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Intel、PCでのデジタル放送録画に向けた新チップセット
-24bit/192kHzの「HD オーディオ」にも対応


デジタルホームのための新プラットフォームと位置付け

6月22日発表


 インテル株式会社は、デスクトップPC用の新チップセットIntel 915G/P Express、Intel 925X Expressと、新CPU Pentium 4 560/550/540/530/520、Pentium 4 Extreme Edition 3.40GHzを発表した。

新Pentium 4の端子部。LGA775と呼ばれる新パッケージを採用する

 新Pentium 4はLGA775と呼ばれる新パッケージを採用し、製品名にプロセッサナンバーを導入。クロック周波数はPentium 4 560(3.6GHz)/550(3.4GHz)/540(3.2GHz)/530(3.00GHz)/520(2.80GHz)となっている。

 チップセットは、Intel 915P Express/G Expressがメインストリーム向けで、FSB533/800MHzに対応し、デュアルチャンネルDDRとDDR 2メモリをサポート。AGPに代わるビデオ用I/OのPCI Express x16や、24bit/192KHzオーディオに対応する「ハイ・ディフィニション・オーディオ」を搭載している。また、I/Oバスも大幅に変更され、従来のPCIバスからPCI Expressとなっている。Intel 915GではDirectX 9に対応したグラフィックスコアも内蔵している。

 Intel 925X Expressはハイエンド向けとなっており、FSB800MHzに対応し、DDR2メモリのみをサポートする。

 CPU/チップセットの発表にあわせて、各社から搭載PCが発表されている。新CPU、チップセットの概要については僚誌PC Watchで紹介しているが、AV Watchではオーディオビジュアル関連の新機能などについてレポートする。

Intelのマザーボード「D915GEVLK」 各社の新モデルが展示された Intel 925X/915P/915Gの特徴

 Intel 915/925の特徴として、以下の4点が挙げられる。

  • Intel 915G内蔵のグラフィックコア「GMA900」
  • I/OバスにPCI Expressを採用
  • 新オーディオコーデック「ハイ・ディフィニション・オーディオ」を採用
  • RAID機能「マトリックス・ストレージ・テクノロジー」の採用

 新内蔵グラフィックコアの「GMA900」では、Intel 865Gの内蔵グラフィックに比べて約1.7倍の性能向上を図った。HDのコンテンツ再生やゲームの再生能力を向上させ、DirectX 9やOpenGL 1.4をサポート。DVIやアナログRGB出力のほか、720p/1080iのHDTV出力に対応している。

D915GEVLKのPCI Expressスロット。PCI Express x1を2基、PCI Express x16を1スロット備えている

 PCI Expressは、従来の従来のPCIバスを置き換える新I/Oバス。PCIバスではリード/ライトで133MB/Secの帯域を共有していたため、HDのビデオストリームの複数入出力などは不可能だった。PCI Expressでは、リード/ライトで独立に帯域を確保し、各デバイスごとに合計で500MB/Secの帯域を有しているため、複数のテレビキャプチャカードなどを利用したビデオ録画/再生なども可能になるという。

 同社IA技術本部 阿部剛士本部長は、「現在日本では、コンシューマ向けデスクトップPCの60~70%にアナログ放送のテレビチューナが入っているが、放送はデジタル化に向かっている。しかし、デジタル放送のストリームは200MB/Sec程度の帯域が必要となるため、今のバス帯域では利用できない。当然デジタル放送に対応したチューナも必要となり、製品によってはダブルチューナやトリプルチューナのAVサーバーの登場や、複数ストリームを使ったHD編集の需要も予想される。そのためには広い帯域を持ったバスが必要となる」とPCI Expressの重要性を強調した。

IA技術本部 阿部剛士本部長 PCI Express採用によりI/O能力を改善

 なお、現在デジタル放送のPCでの録画については、著作権保護の運用規定が確立されていない。阿部氏は「PC業界のみならず、家電業界でも大きな課題になっていると認識している。関連業界全体で積極的に取り組んでいるが、いつ対応できるかということは明言できない」という。

 PCメーカーも、既にPCI Expressを利用したデジタル放送対応PCの開発も進めているが、現在はPCI Expressではセキュリティ機能を備えていない。そのため、PCメーカーでは独自のセキュリティチップの実装などにより、著作権保護を施した製品を検討しており、インテルもそうした取り組みを支援していく。また、インテルでもそうした保護機能のチップセットへの実装も検討しているというが、いつ頃実装するかについては、「まだコメントできない」とした。

 また、グラフィックスバスもPCI Express x16に変更し、帯域は最大8GB/Secとなり、AGP 8xの2GB/Secから大幅に向上した。

ハイディフィニションオーディオの概要

 ハイ・ディフィニション・オーディオ(HDA)は、192kHz/24bit、7.1chオーディオ出力に対応した新オーディオ機能。従来のAC'97からサンプリング周波数、量子化ビット数、再生チャンネルともに大幅に強化された。

 各アプリケーションごとに別のオーディオストリームを割り当てる「マルチ・ストリーミング」をサポート。1人がヘッドフォンでMP3音楽を聴きながら、もう1人のユーザーが同じパソコンからマルチチャンネルのDVDビデオを視聴するなどの応用が可能となる。マルチ・ストリーミングにはアプリケーション側の対応が必要となり、現在は「Windows Media Player 9」と「WinDVD 6」がサポートしているという。

 また、接続された機器の種類に応じて、オーディオジャックの機能を自動的に割り当てる機能も搭載した。従来はマイク入力やアナログ音声出力などの機能ごとの端子を装備し、アナログ出力にマイクを接続しても機能しなかった。しかし、HDAでは接続した機器の種類を自動認識し、どの端子に接続しても自動的に機能がアサインされるという。またVoIP性能/音声認識性能の向上も図られた。

D925XCVLKのオーディオインターフェイス部 HDAのスピーカー設定画面

 マトリックス・ストレージ・テクノロジーでは、チップセットの標準機能としてRAID 0/1をサポートする。また、インテル、日立製作所、東芝、ソニー、松下電器産業の「5C」が共同開発した、著作権保護データをデバイス間で共有する「DTCP over IP」についても、7月にVer.1.09をリリースする見込みで、Digital Home Working Group(DHWG)でサブセットの策定などを行ない、PCメーカーや家電メーカーが実装を進めるという。年末には対応製品が発売されるとの見通しを示した。


□インテルのホームページ
http://www.intel.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.intel.co.jp/jp/intel/pr/press2004/040622.htm
□関連記事
【1月9日】Intel、次世代PCオーディオ規格「High Definition Audio」
-192kHz/32bitマルチチャンネルに対応
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20040109/intel1.htm

(2004年6月22日)

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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