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オプティキャスト、「光ファイバーTV」のモデルルームを公開
-寝室や台所でも地上デジタル放送が楽しめる


モデルルームが用意されているのは、1階にカフェがあるお洒落な都内のマンション
6月4日公開


 光ファイバを利用して、地上デジタル放送やBSデジタル、CSのスカイパーフェクTV!、FMラジオの同時再配信を行なう株式会社オプティキャストは4日、都内のモデルルームを報道関係者に公開。「様々な放送がどの部屋でも見れる」というサービス「オプキャス」の利点を体験した。

マンションまでの伝送方法

 オプティキャストは、スカイパーフェクト・コミュニケーションズの100%子会社で、光ファイバー網を使ってテレビ放送などを再送信するサービスを行なっている。現在の対象物件は東京23区内のマンションで、サービス中の物件は4棟。導入戸数はおよそ5,700戸を超えており、導入見込み物件も約25,000戸にのぼるという。

 2004年度末までにサービスエリアを東京23区全域に拡大。今後は大阪などの大都市を中心に対象地域・物件を広げていくという。

 伝送方法は、ヘッドエンドで受信した地上/BS/CSデジタル、FMラジオなどのデータを電話局の中継網に光ファイバで接続し、再送信。マンションの最寄の電話局から再び光ファイバでデータを取り出し、マンションに設置したV-ONU(Video Optical Network Unit)に接続。波長多重技術を使って、マンション内の同軸ケーブルを通して各部屋に映像などを届けるというもの。地上デジタルやBSデジタルなど、スカパー! 以外の放送はパススルー方式で、スカパー! はトランスモジュレーションで伝送する。

最寄の電話局から光ファイバで伝送し、マンション内に引き込む マンション内は1本の同軸ケーブルで伝送可能。右側がEthernet端子、中央下が同軸端子となっている

 同軸ケーブルなど、既存の設備をそのまま利用できるほか、IPベースに映像を変換せずに伝送するため、著作権処理が少ないといった利点がある。また、インターネット接続サービスも同時に提供できるが、映像がユーザーへの片方向しか伝送されないため、同時アクセスによるスループット低下といった問題も生じない。

 料金は映像回線が1回線につき月額18,900円。配信設備利用料が1世帯ごと410円。この料金はマンション管理費として全戸分を一括徴収する。導入された住宅のユーザーは、地上・BSデジタル、CS(スカイパーフェクTV!)、FMラジオ、地上アナログ放送を視聴可能。なお、スカパー! との契約も別途必要で、通常の基本料月額410円と、チューナレンタル料月額315円、各チャンネルの料金が必要となる。

 公開されたモデルルームには、リビングや寝室など、各部屋にRF端子やEthernet端子を装備。地上アナログ放送に加え、スカパー! チューナや地上デジタルチューナなどを繋げば、すべての部屋で様々な番組を楽しむことができる。

スカパー! チューナはオプティキャスト用に端子面を改造したオリジナルモデル。地上デジタルチューナも各部屋に用意されている 寝室でも地上デジタル放送やスカパー! が楽しめる

台所でスカパー! を視聴。「スカパー! は個人向け放送局という側面もあるので、各部屋で観れる環境が理想的」(仁藤社長) 同軸ケーブルにはFM放送も流れており、マンションの中でもクリアな音で楽しめる IPネットワークを利用せずに映像を配信するため、インターネットを利用してもテレビ視聴に影響はない


■ いずれは一戸建て向けサービスも

代表取締役の仁藤雅夫氏

 モデルルームはNTT東日本のBフレッツを利用していたが、USENなど、ほかの光ファイバ通信キャリアとオプティキャストのサービスを組み合わせることも可能。また、ISPもケースに応じて自由に変更できるという。

 代表取締役の仁藤雅夫氏は、「オプティキャストとしては営業活動などは行なわないため、営業力、販売力の強い通信事業者と連携したビジネス展開が理想」とした上で、「地上デジタル放送の再送信は非常に反響があり、大きな魅力の1つになっている。現時点では光ファイバーの機能を使いこなしている家庭は少ないので、今後は“スカパー! 対応 光ファイバーTV”というキーワードと共に、多くの放送が手軽に見れるというセールスポイントをアピールしていきたい」と語った。

 なお、東京で実施しているネットワーク構成は、中継回線があれば、そのままほかの地域でも展開できるシステムとなっており、「2004年中には大阪の一部エリアでもサービスを実施したいと考えている」(仁藤氏)という。また、一戸建て向けのサービスについても「採算の面から考えると厳しいが、要望は非常に多い。今年中は無理だが、実現に向けて検討していきたい」と答えた。

地上アナログ放送の11chに、スカパー! のプロモーションチャンネルが流れている ネットワークの構成図。東京23区は4個のモジュール的ネットワークでカバーしており、相互のモジュールでバックアップを行なうシステムも導入している

□オプティキャストのホームページ
http://www.opcas.jp/
□関連記事
【2月26日】スカパー!、光ファイバー網で地上デジタルなどの同時再送信を開始
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20040226/skyper.htm

(2004年6月4日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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