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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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ソニーは17日、有機トランジスタの電子移動速度を向上させる技術を開発したと発表した。各画素のスイッチングを有機トランジスタで行なう2.5型モノクロ液晶ディスプレイで動作を確認。今後はディスプレイデバイスへの応用開発を進める。 有機トランジスタは、シリコンではなく有機材料(炭素を骨格とした化合物)を半導体材料に用いたトランジスタ。従来のトランジスタと異なり、印刷による回路作成や、折り曲げ可能なプラスチック基板上への回路作製などが可能になるという。ただし、ゲート長を短くすると電子移動速度が低下するため、高精細ディスプレイの高速スイッチング素子には応用できないとされていた。 同社は、有機半導体層における電子の通り道(実効的チャネル層)が、ゲート絶縁膜に接する約3nmの薄い層であることを解明。さらに、ソース電極から有機半導体層への電気伝導(キャリア注入)についても、電極が実効的チャネル層と接する部分ではスムーズに流れ、それ以外の部分では流れにくいことを解明したという。 これを踏まえ、自己組織化単分子膜を用いた電極構造を採用。ソース電極と有機半導体層の間に生じるコンタクト抵抗を低下させ、トランジスタサイズを小さくすると電子移動度が低下する問題を克服。電子移動度は約50倍向上した。 今回試作した2.5型試作液晶ディスプレイは、有機トランジスタを各画素のスイッチングに使用したもの。2.5型のモノクロ透過型TN液晶ディスプレイで、解像度は160×120ドット。開口率は73%。 □ソニーのホームページ [AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]
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