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東芝など12社、デジタル家電向けプロセッサ「MeP」を共同展開


6月1日発表


 株式会社東芝など12社は、東芝製のデジタル家電向けプロセッサ「MeP(Media embedded Processor)」の展開で、共同マーケティングを行なうと発表した。

発表会には各社の代表が集合した

 パートナー企業は、株式会社アドバンスドデータコントロールズ株式会社インターデザイン・テクノロジー株式会社沖ネットワークエルエスアイ株式会社シーデックス株式会社ソフィアシステムズ大日本印刷株式会社日本シノプシス株式会社パシフィック・デザイン株式会社英Celoxica米CoWare米Red Hat米Sonics

 MePはカスタマイズ可能な32bit RISCプロセッサで、デジタル家電やパーソナル機器向けのマルチメディア処理に特化した製品。以下の特徴を有している。

  • オプション命令などを設定できるコンフィギュラビリティと機能の拡張性
  • C言語ベースのトップダウン設計環境
  • MePコア、MePモジュール、MeP SoCの3つの設計階層ごとに利用ルールを定義したIP(再利用可能な機能モジュール)の再利用性

SoC設計スタイル MePの設計階層 MePコアIPのコンセプト

 MePは東芝のDVDレコーダやデジタルテレビ、車載向けテレビなどの多くの製品で採用されている。今回このMePを利用したSoC(System on a chip)を開発するためのソフトウェア開発環境や、高位設計、論理設計環境などの設計ツールなどを開発する関連各社が共同マーケティングを行なうアライアンスパートナーとして協力することが発表された。

パートナー各社の担当領域

 MeP集積のSoC開発のためには、ソフトウェア開発、高位設計、論理設計などで使用する一連の設計ツールが必要となる。東芝では従来より社内向けに利用していたが、それらは公開されていなかった。今回関連各社が東芝製ツール群とほぼ同等の機能を持つツールを開発し、提供できる環境が整ったことで、各社が共同マーケティングを行なうこととなったという。

 ソフト関連をアドバンスドデータコントロールやソフィアシステム、Red Hatが担当、高度設計ツールは、インターデザイン、パシフィックデザインなど、論理設計ツールを日本シノプシスが担当。また、デザインハウスとして沖ネットワークエルエスアイや大日本印刷が担当、バス関連のIPプロバイダとして米Sonicsが参加する。


東芝セミコンダクター社 森安俊紀副社長

 発表会では、東芝 執行役常務 セミコンダクター社副社長 システムLSI第一事業部長の森安俊紀氏が挨拶し、「相当の投資をこの数年間行なってきたが、自社の製品では相当のノウハウをつかんだ。今年はワールドワイドで横展開を行ない、飛躍の年にしたい」と意気込みを語った。

 さらに、「日本のデジタル家電マーケットは、デジタルカメラ、デジタルテレビなどが急拡大している。映像、音声、データなどのマルチメディア処理に強い“MeP”を推進していきたい。まずは日本からデジタルCEの発信、展開を図り、これらのマルチメディアプロセッサを次世代のプロセッサ“CELL”とあわせて推進していく」と述べた。

東芝セミコンダクター社 SoC研究開発センター 古山透 センター長

 また、東芝セミコンダクター社 SoC研究開発センター センター長の古山透氏が挨拶し、MeP技術を説明した。

 映像、オーディオ、通信などの「高いメディア処理性能」、「開発期間短縮」、アプリへの最適化など「フレキシビリティの導入」の3点をMePのキーワードに挙げ、“既存資産を生かしつつ、短期間で複雑な機能を実装するための一貫したプラットフォーム”と解説。プロセッサコアに、キャッシュメモリやコーデックなどを自由に拡張できるなどの柔軟性や、開発工期の短縮などのメリットを紹介した。

 具体例として、2種類のMePモジュールを利用したDVDプレーヤー用のLSIシステム「VD-PG6」などを挙げて解説したほか、携帯電話MPEG-4 SoCのロードマップやMePコアのロードマップなどを紹介した。


2つのMePモジュールとTX19コアから構成されるDVDプレーヤー用システムLSI RISCプロセッサ「TX49」と5つのMePモジュールを組み合わせたMPEG-2コーデックの例 MePの導入により開発期間を短縮

MePコアの展開計画 MPEG-4 SoCのロードマップ

□東芝のホームページ
http://www.toshiba.co.jp/
□MeP関連情報サイト
http://www.mepcore.com/

(2004年6月1日)

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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