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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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CATV事業者を対象にインターネット接続サービスを提供しているアットネットホーム株式会社は8日、東京・目黒区にある同社のテストセンターを公開した。このテストセンターでは、インターネット上のサーバー群からCATV局のヘッドエンド、そしてユーザーの宅内に至るネットワーク環境を擬似的に再現し、VoIP(Voice over IP)や、VOD(Video On Demand)などのネットワークサービスの検証が行なわれている。
現在、CATV局が提供するネットワークは、光ファイバーと同軸ケーブルを併用した「HFC」(Hybrid Fiber and Coaxicial)というシステムがメインになっている。具体的には、WebやDHCP、VODサーバーからルータ、CMTSなどのヘッドエンドを経て、光ファイバーで各家庭付近の電柱まで配信。その後同軸ケーブルに変換され、家庭のケーブルモデムへと到達する。
テストセンターには、このヘッドエンドを2系統、HFCシステムを4系統設置しており、各家庭までのネットワークのシミュレーションが可能。なお、光ファイバーは最大12km、同軸ケーブルは最大6kmまでの環境を再現でき、実際のフィールドに近い環境を再現している。 これにより、ケーブルモデムの性能の検証や、ネットワークに負荷がかかった場合に発生する不具合の早期発見、VoIPの通話品質、耐久性の確認、アクセス数が増加した時のVODの画質評価などが可能になるという。また、フィールドテストの前段階である程度のテストができるため、テスト全体にかかる時間の短縮や、テスト中に既存のほかのネットワークに悪影響を及ぼす確率を低くするなどのメリットがある。
さらに、同社内にはデジタル製作に対応したスタジオも完備されており、テストセンターと連携して、VODなどの次世代サービスの開始に向けてのテストが行なわれている。
デジタルスタジオの特徴は、「デジタルアセットマネージメントシステム」によるコンテンツの一元管理を行なってること。これは、デジタルベータカムやDVカム、Mini DVといった各種映像素材を約13MbpsのMPEG-2ファイルにリアルタイムエンコードし、著作権情報などを追加、それをマスターファイルとしてHDDに保存し、管理するシステム。 これらの映像はネットワーク経由で閲覧できる。さらに、ストリーミング配信用の異なるフォーマット、ビットレートへの変換や、HTMLへの埋め込み、インターネットでの公開まで、ほとんど自動かつ高速に行なえるという。また、著作権情報も管理しているため、将来的に新しいフォーマットを使った映像配信サービスなどが始まっても、柔軟に対応できる。
また、このデジタルスタジオとレコーディングスタジオは、テストセンターとGigabit Ethernetで接続されており、VODなどの次世代サービスのテストや、ノウハウの取得に使用されるという。実際に、同社の3階にあるスタジオで作られ、テストセンターから配信された映像や音声は、同社の1階にある「コミュニケーションルーム」に届けられ、各社のSTBの品質や性能テストに使用されていた。
(2003年5月8日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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