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株式会社富士通研究所は、直径1mm、長さ1mのガラス細管内にPDPの発光素子構造を持つプラズマチューブを並べて、電極基板で挟みアレイ化する技術を開発。プラズマチューブを128本使用した表示サイズ128mm×1mの試作ディスプレイで、カラー動画像の表示に成功したと発表した。 同社では、「1m長のプラズマチューブが作成可能となったことにより、実用化に向けて大きく前進した。曲面的に広がる屋内用の超大画面ディスプレイなどの実用化につながるもの」と説明。ディスプレイの形状についても、プラズマチューブの並べ方で自由にアレンジでき、将来的にはドーム型や円筒型も可能になるとしている。
今回開発されたプラズマチューブアレイ技術は、直径1mmのプラズマ発光チューブを多数並べることで、大画面化を実現する富士通の独自技術。 長さ1mのガラス細管内にPDPの発光素子構造を持つプラズマチューブを作製し、このチューブを多数並べて、電極基板で挟みアレイ化。 RGBの蛍光体を形成した3種類のプラズマチューブを挟む電極間にパルス電圧を印加することで発色させる。 駆動方法がPDPと同じなため、PDP製品向けに市販されているドライバLSIが転用できる。 発光原理が放電のPDPは、発光セルのサイズが大きくなるほど発光効率が高くなる特徴があり、プラズマチューブアレイでは通常のPDPよりもセルサイズが大きく取れ、高い発光効率が期待できる。同社では、「現在のPDPの4倍の発光効率を目指しており、プラズマテレビと同程度の1,000カンデラ/m2のピーク輝度を出す場合、100インチクラスでも数百W程度で済む」と試算。最終性能としては、1Wあたり5ルーメン以上を目標に開発を進めているという。 また、通常のPDPでは100インチを超える画面サイズでは、ガラス基板サイズが1辺2mを超え、大規模な工場と設備投資が必要となる。一方、プラズマチューブアレイ方式では、巨大なガラス基板を使う必要がなく、現行PDPの4分の1以下に軽量化ができる。同社では、3×2mパネル(プラズマチューブと電極基板)で20kgを最終目標性能として、3×2m~6×3mサイズに向けて開発を進めている。 製造設備についてもプラズマチューブが小さいため、小型化も可能。さらに、PDPでは内部への埃の混入を防ぐために必要なクリーンルームが、プラズマチューブでは埃が混入しにくい構造のため不要になる。
なお現在は、発光寿命など信頼性評価や製造技術の開発を行なっており、今後2年程度で製品適用できる信頼性確保と製造設備の実用化に目処をつける予定という。
□富士通研究所のホームページ (2003年11月13日) [AV Watch編集部/furukawa@impress.co.jp]
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