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ケンウッド、音質マイスターが手掛けたカーオーディオ
-3年間モデルチェンジ無し、あえてMP3には対応せず


6月中旬発売

標準価格:44,100円~89,250円

連絡先:カスタマーサポートセンター
    Tel.045-933-5212


 株式会社ケンウッドは、同社の「音質マイスター」が製作したという新カーオーディオシリーズ「エモーショナル・サウンド」を発表。その第1弾商品として、1DINサイズのCDレシーバと、2DINサイズのCD/MDレシーバ、2ウェイスピーカーの計3機種を6月中旬に発売する。各モデルの価格は以下の通り。

仕様 型番 価格
1DIN
CDレシーバ
K-CD01 68,250円
2DIN
CD/MDレシーバ
K-WD01 89,250円
160mm径ウーファ
25mm径ツイータ
のスピーカーセット
K-ES01 44,100円

 「エモーショナル・サウンド・シリーズ」は、原音を忠実に再現できる音質を持ちながら、手頃な価格を目指したという同社の新カーオーディオシリーズ。

 開発にあたっては、ホームオーディオで長年経験を積み、同社の音質を司る「音質マイスター」と呼ばれる専門家がパーツの選択や設計、最終的な音質の決定まで携わったという。なお、音質に対する自信の表れとして、「3年間モデルチェンジを行なわない」と宣言している。


■ K-CD01/WD01

K-CD01

 K-CD01は、定格出力26W×4ch(4Ω時)のアンプとAM/FMチューナ、CDプレーヤーで構成される1DINサイズのメインユニット。K-WD01にはMDデッキを搭載しているが、CD部やアンプ部などの仕様は同じ。

 CD部はCD-R/RWの再生にも対応する。しかし、MP3/WMAなどの圧縮音楽ファイルはサポートしない。同社は「あえて圧縮音楽ファイルに対応せず、そこにかかるコストをアンプやCDプレーヤーなどの音質向上にあてた」としている。

 DACはバーブラウン製の24bitモデルを2基搭載。通常は1基で左右2ch分の処理が行なえるが、左右チャンネルの電気的干渉を防ぐため、あえて2基搭載したという。変換時の左右chの誤差を減少させる処理も行なっており、同社では「OFFSET DUAL DIFFERENTIAL D/A SYSTEM」と名付けている。

K-WD01 アナログ音声出力端子は金メッキ仕様

 また、カーオーディオは直流電源を使用するため、内部回路のパートごとに基準となる電圧が異なっていた点に着目。ばらつきのあった中点電位の設定を、専用回路を設けることで統一化し、信号伝達の純度を高めた。

 さらに、ラウドネスやトーンコントロール回路をパススルーする「ディフィートコントロール機能」を搭載。より純度の高い音質を実現するという。電源部の電解コンデンサは、音質マイスターが1から設計・試作を重ねたという特別仕様のものを搭載。端子は金メッキ仕様となっている。


■ K-ES01

K-ES01

 K-CD01/WD01との組み合わせを想定した車載用スピーカー。160mm径のウーファと、25mm径のドームツイータで構成される2ウェイモデルとなっている。

 ツイータはアルミ電解コンデンサよりも高域部分のロスが少ないという「高音質フィルムコンデンサ」を採用。振動板はチタニウム。ボイスコイル近くで生じる不要な電流を排除するため、銅キャップを装備している。

 ウーファは、振動板に業界で初めて「備長炭」を採用。有機繊維として優れた弾性率と強度を持つ「ザイロン」と備長炭を、ポリプロピレンをベースに調和させ、振動板に成型したという。これにより、なめらかな音色を得たとしている。

ツイータは砲弾タイプ。スイベル構造を採用しており、左右・上前・下後へスライドできる ウーファの振動板には備長炭も採用されている

 ユニット部の磁気回路には、外磁型のネオジウム磁気回路を搭載。ボイスコイルは真四角の断面を持つ線材を使用し、密度と磁力を高めた「スクエアボイスコイル」仕様。フレームはアルミダイキャストを採用している。


■ 車中でレコーディングスタジオを再現する

音質マイスターの大熊龍彦氏。TRIOのサービス部門にいた際、新作アンプをオーディオ評論家の瀬川冬樹氏に聞いてもらったところ「こんな音じゃTRIOはダメになる」と酷評されたことが、設計部門に移るキッカケになったという

 エモーショナル・サウンド・シリーズの開発には、同社の前身・TRIO時代からホームオーディオに携わってきたという大熊龍彦氏が参加。同氏はカーエレクトロニクス事業部内の音質研究室に所属し、製品の音質決定権を持つ「音質マイスター」という肩書きを持っている。

 大熊氏は「30年以上前、初めて設計し、ステレオサウンド誌で金賞を頂いたプリメインアンプ(KA-8004)からずっと、レコーディングスタジオを部屋で再現できるオーディオの開発を目指して来た。2002年にカーオーディオ部門に移りエンジンノイズやロードノイズに悩まされたが、実現したい良い音は1つだけ。昔と変わっていない」と述べ、カーオーディオでもあくまでピュアな音質に拘った点をアピール。

 さらに、「運転席が右寄りのため、完全にホームオーディオと同じというわけにはいかないが、イコライザなどを使って運転席よりさらに右側から音が聞こえるような細工は、不自然になるのでしていない。コンサートホールを車内に再現し、真ん中より右寄りの席で聞いている音質を目指した」と、あくまで自然な音場・音質を追求している。

発表会の合間には、世界で活躍するハーモニカ奏者の和谷泰扶氏が、クロマチック・ハーモニカの音色を披露。原音再生に拘った同製品のコンセプトを印象付けた 発表会は東京・代官山の「カラート71」で行なわれた


□ケンウッドのホームページ
http://www.kenwood.com/jhome.html
□ニュースリリース
http://www.kenwood.com/j/press/press20040520.html

(2004年5月20日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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