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NECエレクトロニクス株式会社は16日、DVD規格やデジタル放送のほぼすべてに対応するDVDレコーダ向けシステムLSI「μPD61171」を製品化したと発表した。4月17日よりサンプル出荷し、量産は2003年度第2四半期を予定している。量産時の単価は10万個受注時で3,600円以下。2004年度には月産20万個の出荷を見込んでいる。 同時に、同システムLSI用ソフトウェア開発を支援する「μPD61171ソリューションキット」も発売する。ソリューションキットの価格はハードウェア一式で150万円。 μPD61171は、CPU、動画・音声のデコードおよびエンコード機能、映像の出力機能などを統合したシステムLSI。DVDレコーダ向けに開発され、DVD規格やデジタル放送規格などの標準規格にほぼすべて対応できるという。ビデオデコーダはプログレッシブ再生も可能。 エンコード可能なフォーマットは、MPEG-2、MPEG-1、MPEG-1オーディオ Layer II、ドルビーデジタル(DDCE)、LPCM for DVD/D-VHS。 デコードフォーマットは、MPEG-2、MPEG-1、ドルビーデジタル、DTS、AAC、MP3、WMAなど。放送規格ではBSアナログ、CSデジタルなどに対応できる。 MPEG-2は、DVDビデオ、PS(プログラムストリーム)、TS(トランスポートストリーム)、DVD±VRをサポート。ビットレートは1~15Mbpsとなっている。そのほか、CPRM、CSS、DVBなどをサポートする。
225MIPS(187MHz動作時)のCPUコア「MIPS32」を2個搭載し、DVDレコーダ用LSIとしては最高の処理性能を実現。3本同時のストリーム処理が可能で、さらにデータを解析し、記録再生を行なうソフトウェア方式のストリームプロセッサも搭載している。 また、ATAインターフェイスのポートを2つ装備するのも特徴。HDDからDVDへのコピーや、DVD書き込みとタイムシフト再生などの動作を高速化できる。 外部メモリはDDR-SDRAMの「DDR266」。SDメモリーカード/MMC、メモリースティックなどのメモリーカードインターフェイスも備えている。パッケージは449ピンの27mmプラスチックBGA。 ソリューションキットには、3次元YC分離機能内蔵のビデオデコーダLSI「μPD64011A」、ゴーストリデューサLSI「μPD64031A」、DVコーデック内蔵IEEE 1394リンクLSI「μPD72893A」などを組み合わせている。 ソフトウェアの提供も同社で行なう。各BIOSやAPIで構成された「EMMA2Rドライバ」のほか、表示、エンコード/デコード、録画ナビ、再生ナビ、GUIなどを提供する「Videoリファレンス」も用意する。
発表会場では、ソリューションキットの実働デモが行なわれた。内容は、DVD+RWとHDDへの録画と再生、DVDビデオモード記録、録画ビットレートと解像度の変更、音声付き1.5倍再生、DVカメラからの入力など。
同社のMPEG-2エンコーダは8年前から開発を始め、5年前より製品化。販売が加速したのは2年前からだという。今後も期待がかかる分野で、「過去100万個の実績だが、今年だけで200万個いくのでは」(新津氏)という。 現在、DVDレコーダ(HDDとのハイブリッド含む)を扱う家電メーカー6社のうち、4社がNECエレクトロニクスのMPEG-2エンコーダを採用している。また、ゴーストリデューサLSIが国内95%、3次元YC分離LSIが世界80%、DVDドライブ用LSIが世界60%のシェアを得ており、新LSIやソリューションキットには「トータルでのソリューションを提供できる」(同)との強みを込めたとしている。
今後はμPD61171、あるいはソリューションキットを1年単位で更新し、「EMMArchitecture」の名称で展開する予定。2005年か2006年にはゴーストリデューサなど、すべての機能のLSI化を目指している。
□NECエレクトロニクスのホームページ (2003年4月16日) [AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]
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