デジタルシネマ・研究コンソーシアムは6日、短編のデジタルシネマ「マジック・レッスン」の完成披露プレス試写会を行なった。 「マジック・レッスン」は、IPv6ネットワーク網を使用した遠隔撮影、コンピューター制御による照明装置「LightStage3」など、新技術を投入して製作されたデジタルシネマ。 この作品は、IPv6の普及・高度化推進協議会の活動の一環として製作された。また、製作には、高速ネットワークを介しての映像制作が現実に可能かという、実験的な要素も含まれていた。 「マジック・レッスン」は、バーチャルとリアルが交差する、不思議な世界を描いた短編映画。監督は稲蔭正彦代表と、映画「スポーン」のマーク・ディッペ監督が務めている。
撮影にはIPv6ネットワーク網が積極的に利用された。映画の下書きともいえる「絵コンテ」がネットワーク上に置かれ、スタッフがどこにいても気軽にアクセスできるようになっている。今回の製作では「このシステムを使い、スタッフ各自のイメージの統一を図った」という。
また、IPv6ネットワーク網を利用した「RSS(Remote Shooting System)」を開発。これは、HDカメラの映像をDVデータに変換し、DV/SD形式で映像や音声データをストリーミングさせるシステム。これにより、監督が離れた場所にいてもスタッフや俳優に指示を出すことができ、デジタルシネマの「遠隔撮影」ができる。
映像をリアルタイムに合成することができるので、離れた場所にいる俳優の共演も実現。ほかにも、香港にいる女優が出演する映画を製作する場合、東京で代役を立てて撮影し、後から女優の映像だけを差し替えることも可能になる。 稲蔭正彦代表は、これらのシステムについて「従来の映画撮影は、民族大移動のように大人数が移動しなくてはならず、大変だった」とし、必要最低限のスタッフを動かすことにより、映像制作のコストダウンにもつながることをアピールした。
また、撮影にはCG合成や特殊効果に特化した照明装置「LightStage3」も使用されている。これは、従来のクロマキーによる合成では、調節することが困難だった「素材に当たる光」をコントロールする装置。 フォルムはドーム状の球体。あらかじめコンピュータに入力された背景画像の光と連動する形で、内部の156個の照明が変化していく。これにより、光の方向や強さを自由にコントロールし、合成する素材の違和感を無くすことができるという。
なお、「マジック・レッスン」は、6月14日に渋谷で行われる「ショートショート フェスティバル2002」でプレミア上映されるほか、IPv6のショールーム「GALLERIA v6」でも公開される予定。 (c)2002 デジタルシネマ研究コンソーシアム
□デジタルシネマ・研究コンソーシアムのホームページ (2002年6月6日) [yamaza-k@impress.co.jp] |
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