連絡先:NECエレクトロンデバイス 日本電気株式会社(NEC)の社内カンパニーNECエレクトロンデバイスは27日、MPEG-4のエンコード/デコードに最適化した携帯機器向けDSPコア「SPXK5」を開発したと発表した。SPXK5にキャッシュ/ローカルメモリを搭載し、システムバスに対応させた基本コア「SPXK5SC(Super Core)」を採用する製品の第1弾を、2002年度下期にサンプル出荷する。 SPXK5は、1つの命令語に複数のコマンドを格納し、その命令を最大4つまで並列に処理することができる「VLIW(Very Long Instruction Word)アーキテクチャ」と、乗累算器(MAC:Multiply Accumulator)を2つ搭載した「デュアルMACアーキテクチャ」を採用。 ビデオ信号処理に特化した命令セットを内蔵しており、従来製品に比べて約3倍(250MHz動作時)の高速処理が可能。同社では「DSPとしては初めてVGAサイズのMPEG-4エンコード/デコードを実現した」としている。低電圧化技術により、105MHz、21mW駆動でCIFサイズ、15フレーム/秒のMPEG-4ビデオコーデックにも対応する。 今後、携帯電話やPDA向けのシステムLSIソリューションの製品化を進めるほか、2003年度には0.095μmプロセスの製品開発を完了するとしている。 同社では、従来製品向けに開発されたMPEG-4ビデオコーデック、MP3、AAC、WMAオーディオコーデック、AMR、G.729、G.726音声コーデックなどのミドルウェアを、SPXK5アーキテクチャに最適化させ、順次リリースしていく。 【主な仕様】 ●SPXK5
メモリ空間:4GByte(命令+データ) 累乗算器:16ビット×16ビット+40ビット 2個搭載 ALU:40ビット 2個搭載 演算レジスタ:40ビット×8本 データポインタレジスタ:32ビット×8本 内部データバス:32ビット×2本 動作電圧:0.9V~1.65V 製造プロセス:0.13μmCMOSテクノロジ 消費電力:0.15mW/MIPS(1.5V時) 0.05mW/MIPS(0.9V時) ●SPXK5SC
内蔵命令キャッシュ:16KB 内蔵データRAM:64KB システムバス周波数:最大125MHz 消費電力:0.23mW(1.5V時) 32ビットシステムバスI/F搭載
(2002年5月27日) [nisiuti@impress.co.jp] |
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