘッドフォン(AV入出力と兼用)。なお、USBはストレージクラスに対応していない

 レンズは光学10倍ズームで、鏡筒がIXY DV 2から約1.6mm短縮された。光学式の手ブレ補正は搭載せず、電子式を採用する。動画撮影時と静止画撮影時では画角が変わり、焦点距離は動画が約48~480mm(35mm判換算)、静止画が約50~355mm(同)となる。また、マルチコートを多用し、ゴーストやフレアを低減したとしている。

 さらに、メモリーカードへのアクセス速度を高速化し、従来約4秒だった静止画の撮影間隔を約2秒へと短縮した。今回からメモリーカードへの動画記録も可能となり、フォーマットはMotion JPEG、解像度は320×240/160×120ドット。

カードプリンタのCP-10に対応。設定はIXY DV 3側で行なう。A6対応のCP-100には対応していない

 バッテリも変更し、同社のデジタルカメラ「PowerShot S30/40」と共用できる「NB-2L」を使用する。充電器も同じ「CB-2LT」を使用可能。NB-2Lでの連続撮影時間は、液晶モニタ使用時が約55分、ビューファインダ使用時が約1時間15分。大容量タイプの「BP-2L12」の場合は、液晶モニタ使用時が約2時間、ビューファインダ使用時が約2時間40分となる。

 そのほか、デジタルエフェクトとデジタルフェードも追加された。デジタルエフェクトは「セピア」、「ウェーブ」、「カラーマスク」など計9種類、デジタルフェードは「コーナーワイプ」、「ジャンプ」、「ジグザグ」など計8種類を搭載している。


【主な仕様】
撮像素子1/6型総画素数68万画素CCD(補色フィルタ)
(有効画素数 動画:約34万画素、静止画:約63万画素)
記録解像度 静止画1,024×768/640×480ドット
動画320×240/160×120ドット
レンズテープ記録時約48~480mm(35mm判換算)、F1.8~2.3
カード記録時約50~355mm(35mm判換算)、F1.8~2.3
最低被写体照度約2.4ルクス(ナイトモード時)
液晶モニタ2型TFTカラー
入出力端子DV、映像・音声入出力、S映像入出力、外部マイク入力、編集(LANC)端子、ヘッドフォン端子(映像・音声入出力兼用)、USB
消費電力約3.4W(ビューファインダ使用時)
約4.4W(液晶モニタ使用時)
外形寸法50×89×111mm(幅×奥行き×高さ)
重量約380g(本体のみ)、約440g(撮影時、バッテリーパック、30分テープ、ボタン型リチウム電池、レンズキャップ、8MB SDメモリーカード含む)

□キヤノンのホームページ
http://canon.jp/
□ニュースリリース
http://www.canon-sales.co.jp/pressrelease/2002-05/pr_ixydv3.html
□関連記事
【2001年8月28日】キヤノン、3倍録画に対応した小型DVカメラ「IXY DV 2」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010828/canon.htm

(2002年5月9日)

[orimoto@impress.co.jp]

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