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株式会社ハピネット・ピクチャーズは16日、テレビアニメ「MEZZO(メゾ)」のDVD化を記念し、原作・キャラクターデザイン・総監督を務める梅津泰臣氏の記者会見を行なった。
「MEZZO」は、2004年1月からテレビ神奈川、テレビ埼玉などで放送されたテレビアニメ。過激な描写と高いクオリティで話題となったアダルトOVA「メゾフォルテ」のテレビ版として制作された、通常のテレビアニメとは一線を画するカット数や、バイオレンス描写などが話題を呼んだ。 物語の舞台は近未来の東京。技術の進歩とは裏腹に犯罪検挙率は低下し、社会不安が増大。混沌とした町の中で、合法・非合法を問わず、様々な危険仕事を請け負う「D.S.A(危険代行業:DANGER SERVICE AGENCY)」の活躍を描いた作品。
D.S.Aのメンバーは、少林拳と射撃のエキスパート・鈴木海空来(みくら/声:小谷朋子)と、頭脳明晰なエンジニア・原田智久(声:山崎たくみ)、元刑事の黒川健一(声:広川太一郎)と、いずれも個性的なキャラクター。
DVDは全7巻構成で、第1巻は5月28日発売。価格は2,940円で、第1話「恋の殻」を収録する。初回限定版には全巻が収録できる梅津監督描き下ろしデザインのBOXケースが付属。なお、本編ディスクには特典映像として出演声優や梅津監督のインタビューなどを収録予定。 「幻魔大戦」、「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」、「蛍の墓」、「AKIRA」など、様々な作品に参加して来た梅津監督にとって、今回の「MEZZO」は自身の監督作品として初のテレビアニメとなった。
OVAとテレビアニメの違いについて監督は、「わかっていた事だが規制が厳しく、頭を押さえつけられた形で作品を作らなければならないこともあった」と振り返る。OVAの「A KITE(カイト)」や「メゾフォルテ」は過激な性描写とガンアクションが持ち味とも言えるため、このあたりのバランスが難しかったとのこと。
しかし、「キャラクターの内面の掘り下げや、世界観の広さなど、テレビアニメでなければ描けない物も多い。実際にやってみると1クールでは短すぎて、まだまだやりたいことが残っている」(梅津監督)という。具体的には「サブキャラクターの過去や内面にスポットを当てる」、「登場人物を使って時代劇をやる」などのアイデアがあり、「必ず作りたいと思っている」と、未定ながら第2期シリーズ制作への意欲を見せた。 また、DVD版にはテレビ放送版では描けなかった描写を中心に、多くの部分に手が加えられる。監督によれば「第3話のカラオケシーンなど、多いものでは10カットほど追加・描き直しているものもある」とのこと。また、オープニングのテンポや演出も若干変化しているという。 なお、同作品のもう1つの魅力とも言えるのが、元刑事でひょうひょうとした中年男・黒川健一のキャラクター。声を担当しているのはアニメや洋画の吹替えでお馴染みの広川太一郎氏で、彼のダジャレ満載のアドリブが実に良い味を出している。
広川氏の演技について梅津監督は、「子供の頃から大好きな役者さんで、自分の作品に絶対に出て欲しかった。ご本人は“やりすぎてしまった”と仰ってましたが、こちらとしては“期待通り”という感じでした」と笑う。DVDに収録予定の声優インタビューにも注目したい。
■ A KITEが実写映画化、自身も劇場版アニメを制作 梅津監督の作品は、海外でも高い評価を受けている。特に「トリプルX」のロブ・コーエンや、「キル・ビル」のクエンティン・タランティーノ、「アンダーワールド」のレン・ワイズマンなど、ハリウッドの映画監督にも同氏のファンは多い。こうした流れを受け、A KITEはロブ・コーエンが監督を務め、ハリウッドでの実写映画化が決定している。
実写化のいきさつについて監督は、「初めに、A KITEを実写化したいという話が別のところから持ちかけられた。その時、コーエン監督が私の作品が好きだという話は以前から聞いていたので、彼に頼んでみようという話になり、快く引き受けてくれた」と話す。 内容については「キャラクターやシナリオなど、すべてコーエン監督側にまかせているので詳しいことはわからない。しかし、過激なガンアクションを盛り込んだフィルムノワールになると思う」という。 なお、梅津監督自身は現在、2006年公開予定の劇場用アニメ「KISS AND CRY」の製作に取り掛かっている。これは、12歳の女子中学生・近田真音(まいん)を中心に、左手の爪に赤い文様のある超能力者達を描いた作品。アクションだけでなく、MEZZOのようなコメディ的な要素も取り入れた、エンターテイメント作品になる。 梅津監督は「日本のアニメーションとハリウッド映画が互いを刺激し、影響を受けあっている現状は悪いことだと思わない」とし、「受けた影響をより良い作品作りに繋げることが重要。KISS AND CRYはハリウッドへの挑戦状というくらいの気持ちで取り組んでいる」と意気込みを語った。
□ハピネット・ピクチャーズのホームページ
(2004年4月16日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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