◇ 最新ニュース ◇
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【Watch記事検索】
BS-i、ドラマにショッピング情報が完全連動した「Dコマース」を実現
-ドラマに登場した洋服をその場でリモコンで購入可能


左から、大森美香監督、宮園さち役の星野真理さん、ひろし役の坂本ちゃん、脚本の金子ありささん
 株式会社東京放送(TBS)と、株式会社ビーエス・アイ(BS-i)は共同で、ハイビジョン双方向オリジナルドラマ「恋とおしゃれと男のコ」を製作。BSデジタル放送局のBS-iで放送すると発表した。

 放送日程は以下の4回に加え、年明けに1回の計5回が予定されている。

BS-i12月7日(土)17時~18時30分
12月12日(木)20時~21時30分
12月22日(日)12時~13時30分
TBS12月13日(金)深夜3時20分~4時50分

 このドラマの最大の特徴は、BSデジタルのデータ放送機能を利用することで、ドラマを見ながら、主人公の着ている洋服や、身に着けているアクセササリー、登場する家具や食器などを、リモコンで購入できること。商品は30品目を用意している。

 ドラマと完全に連動したショッピング番組は、「これが初めてだと思う」(BS-iの丹羽多聞アンドリウ プロデューサ)としており、「ドラマコマース」(Dコマース)と命名された。また、地上波デジタル放送時代には、Dコマースのような次世代のテレビ通信販売事業「Tコマース」が、欠かせないコンテンツになると見込んでいるという。

 今回の番組で販売される商品ラインナップは、20代、30代の女性、いあゆるF1をメインターゲットとしている。通常のショッピング番組の購入者層は40代以降であるのに対して、「大きな冒険にでた」(同社)としている。

 ドラマの脚本は金子ありささん、監督は大森美香さん。さち(星野真里さん)は小さな不動産会社に勤めるOL。いつも好きになった男に合わせようとしすぎて失敗してしまう。そんな不器用なさちに何かとアドバイスをする相談役は、マンションの隣人。レンタルビデオ屋の店長をしているゲイのひろし(坂本ちゃん)だ。さちは、つまづきながらも色々な恋愛を通して、成長しながら元気に生きていく。

ショッピング画面。リモコンのデータ放送ボタンを押すと、そのシーンに登場している商品のリストが画面下に表示される(左)。対応するリモコンのボタンを押すと商品説明ページを表示(右)。そこから購入することができる

BS-iの丹羽多聞アンドリウ プロデューサ
 ドラマとデータ放送でショッピング情報が完全に連動しているとはいえ、番組はドラマ1時間に加えて、同じ商品を紹介するショッピング番組30分の1時間30分構成。つまり、ドラマが放送中はショッピングせずにじっくりドラマを見た後に、通常のテレビ通販番組のように製品の紹介を見て、電話で購入することもできる。

 「ドラマは、ドラマとしてきっちり見ていただきたいのでこういう構成にした。ドラマが面白いことが前提で、視聴者は2重の楽しみがある」と、丹羽多聞プロデューサは解説する。

 また、製作にあたって「今回の試みを行なったことで、ドラマや雑誌のモデルが着ているのは特別品であることが多く、視聴者が買おうと思っても買えないということを、私自身が初めて知った。今回は企画段階から、商社に入ってもらい量も用意した」と話し、他のドラマにはない苦労も多かったようだ。

 「今回、初めてDコマースを実現するにあたり、予想していないさまざまな問題に遭遇した。今後のノウハウになるのであまり多くは話せないが、やってみないとわからないことが多かったのは確か。それを次に生かしたい」と今後の見通しを語った。

 製作現場には「ドラマを作ることに専念してもらうために、あまり注文はつけなかった」という。金子監督も「色の指定などがあるものもあったが、選べるものは自由に選ばせてもらった。あくまで(ドラマの)内容重視で、商品を普段以上に見せないようにした」と話しており、ドラマとしての魅力を強調。

 ただし、「セットドラマ」とすることで、家の中の家具や食器などを多数見せることができ、さらにドラマの中で恋愛する男性が変わるごとに衣装などにも変化がつけられた。これらの設定上の工夫により、無理せずに多くの商品を画面に登場させることができたという。

 丹羽多聞プロデューサは、時間帯を変えながら5回に渡って放送することについて、「どの時間帯で、どれぐらい反応があるのか調査したかったから」とその理由を説明。ショッピングの売上目標については、「具体的な数字は申し上げられないが、製作費は回収したいと考えている」という。「今までのTV放送のような広告モデルだけでない、新しいビジネスモデルとしてやっていきたい。7年後では、どこでもやっていることになるだろう」と今後の予測を語った。

監督の大森美香さん(左)。脚本の金子ありささん(中央)。このドラマで欲しくなったものはという質問に、星野さんは「サウナスーツ」、坂本ちゃんは「えりまき」と回答。今後やってみたい役はという問いに、坂本ちゃんは、「オカマ役以外!」
ドラマの感想を聞かれて、星野さんは「撮影期間が短くて、あっというまに終わってしまった。短い時間に沢山の恋をしました」とコメント。坂本ちゃんは、「まだ見てませーん。学生服を脱いで沢山の衣装を着られてうれしかった」と、いつもの独特の口調で会場を笑わせた。
 さらに、坂本ちゃんは「役作りに苦労しました。二丁目にも通いました。そのあと、役が抜けなくなってしまいました」と笑わせながらも、星野さんを「平成の山口百恵」を称えるのも忘れなかった

□TBSのホームページ
http://www.tbs.co.jp/
□BS-iのホームページ
http://www.bs-i.co.jp/
□番組情報
http://www.bs-i.co.jp/koi/

(2002年11月29日)

[AV Watch編集部/furukawa@impress.co.jp]


00
00  AV Watchホームページ  00
00