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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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凸版印刷株式会社は28日、ポリマー有機ELの基本特許を持つ米CDT(Cambridge Display Technology)の株式を10月に取得、共同開発契約を締結したと発表した。CDTは、デンドリマーELの技術を有するOpsysの経営権を25日に取得しているほか、凸版印刷もOpsysと7月に共同開発契約を結んでいる。これにより、凸版印刷はポリマー、デンドリマーの両技術の特徴を生かしたプロセス技術などを開発、テレビ、パソコン用ディスプレイに向けた高分子有機ELディスプレイ事業への参入を目指す。 ポリマーELは蛍光系の高分子有機ELで、セイコーエプソンなどが開発発表を行なっている。米Kodakが開発した蛍光系低分子有機ELに比べ、高精細かつウェットコーティングで塗布できるため、インクジェット技術などを応用できるという特徴を持つ。CDTはこのポリマーEL素子に関する基本特許を所有する。 加えてCDTは25日、燐光系高分子有機ELのデンドリマーELについて特許を所有するOpsysの経営権を取得。デンドリマーはコアに燐光分子を持つナノ構造の高分子体で、ポリマーELに比べ発光効率が良く、ウェットプロセスによる塗布適正が高い。このため、インクジェットではなく、凸版印刷の持つフォトリソグラフィのノウハウを利用できるという。
凸版印刷の狙いは、ポリマーEL、デンドリマーELの2つの技術を組み合わせ、フルカラー、大画面、高精細の有機ELディスプレイのためのプロセス関連技術を開発すること。市場が立ち上がる2005年から2007年までには、ディスプレイメーカーなどとの協業提携を結び、事業参入を行なう。 常務取締役の河合英明氏は、「当社が持つ印刷・製版の100年の技術と、TFTでトップシェアのカラーフィルタープロセッシングは、高分子有機EL技術と親和性がある。ディスプレイ、パネルの各メーカーと提携し、高品質で低価格な有機ELディスプレイの早期実現を目指したい」と語った。
□凸版印刷のホームページ (2002年10月28日) [orimoto@impress.co.jp]
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