◇ 最新ニュース ◇
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【Watch記事検索】
三洋、業界初のドルビーバーチャルスピーカー用1チップLSI


LC83210W
11月6日発表


 三洋電機株式会社は6日、業界初のドルビーバーチャルスピーカー(DVS)専用LSI「LC83210W」の開発を発表した。11月中旬よりサンプル出荷を開始し、サンプル価格は1,000円。量産は2004年4月からで、月産10万個を予定している。

LC83210Wのダイアグラム
 発表されたのは、DVSとドルビーヘッドフォン(DH)機能を1チップ化したLSI。用途として、DVDプレーヤー、ポータブルDVDプレーヤーなどを想定している。

 従来、DSPで処理していたDVSを1チップで実現するのが特徴。DSPに比べ、実装面積を5分の1以下、消費電力を3分の1以下に削減できるという。

 DVSモードとして、リファレンスモード、ワイドモード、ステレオミックスダウンを搭載。サンプリングレート32/44.1/48kHzに対応し、2chおよび5.1chのシリアル入力、2chシリアル出力を装備する。

 また、ドルビーヘッドフォンのルームモードとして、DH2、ステレオミックスダウンも搭載している。なお、エンジンはDVS、DHで共通して使用する。

 動作クロックは50MHz。動作電圧はロジック部2.5V、I/O部3.3V。パッケージはSQFP48。消費電力は「現在のところ150mw」を切る程度という。

三洋電機セミコンダクターカンパニー デジタルオーディオ開発部の梶谷雄治課長(左)、ドルビー日本支社の伏木雅昭副社長(右)
 ドルビー日本支社の伏木雅昭副社長は、「DSPだと用途はAVアンプ止まりだが、1チップ化したことで、デジタルテレビなどヘの実装が見込める。(需要は)限りなく広い」と自信を語った。

 DVSは、フロントスピーカー2本でドルビーデジタル5.1chを再現するバーチャルサラウンド技術。人間が左右の耳で捕らえたときの音の方向、高さ、距離を7,000タップのFIRフィルターでシミュレートする。開発は豪Lake Technologyで、Dolbyがチューニングとライセンシーを担当する。

 発表当初、パソコン用DVD再生ソフトに搭載されたほか、国内ではデノンの「ADV-M71」などに搭載例がある。なお、ADV-M71のDVSは、Analog Devices製32bit DSP「Hammer Head SHARC」で実現していた。専用チップによるソリューションは今回の三洋電機が初めてとなる。

□三洋電機のホームページ
http://www.sanyo.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.sanyo.co.jp/koho/hypertext4/0311news-j/1106-1.html
□関連記事
【6月12日】デノン、民生機初の「ドルビーバーチャルスピーカー」採用
-Hammer Head SHARCを搭載したDVDシステム
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20030612/denon.htm
【2002年10月16日】【WPC EXPO 2002レポート Dolby編】
ドルビーラボ、「ドルビーバーチャルスピーカー」を発表
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20021016/wpc04.htm

(2003年11月6日)

[AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]


00
00  AV Watchホームページ  00
00

Copyright (c) 2003 Impress Corporation All rights reserved.