◇ 最新ニュース ◇
|
||
【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
||
|
株式会社日立製作所は、業務用リアプロジェクションディスプレイとして、世界で初めて光学エンジンにLCOS(Liquid Crystal On Silicon)を採用した「LCOSマルチディスプレイ」を発売する。50型と70型の2モデルをラインナップし、いずれもマルチスクリーンでの使用を前提としてる。製品仕様と価格、発売時期は以下の通り。 受注は4月12日から開始。なお、下記の価格にはマルチシステム構築のための標準作業費(エンジニアリング費)も含まれている。価格例は50型モデルで縦、横各2面の4面マルチ画面を構築した場合、4,200万円程度になる。
最大の特徴は、反射型液晶(LCOS)を採用したこと。どちらのモデルも0.7型、1,400×1,050ドット(SXGA+)の3板式パネルを搭載しており、透過型液晶を使った同社従来モデルよりも高精細・長寿命化を実現したという。
透過型と比べ、画素サイズが約13.6μmから約10.4μmに、画素間のピクセルラインが約3μmから0.4μmに縮小・高密度化した。さらに、液晶層を薄型化できるLCOSの特性と、高速ドライブ回路により、応答速度も約20msから12msに高速化。スクリーンも黒浮きを従来より5%抑えた新しいピュアブラックストライプスクリーンを採用しており、チラツキの少ない、高精細表示を実現したという。
また、50型モデルで従来と比較した場合、輝度が1,000cd/m2から1,200cd/m2に、コントラスト比も1000:1から1100:1に向上。従来の50型(XGA)よりも解像度が向上しているが、レンズの改良により奥行きも59cmから55cmに省スペース化している。 画質以外の面では、液晶パネルの耐光性が向上。また、透過型液晶では液晶を挟んで入射側、出射側の2つのガラス基板が必要となるが、反射式のLCOSを採用したことで出射側のガラス基板の省略が可能。その結果、従来モデルのような偏光板の交換が不要になり、ランニングコストも従来の約半分に抑えられるという。 ランプは従来同様100/120Wの超高圧水銀ランプを採用。稼動ランプと予備ランプを自動的に切り替えるオートチェンジャ機構を搭載しているが、稼動ランプの寿命が切れた時に切り替わるのではなく、24時間、1週間など、任意のサイクルで切り替えが可能。2つのランプを交互に使用することで各ランプの寿命が従来の倍に伸びるという。なお、交換所要時間も10数秒から数秒に短縮している。
■ 2年でシェアNo.1を奪還
ユビキタスプラットフォームグループの篠崎雅継COOは、想定している使用用途として「交通管制センターや災害対策センターなどの警察市場や、電気・ガス・水道などのインフラ監視用などの市場で、毎年安定した需要が見込まれている」とし、高精彩表示だけでなく、24時間・365日の連続使用に耐えられるモデルであることをアピール。 今後の販売目標は、2年間で50/70型を合わせて国内で3,000台、海外で2,000台の計5,000台を見込んでおり、「業務用リアプロ市場でのシェアNo.1を奪還したい」(篠崎氏)と意気込みを語った。
なお、LCOSを使った民生用製品の開発についてソリューションハードウェア開発部の三堀公彦部長は、「開発部隊が違うため、詳しいことはわからない」としながらも、「商品化を検討しているという話は聞いている」(同氏)とした。
□日立製作所のホームページ
(2004年4月12日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
Copyright (c) 2004 Impress Corporation All rights reserved. |
|