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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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放送、音楽、映画製作などの関連団体からなるデジタル時代の著作権協議会(CCD=Conference on Copyright for Digital Millennium)は14日、都内でシンポジウムを開き、報告書「権利団体等における権利情報管理のあり方」を発表した。権利者自らが権利情報などを整備し、権利者、コンテンツホルダー、利用者間でのスムーズな流通を目指す。
CCDは、権利者団体の「マルチメディア問題に関する著作権連絡協議会(CCM)」と、製作者団体からなる「マルチメディア製作者連絡協議会(CMP)」が合流して設立。34団体が加盟し、「権利問題研究会」と「著作権ビジネス研究会」の2つの部会が調査と研究を行なっている。 14日のシンポジウムでは、2003年9月に著作権ビジネス研究会内に設けられた「権利情報共有ワーキンググループ(WG)」で検討された内容について、権利者団体・コンテンツホルダーの提言として同会主査の菅原瑞夫氏、同WG座長の飯田尚一氏が報告した。 同WGが課題としたのは、音楽、映画、テレビドラマ、写真といったコンテンツを流通過程などで二次利用する際、「許諾をとりたいのだが、どこに連絡したらいいのかわからない」、「権利処理のための労力が膨大になる」といった問題について。ドラマなど1つのコンテンツに、複数の団体が絡むケースが多く、利用許諾を得るだけでも膨大な労力を要する。また、権利者が複数の権利団体に属している場合も多い。これらに対し、「IDを付与した権利者情報のデータベース化」、「権利者、コンテンツホルダー、利用者などの共有の工夫」などを提言した。 検討にあたり、同WGでは会員団体を中心としたアンケート調査やヒアリングを実施した。それによると、コンテンツ情報、権利者情報の管理実態として、3タイプが浮かび上がったという。 具体的には、コンテンツ情報、権利者情報を共に管理しているのが、社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)、社団法人日本レコード協会(RIAJ)、協同組合日本俳優連合などの8団体。社団法人映画製作者連盟や日本放送協会など3団体はコンテンツ情報のみ、日本音楽家ユニオン、協同組合日本映画監督協会など4団体は権利者情報のみを管理している。このうち、IDを用いて権利情報を管理しているのは5団体。ID体系は各団体でバラバラだった。
そこで同WGは、権利者を管理する団体、権利者本人、コンテンツ群に対し、各団体で共通的なIDを付与することを提案。「権利者団体ID+団体内ID」の形式を共通検討案とし、体系としては、すでに写真・美術分野の権利団体で用いられているものを挙げた。 今後は、CCD会員以外にも意見を求めるため「CCDオープンプロジェクト(仮称)」を設立するほか、ケーススタディを重ね、レイヤーごとの区分の整理や、各IDの役割を検討するという。菅原氏は「(今回の提言は)あくまでも権利者から見た提言で、第1歩、または3歩といったところ。関係省庁と連携をとり、検討を重ねたい」と語った。
また、文化庁長官官房著作権課の著作物流通推進室長、川瀬真氏は「コンテンツ流通の実情を尊重した現実的な案。さらに充実すれば貴重な提言になるだろう。文化庁としても大きな第一歩として評価している」と、提言に前向きな姿勢を示した。 □CCDのホームページ [AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]
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