東芝、次世代DVDはDVDと互換性の高い0.6mm貼り合わせに
―2003年を目処に製品化を目指す


 株式会社東芝は、次世代DVDとして現DVDと互換性が高い0.6mm基板の貼りあわせディスクをメインに開発を進めていることを明らかにした。松下や、ソニー、パイオニアなど、東芝を除く主要メーカーが取り組んでいる「Blu-ray Disc」は、カバー層が0.1mm、全体の厚さ1.2mmのディスクに、NA(開口数)が0.85の対物レンズを組み合わせている。

 一方、東芝が開発を進めているのは、0.6mm厚のディスク基板を2枚貼り合わせ、NAが0.65程度の対物レンズで記録再生する方式。0.6mmディスクの貼り合わせは、現行DVDとディスク構造が同じになるため、互換性が高く、製造設備も流用できるというメリットがある。また、ディスクと対物レンズの距離を広げられるので、カートリッジも不要になる。

 ただし、カバー層が厚いためチルト角の許容量が少なく、チルトサーボなどが必要になってしまう。一方、Blu-ray Discでは、カバー層が0.1mmとチルト角に対する許容量が大きく、チルトサーボは不要。しかし、厚み誤差による球面収差に対しては弱く、補正機構を組み込まなければならないというデメリットがある。

 容量は、0.6mmの片面単層の場合、再生専用メディアで15GB、書き換えメディアで18~20GB程度を想定。容量的には、Blu-ray Discの23.3/25/27GBより劣るが、0.6mmのディスクはカバー層が厚いため、Blu-ray Discより2層化しやすく、将来的に容量で上回る可能性もある。

 具体的な製品化時期について同社では、Blu-ray Disc陣営と同じ「2003年を目標にしている」という。また、Blu-ray Discを含む、0.1mmカバー層方式についても開発を停止するわけではなく、今後も市場性を探っていくとしている。

□東芝のホームページ
http://www.toshiba.co.jp/
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(2002年6月12日)

[furukawa@impress.co.jp]

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