ソニー、PCとUSB 2.0で接続できるHDDカーナビ －MPEG-1/2、ATRAC3/MP3の再生にも対応

ブラック(上段)とホームステーション(下段)

6月10日発売 標準価格 ： オープンプライス 連絡先 ： お客様ご相談センター Tel.0570-00-3311 Tel.03-5448-3311

　ソニーは、PCと接続してMPEG-2ファイルなどをダウンロードできるHDDカーナビゲーションシステム「XYZ」(ジーゼット)ブランドを立ち上げ、第一弾製品を6月10日に発売する。価格はすべてオープンプライス。

　ラインナップは、「NV-XYZ77」、「NV-XYZ55」、「NV-XYZ33」の3機種。本体部の仕様は共通で、付属品と本体色が異なる。同社ではそれぞれの特色を、XYZ77が「フルパッケージ」、XYZ55が「ナビパッケージ」、XYZ33が「ベーシック」と説明している。店頭予想価格と付属品は次の通り。

シルバー(上段)とホームステーション(下段)	エアコン吹出し部取り付けキットの使用例(本体はブラック)	NV-XYZ33(本体部ホワイト)と付属品。左からGPSアンテナ、カーステーション、エアコン吹出し部取り付けキット、ホームステーション

　最大の特徴は、30GB HDD搭載の本体部を取り外し、PCに接続できること。具体的には、車内に「カーステーション」、PCに「ホームステーション」をそれぞれ取り付け、PCからホームステーション経由でデータを転送する。30GBのHDDにナビゲーションデータ、映像データ(MPEG-1/2)、音声データ(ATRAC3/ATRAC3plus/MP3)を格納できる。

　HDDに保存できるのは、MPEG-1、MPEG-2、ATRAC3、ATRAC3plus、MP3、JPEG、TIFF、BMP。ナビデータが入った状態で、HDDに約5,000曲のATRACplusファイル(64kbps時)、約4時間のMPEG-2ファイル(4Mbps時)を保存できる。

　なお、MPEGファイルはGiga Pocketで作成したものを推奨している。また、ATRAC3plusは64kbpsや256kbpsに対応。MP3ファイルの日本語ID3タグ表示もサポートしている。

オーディオ機能。左は検索、右はビジュアライザーの例

　転送ソフトは、映像が「XYZビデオマネージャー」、音声が「SonicStage Ver.2.0」。対応するOSは、Windows Me/2000/XPとなっている。

　カーステーションは、ダッシュボードやエアコン吹き出し部に取り付ける。1系統のアナログ音声出力(FMトランスミッタ出力共用)を備え、アンプなどに接続する。

　さらに、拡張ステーション(XYZ77のみ付属、36,750円)をカーステーションに取り付けることで、テレビチューナ、4系統ダイバシティアンテナ、コンポジット入力×1、アナログ音声入力×1、バックカメラ入力×1、映像出力×1、音声出力×2を増設できる。DVDビデオなどを接続し、本体部のディスプレイで視聴することも可能。ただし、デジタル音声出力がないため、ドルビーデジタルなどのビットストリーム出力には対応していない。

　また、リアステーションの「NVA-RS1」(全モデル別売26,250円)を後部座席に取り付けることで、記録した映像データなどを視聴できる。コンポジット入力とアナログ音声入力を搭載し、DVDビデオなどを接続することも可能。

　ホームステーションには、USB 2.0インターフェイス、コンポジット出力、アナログ音声出力を搭載。HDD内の映像ファイルや音声ファイルをテレビやオーディオ機器などに出力できる。

拡張ステーション	リアステーション

ホワイト(上段)とホームステーション

　さらに、本体にメモリースティックスロットとCFカードスロットを搭載し、各種メモリーカードに保存したJPEGやMP3ファイルなどの取り込み・再生が行なえる。MGメモリースティックに対応していないため、メモリースティック内のATRAC3ファイルは扱えない。なお、HDDからメモリーカードに書き戻すことはできない。

　ディスプレイは6.5V型のワイドVGAで、ナビとテレビ、ビデオなどの2画面表示にも対応。また、タッチパネルを採用し、指の上下の動きで音量を調節するといった「ジェスチャーコマンド」も利用できる。さらに、XYZ77/55に付属するリモコンは、ナビ用とAV用の2つのジョグダイヤルを搭載している。

　外形寸法および重量は204×49×104mm(幅×奥行き×高さ)、720g。本体にも音声出力端子を備えているが、ナビ音声出力専用となっている。

リモコン。中央のジョグダイヤルはナビ用	左側面にAV用のジョグダイヤルを装備	蓋内にはテンキーなどのボタンを配置

XYZモーションストリートガイド(仮称)

　標準添付のナビゲーションソフトは、XYZ77/55が詳細市街地図、XYZ33が詳細道路地図。さらにXYZ77/55では、新開発の「XYZモーションストリートガイド」(仮称)が利用できる。

　これは、実際の交差点を車載カメラで撮影し、その映像を動画のままCGに変換したもので、実写さながらの3D地図表示が初めて可能になったという。HDDには独自の圧縮技術で格納し、伸張後、新開発の3D描画技術「XYZマップエンジン」(仮称)で3D表示している。

　XYZモーションストリートガイドがフォローするのは、東京23区および全国13政令指定都市の中心部の交差点で、約5,000カ所となっている。

　また、詳細地図は都道府県単位での追加や削除が可能で、PCを使った部分書き換えも可能。更新はインターネット経由で行ない、サービス開始は7月中旬としている。

　検索面で特徴的なのは、「みんなでご飯」、「トイレに行きたい」といった「シチュエーション検索」が可能なこと。また、1,048種類のジャンルを用意し、さらにジャンル名「ラーメン」に43種類のサブジャンルを設けるなど、「業界最大の情報量を実現した」としている。

　そのほか、本体部にWebブラウザとメーラーを内蔵。CFカードタイプのPHSカードなどを接続できる。ただし、地図ダウンロードは行なえない。

□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200404/04-0406/

(2004年4月6日)

[AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]

Copyright (c) 2004 Impress Corporation All rights reserved.