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DVD+RWアライアンス、第4回アジアパシフィックセミナーを開催
-ソニーがDVD+RWレコーダの国内投入を示唆


欧州で発売される、ソニー「RDR-GX7」
3月27日開催


 DVD+RWアライアンスは27日、京都市内のホテルで「第4回アジアパシフィックセミナー」を開催した。その中でソニーは、プログレッシブDVD+RW/-RW/-Rレコーダ「RDR-GX7」を出品した。北米、欧州に投入し、4月より発売する。国内でも「それほど遠くない時期には発売する」(ソニー)という。

 アジアパシフィックセミナーには計81社が出席。イラク戦争のため海外からの出席の多くが見合わされたが、2002年におけるPCドライブ市場でのシェア向上、Microsoftのアライアンスへの参加表明など、講演者からは明るい話題が発表された。2002年におけるドライブの成長率は、全世界で80%としている。

 新技術や動向についての具体的な話はなく、DVD+RW/+Rにおけるビジネス展望と優位性が確認されただけだった。ただし、セミナー終了後のQ&Aセッションで、PhilipsのPaul Weijenbergh氏は「夏ごろまでには、CPRMへの対応を急ぎたい」と発言した。

 なお、DVD+RW、DVD-RW両対応の「デュアルRW」や、DVDフォーラムの「Multiドライブ」に対する言及もあった。リコーの菅原宏樹氏は「アライアンスはデュアルを否定しているわけではない」としながらも、「過渡期的な製品として出ることは仕方ないが、ゆくゆくはDVD+RWそのもののメリットにより、市場はDVD+RWに収束していくことを確信している」と発言した。

会場で公開されたハイビジョン画像
 また、菅原氏は講演中、「4.7GBにハイビジョンを2時間記録できる」というBHAが開発中のコーデックについて触れた。

 「MPEGではない」とし、VHS相当の画質なら500kbps、DVD相当なら1Mbps、HDで4Mbpsで記録できるという。BHAブースで詳細は聴けなかったが、4月にも正式な発表があるという。


 ソニーが出展したRDR-GX7は、2003 International CESで参考展示されたものと基本的には同じだが、欧州向け製品のためPAL出力に改められ、背面にSCART端子を装備していた。DVD±RWの「デュアルRW」に対応するほか、DVD-Rへの書き込みも可能。DVD+Rについては未対応で出荷される。HDDは搭載していない。

 独自の「プレシジョンシネマプログレッシブ」での出力が可能で、DACには12bit/108MHzの製品を採用。入力時に3次元YC分離、フレームノイズリダクション、TBC(Time Base Corrector)などを適用でき、再生時には、クロマアップサンプリングも行なう。

 展示品には欧州テレビ向けのSCART端子に加え、RCA端子のコンポーネント出力も装備。また、前面にDVカメラ用のi.LINKを備えるのも特徴。会場ではDVカメラから撮影した画像をDVD化するまでの工程をデモンストレーションしていた。

背面 前面にi.LINKを搭載する

 セミナー内ではブロードバンドソリューションネットワークカンパニー ホームビデオカンパニー 商品企画部の村井良二統括部長が、RDR-GX7について解説した。それによると、GX7のコンセプトは「高いバックワードコンパチビリティ(下位互換性)」、「レコーダおよびプレーヤーとしての高いクォリティ」、「カムコーダとの親和性」の3点になる。そのため、DVD+RWフォーマットの採用、プレシジョンシネマプログレッシブの搭載、i.LINK端子の装備にこだわったという。

ホームビデオカンパニー 村井良二統括部長
 DVD+RWの採用については、待ち時間なしの自動ファイナライズや、追記したディスクの再生互換性を重視した結果だとし、これらを「DVD+RWのみの利点」と強調した。

 また、i.LINKについては「子供のビデオをキレイに、簡単に残したいというニーズに応えた」と説明。DVからDVDへのワンタッチダビングに加え、任意の部分をダビングするプログラムダビングなどの機能を紹介した。

 また、ソニーの考えるDVDレコーダの未来として、「ネットワークディスクレコーダ」の実現を示唆した。まず、DVカメラ、DVDプレーヤー、PCなどとのオフラインネットワークについて、バックワードコンパチビリティの向上で強固なものとし、その後、ブロードバンドや無線ネットワークなどとの結合へとアプローチするという。DVDレコーダを「リビングルームの要の製品にする」のが最終目標で、そのためには「将来は大量のコンテンツをプリサーチ、またはポストサーチする仕組みも必要」と語った。

 なお、Blu-rayレコーダの棲み分けや、今後の関連性については言及されなかった。


 そのほか、DVD+RW/+Rレコーダでは、PhilipsとThomsonが新製品を展示した。国内発売は未定となっている。

 どちらもDVD+RW/+Rに対応し、プログレッシブ出力に対応。北米、欧州で発売され、Thomsonは7月、Philipsも夏ごろの発売を予定している。Thomsonの価格は未定で、Philipsは1,000ドル弱の見込み。

Philipsの「DVDR 80」。前面にi.LINKを搭載する Thomsonの「DTM8000」。北米ではRCAブランドで販売

 ドライブでは、リコーが記録速度2.4倍速の薄型DVD+RW/+Rドライブを出品した。CD-R/RWのライティングも可能で、記録速度は16/8倍速。Mt.RainierやDVD+Rマルチセッションにも対応し、DVD+Rへの追記も行なえる。OEM用に出荷されるが、時期は未定。

 また、4倍速DVD+RW/+Rの内蔵型ドライブも展示。書き込みデモを行なった。

リコーの薄型DVD+RW/+Rドライブ。記録速度は2.4倍 リコー製の4倍速ドライブ。出荷時期は未定

 PhilipsもDVD+RW/+Rドライブ「DVD8301」を参考出品した。書き込み速度はDVD+RWが2.4倍速、DVD+Rが4倍速。日本国内でのOEM出荷も検討されており、7月に搭載品が出荷される見込み。

 また、同じドライブを利用したレコーダ向けドライブも展示された。トレイの色を黒にしているが、防振や防音などについての変更は、特に行なわれていないという。

Philipsの「DVD8301」 DVD8301のレコーダ向け仕様

□DVD+RWアライアンスのホームページ(英文)
http://www.dvdrw.com
□関連記事
【2月12日】ソニー、DVD+Rの4倍速記録対応DVD±RWドライブ
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20030212/sony.htm
【1月9日】2003 International CESレポート【ソニー編】
―8cmDVDカメラ、DVD±R/RWレコーダなど新製品多数>
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20030109/ces04.htm

(2003年3月27日)

[AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]


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