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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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松下電器産業株式会社は28日、2002年度通期決算を発表した。売上高は前年比105%の7兆4,017億円、営業利益は1,266億円と黒字化し、「V字回復を達成した(中村邦夫社長)」という。ただし、外形標準課税の導入や、株式評価損などを含めた純損失は195億円と赤字だった。 発表会の冒頭、中村邦夫社長が昨年度の業績の概略を説明し、「第3四半期終了後に通期業績見通しについて、売上高を2,500億円増の7兆3,000万円に、営業利益を200億円増の1,200億円に上方修正できた。その予測を上回る数字となり、目標としていたV字回復を実現できた」と2001年の業績不振から脱却したことをアピールした。
しかし、「株安や、雇用不安、米国の景気低迷による消費水準の低迷などの要因や、SARSにより、不透明な状況が続いている」と述べ、「市況は日本を含めて非常に不透明だ」と分析した。しかし、その中でもV字回復を担った戦略商品「V商品」により、ワールドワイドで1兆2,000億円という目標を掲げ、引き続き増収、増益を継続していくことをアピール。さらに、海外のブランドをパナソニックに統合し、ブランドイメージをあげる方策を積極的に展開する。グローバルでナンバーワンを目ざすなどの取り組みを語った。 また、全社的に行なっていた構造改革が、一通りの成功を収めたことで、これからはAVCやアプライアンスなど各ドメイン会社に構造改革を移管し、恒常的な改革として定着させていくという方針を明らかにした。
その後、川上徹也取締役が2002年度決算について解説を行なった。事業ドメインごとの売上高は、テレビ、DVDプレーヤー、携帯電話などの「AVCネットワーク分野」が4兆3,961億円(前年比104%)、冷蔵庫、エアコンなどの「アプライアンス」が1兆2,102億円(同103%)、FA・空調などの「インダストリアル・イクイップメント分野」が2,852億円(同99%)、半導体や電池などの「デバイス」が1兆5,102億円(同110%)となった。 特に、同社で「V商品」と呼ぶ、ボリュームゾーンでシェアナンバー1を目指せる有力製品群が好調で、2002年度ではDVDレコーダやデバイスなど88品目で約1兆円の売り上げを達成し、V字回復に大きく貢献したという。このV商品に関しては、低価格戦略と、全世界同時発売をキーワードに来期も強力に展開し、90品目で売上1兆2,000億円を目指す。
特にDVDレコーダなどのDVD関連製品は、世界同時投入など積極的な展開により世界シェアで50%を目指すほか、PDPに関しても世界シェア30%を目指していくという。 なお、中村社長は、“低価格化戦略”について補足し、「V商品を中心として、グローバルでNo.1を目指していく。(V商品は)値ごろ感を持った世界初の製品をという位置づけている。低価格戦略というのは、単に安いものではなく、客のニーズを的確に把握し、低リードタイムで市場投入していくこと」と述べ、高付加価値製品を値ごろ感のある価格帯で投入していくと説明した。
また、好調なアプライアンス分野では、引き続きブラックボックス戦略により、業界1位の座をキープすることや、デバイス分野では、CCDなどに大きな設備投資を行なうことが明らかにされた。
なお、2003年度の見通しについては、売上高が前年比101%の7兆4,500億円、営業利益が同118%の1,500億円、純利益が495億円増の300億円を見込んでいる。また、各事業ドメイン単位で推進していく構造改革費用として合計500億円を計上している。 AVCネットワークス社では、売上高3兆7,600億円(前年比103%)、営業利益940億円(同122%)を見込んでいる。また、来期より日本ビクターグループの海外子会社も連結対象に組み込まれ、日本ビクターグループで売上高8,800億円(同103%)、営業利益230億円(同2.6%)を目指していくという。 □松下電器産業のホームページ (2003年4月28日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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