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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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ソニーは28日、2002年度第2四半期の連結業績を発表した。ゲームの利益増のほか、エレクトロニクス、映画、金融などが増益に転じ、売上高1兆7,897億円(前年同期比0.5%増)、営業利益505億円、税引き前利益488億円(80倍)という結果になった。 あわせて、2002年度中間期の連結決算も発表した。売上高は前年同期比2.8%増の3兆5,115億3,600万円、営業利益は1,023億9,100万円、税引き前利益1,654億6,300万円となった。 2002年度通期での業績は、前年度度比横這いの売上高7兆6,000億円を見込んでいる。7月に発表した数字より1,000億円下方修正した。 下半期について徳中暉久副社長は、「グループ全体では前年に比べ2%程度の減収。エレクトロニクス、特に米、欧州、日本でのスローダウンを見込むほか、音楽事業で減収を予想している」と予測。また増収は「DVD、VHSの映画部門、契約が増えている金融部門が5~6%増」、増益は「エレクトロニクス、映画、金融だろう」と説明した。
営業利益では、プレイステーション 2のハード販売台数が伸張したゲームが好調。ソフト、ハードとも増収増益となり、6.1倍の247億8,500万円となっている(ただし、日本ではソフトは減益)。また、民生用AV機器の好調や、構造改革の効果などでエレクトロニクスも回復し、263億円の黒字に転じた。
■ エレクトロニクス
一方、減収となったのは、オーディオ(前年同期比9.9%減)、情報・通信(同24.9%減)、テレビ(同0.8%減)。製品としては、携帯電話、コンピュータディスプレイ、家庭用電話が挙げられる。なお、家庭用電話は市場からの撤退が発表されている。 増益に転じたのがビデオ部門とオーディオ部門で、製品としてはデジタルカメラ、CDウォークマンが牽引した。オーディオ部門の増益は、構造改革もその要因としている。 コンポーネント部門は、ディスプレイ用ブラウン管、光ピックアップ、電池、記録メディアでの構造改革が進み、損益を改善した。 なお、完全子会社化したアイワは、営業損益が減少したものの減収となった。また、フラットテレビについて徳中副社長は「夏に投入した新モデルは好調。下半期にかけて伸びるだろう」と言及した。
■ 音楽 音楽部門の売上は、海外のSMEIが前年同期比15%増(米ドルベース)、国内のSMEJが同5%減。あわせると1,479億円、前年同期比6.9%の増加だが、利益面では引き続き56億円の損失を計上している。 SMEIは、映画、DVDソフト製造部門の売上が増加。「違法デジタルコピーによる音楽業界全体の売上減」(ソニー)にも関わらず、シェア拡大と売上増を達成した。一方、営業損失は増加し、構造改革の費用や、アーティスト関連費用が増えたとしている。ヒット作は、ブルース・スプリングスティーン「ザ・ライジング」、ディクシー・チックス「ホーム」。 SMEJの減収は、音楽作品の不調と、書籍・雑貨などを担当する子会社の減収のため。ただし、前年同期の営業損失に対し、当期は利益を計上。売上が減少した上での増益となった。中島美嘉「TRUE」、元ちとせ「ハイヌミカゼ」などのヒット作に加え、経費削減効果により収益性が改善したためとしている。
■ 映画 SPE(ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント)は、売上1,856億円(前年同期比26.6%増)、営業利益99億円(55.2%減)の増収減益となった。「スパイダーマン」、「メン・イン・ブラック 2」、「Mr.ディーズ」、「トリプルX」がそれぞれ全世界で1億ドルを超える興行収入を記録したものの、大型作品への広告投資がかさんだ結果。なお、「スパイダーマン」がSPE作品としては過去最高の興行収入を得たほか、CATV向けのシンジケーション売上も増加。しかし、DVD/VHSソフトの販売は、前年同期に比べると作品数が少なかったため、売上が減少している。 一方、利益面では、減益となった。パッケージソフトやそのほかの市場で回収する見込みだという。加えて、米興行収入では「スチュアートリトル2」、「Stealing Harvard」、「Trapped」が不振。パッケージソフトに大型作品がなかったのも減益に影響している。
□ソニーのホームページ (2002年10月28日) [orimoto@impress.co.jp]
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