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株式会社エフ・ピー・エスは18日、東京・お台場のフジテレビで、フラットパネルユニットを使用したPA用スピーカー「Celestial Voice(セレスティアル ボイス)」を発表した。音楽スタジオのマスターモニターや、コンサートホール、スタジアムなどの音響システムとしての利用を想定。日本での第1弾商品は6月下旬頃を予定しており、リース契約、及びレンタルのみで提供される。 「セレスティアル ボイス」は、PAスピーカーのシリーズ名。米国で第1弾商品の「モデル1」が3月下旬に発売され、日本を始め、中国や台湾市場には「モデル4」と呼ばれる商品が6月下旬に投入される。発表会ではこの「モデル4」のデモンストレーションが行なわれた。
最大の特徴は、同社が特許を持つMCMA(マクマ)方式を採用したフラットパネルユニットを搭載したこと。これは、通常のコーン型ユニットとは異なり、平面振動板が平行にピストン運動することで、点音源ではなく、面音源として作動するもの。
コーン型の点音源は、音が波紋のように広がる球面波を発生させるが、フラットパネルスピーカーは海の波のような平面波を生み出す。このため、音波が障害物や壁による反射の影響を受けにくく、音の到達距離が長くなるという特徴がある。具体的には、小音量でも離れた場所で聞こえ、音質の劣化が少なく、リスニングポイントが広く保てるなどの利点がある。 同社の堀昌司社長はこうした特徴を踏まえ、フラットパネルを採用することで、音質の高いPA用スピーカーが実現できるとアピール。「音楽は安らぎを与えてくれるものだと考え、様々な活動をしてきたが、まさに天空の声(セレスティアル ボイス)と言うべきサウンドが完成した」と喜びを語った。 また、フラットパネルを採用することで、従来のシステムよりも、薄型・軽量化が実現できるという利点もある。同社によれば「コンサート時に必要なトラック4台分のスピーカーシステムが、1台分になる」という。
モデル4は、薄型のエンクロージャを2個、縦に重ねたフォルムを採用。上部のエンクロージャには254×356mmのFPSミッドレンジパネルと、203mmの平面磁石リボンツイータを各4個搭載。さらに、中央に51mmのリボンスーパーツイータを装備しており、200Hzから40kHzまでの中高音を担当する。
下段のエンクロージャには254mm径のウーファを4個搭載。20~200Hzの低音域を担当している。全体の外形寸法は787×279×1,626mm(幅×奥行き×高さ)。重量は103kg。なお、これは基本的な仕様となっており、上段をワイヤーで吊り下げたり、より広い会場に対応するため、フラットパネルユニットを追加するなどのカスタマイズにも対応できるという。 インピーダンスは4Ω。クロスオーバー周波数は200、3K、10KHz。感度は96dB。指向性は水平90度、垂直30度となっている。
■99%リサイクルできる、地球にやさしいスピーカー
開発には、JBLやインフィニティ、NHTなどでスピーカー開発を担当していたヴォン・シュワイカート研究所のアルバート・ヴォン・シュワイカート氏が参加。堀社長によれば、「アルバート氏のハイエンドスピーカーに関するノウハウが、ネットワークやアンプの構成などに投入された」という。 アルバート氏はFPSのフラットパネルユニットに関して「100年前と変わらなかったコーンスピーカーから、革命的な進化を遂げたユニットだ。入力に対する反応がコーンの7~10倍早い。また、コーンは1枚に対して1つのセルで駆動するが、フラットパネルは1枚あたり600個のセルで動きをコントロールしており、歪みも発生しにくい」と解説した。 なお、同製品はリース及びレンタルのみとなっており、最長7年程度使用した時点で回収、不用部分を廃棄、残りをリサイクルし、再製品化するという。メンテナンスやリサイクルを行なう株式会社サウンズグッドによれば、「約95%、将来的には99%の部品がリサイクルできる。環境にもやさしいほか、コストを下げることで、新モデルを安価で提案できるという利点もある」とのこと。
なお、販売は株式会社ニッポン放送プロジェクトが担当。当初はフジサンケイグループ各社への売り込みをメインに、業務展開していくという。
□FPSのホームページ
(2004年3月18日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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