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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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松下電器産業株式会社は27日、第96回定時株主総会を開催。2002年度決算で売上高、純利益ともに大幅な増益となったことを株主に報告するとともに、各分野の営業報告や損益計算書の内容報告、2003年1月1日から実施された新体制の説明や成果などが紹介された。 総会の議長を務めた中村邦夫社長は、V字回復を達成するために投入した全88品目の「V商品」の売上が約1兆円を達成したと発表。国内占有率も、家電商品の合計で前年比102.4%の22.7%となり、あらためて株主にV字回復の達成をアピールした。
中でも好調なのは映像、音響機器部門の「AVCネットワーク分野」で、同部門の売上高は前期比131.4%の7,382億円となっている。これについて中村社長は「V商品を積極的に市場投入した成果」と説明。昨年6月に開催されたワールドカップ・サッカーの効果もあり、液晶テレビやPDPが大幅増販になったという。 また、DVD関連機器では豊富なラインナップと、「追っかけ再生機能」などの独自機能を搭載した「DIGA」シリーズが好調で、占有率トップを維持。SDカード関連機器においても、携帯電話やデジタルカメラだけでなく、MPEG-4カメラ「D-snap」などのユニークな製品も投入することで「引き続きSD規格の優位性をアピールしていきたい」(中村社長)とした。
なお、DVDレコーダーは平成16年に月産100万台、PDPは平成17年までに世界占有率30％を目標とし、SDカードと合わせた経営の3本柱とするとのこと。また、これと合わせて今年も「V商品」を全90商品投入し、約1兆2,000億円の売上を目指すという。
全社的に行なっていた構造改革については、各事業分野別に事業会社を完全に分け、それぞれの開発、製造、販売システムを一元化し、自己完結させるという「ドメイン別体制」の説明が株主に対して行なわれた。この中で中村社長は「事業再編に伴う子会社への営業の一部移管の影響が今期の収益にも出たが、ようやく21世紀成長に向けての新体制が完成した。今年は“松下第2の創業の年”という気持ちで進んでいく」とし、増収への決意を示すと同時に、新体制への理解と支援を求めた。
なお、新体制では業績評価基準も見直され、「CCM」(Capital Cost Management：資本収益性)と「キャッシュフロー」(資本創出力)の評価に応じた報酬制度となるため、質疑応答では株主から「成果の有無は通常の給与だけでなく、議案として出された取締役の退職金の額にも影響しないのか?」などの細かい質問もなされた。
質疑応答ではほかにも、株主から低迷する同社の株価への不満や、二足歩行ロボットの開発要求、ETCでクレジットカードが利用できるシステムの開発提案などが行なわれた。また、「ユビキタスやキャッシュフロー、CCMなどカタカナの難しい用語が多くてわかりづらい。次回からは理解しやすい日本語で説明して欲しい」などの要望も出された。
■ 総会は光ファイバーを使ったハイビジョン中継 今回の株主総会は、総会が行なわれた大阪の本社会場と、東京・有明のパナソニックセンター、大阪のMIDシアター会場を光ファイバーで接続。HDカメラの映像が各会場にリアルタイム配信された。送られた映像はBSデジタルチューナでデコードされ、DLPプロジェクタで投写するというシステムで、極めて高画質な映像が印象に残った。
(2003年6月27日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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