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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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米InterVideoは28日、WindowsとLinuxのマルチブートにより、家電並の使い勝手を実現したというAVミドルウェア「interVideo InstantON」を開発したと発表した。PCベンダー向けに評価版の提供を開始する。パッケージ販売は予定していない。 それを受け、日本法人のインタービデオジャパン株式会社は都内でプレス向けの説明会を開催した。 InstantON(インスタントオン)はAVパソコン向けのミドルウェアで、テレビ視聴、テレビ録画、DVD再生、音楽再生、静止画表示、ラジオ受信といった機能を提供するもの。 国内では2003年11月発売の15型液晶搭載ノートPC、シャープ「PC-SV1-7DD」および「PC-SV1-5CD」に採用されている。海外では、中国Lenovo、台湾MiTACの製品にも採用モデルが存在する。会場にも2月頃出荷を開始するという2モデルを展示した。ただし、各製品ともOEM先のカスタマイズが入るため、UIや最終仕様が共通とは限らない。
実態は、HDDのパーティションをWindowsとLinuxに分け、Linux部分にAV機能を搭載したシステム。Linuxベースのため、家電機器並みのレスポンスを実現したという。電源OFFからの起動時間は約10秒。50~120MBほどのLinux領域を必要とする。録画ファイルなどコンテンツはWindows側に保存。Windows側のファイルシステムにはFAT32を採用する。Windowsを起動し、通常のWindowsマシンとしても使用できる。 Linux部で使用するドライバ類は、オープンソースを元に、同社が手を加えて作り上げたという。騒音にも配慮し、ドライブ回転速度、グラフィックチップなどの制御を行ない、「家電機器と同じレベルまでノイズを抑えられる」としている。 実際にはベンダーごとにカスタマイズが施されるものの、基本的に家電機器と同じ操作体系が備わるという。たとえば、音楽機能なら本体前面の表示管を見ながらリモコンですべての操作が可能。映像機能についても、Windows Media Center Editionのようなホームメニューやサブウィンドウを持たず、ほぼすべての操作がリモコンで行なえる。 現状の第1世代では、ソフトウェアMPEGエンコードによるテレビ録画機能を搭載している。録画はHDDにのみ可能となっている。2004年第2四半期にはハードウェアMPEGエンコーダをサポートするほか、記録型DVDメディアへの直接記録が可能になる予定。VR形式にも対応するという。そのほか、WMA9およびAACの再生、コントラストやバーチャルサラウンドなどのエフェクト機能も盛り込む。
インタービデオジャパン株式会社の田中俊輔社長は、「Linuxに関しては、3年以上も開発している。すでに家電向けのLinuxミドルウェアは、ソニーのコクーン、Pioneer North AmericaのDVR-810Hなどに採用例がある」と述べ、技術力をアピールした。 また、InterVideo副社長のRaul Diaz氏は、昨今のAVパソコンを「動作が遅く、操作が難しい。高くついたコストがエンドユーザーに跳ね返っている」と説明。しかし、InstantONには「そうした不利な点はない」とコメントした。また、PCベンダーに対しては「追加コストの必要なくAV機能を付加できる」など、Media Center Editionを強く意識したコメントを発した。国内での市場想定価格は、通常のAVパソコンと大差ないという。
なお、WindowsとLinuxとでは切り替えを伴うため、Windowsを起動した状態で、裏で録画プログラムを実行することは不可能。つまり、Windowsで作業をしながら録画や再生は行なえない。 Windows Media Connectのような家電との連携機能については、ワイヤレス機能の対応を2004年第3四半期に謳っている。そのほか、第3四半期にはDivX、第4四半期にはUPnP、WMT、MPEG-4などをサポートし、HD映像の取り扱いも視野に入れている。 FAT32の採用については、「NTFSだと外(Linux)から操作できないため」とし、FAT32の4GB制限に対しては「内部的に分割するなどのメカニズムを考えている」という。
□InterVideoのホームページ (2004年1月28日) [AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]
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