ソニー、リボン回折素子の投影デバイス「GLV」を開発
―フルHDを実現、実用化は2年後の見込み


6月11日発表



 ソニー株式会社は11日、フロントプロジェクタやプロジェクションテレビ向けのディスプレイデバイス「Grating Light Valve(グレーティングライトバルブ、GLV)」を開発したと発表した。高精細、高コントラスト、広色域を特長とし、2年以内の実用化を目指す。

 GLVとは、光の回折効果を利用して光の向きや色などを制御する投影デバイス「マイクロリボンアレイ」を使用した技術。マイクロリボンアレイとは、極小の光回折素子を1列に並べたもので、これにレーザー光を当てることで投影を行なう。カラー投影にはR、G、Bの3枚分が必要。

 リボンは電気信号で独立して動かすことができ、動かす量を調節することで光回折量を変化、各リボンの差異により画像の明暗を作り出す。この原理により「滑らかな階調表現と高コントラスト(平均3000:1以上)を実現する」とし、映像の立体感や質感などを細部まで表現できる」という。

 今回開発されたデバイスは、1画素6リボンで構成され、1,080画素分の画素が得られる。サイズは34×6×2mm。R、G、Bのレーザ光をそれぞれ対応するGLVデバイスにスリット状に当て、走査ミラーで水平方向にスキャンすることで画像を生成。表示解像度は1,920×1,080ドット相当で、プログレッシブスキャン、60fpsの映像が投影可能になる。

 GLVは、米Silicon Light Machinesが考案した技術。ソニーは2000年7月のライセンス契約により、同社から独占的な開発、製造、販売権を取得している。その後ソニーは、製造に必要なシリコンマイクロマシン技術(MEMS技術)や、光源、周辺技術などの開発を進めていた。

資料提供:ソニー株式会社

□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□Silicon Light Machinesのホームページ
http://www.siliconlight.com/
□ニュースリリース
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200206/02-023/
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/20020514/sony.htm

(2002年6月11日)

[orimoto@impress.co.jp]

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