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DNA、WebベースのVODサービス「でじゃ」を開始
-端末に40GB HDD搭載。花井美里の独自映像などを用意


「でじゃ」は、フランス語の「デジャヴュ」(既視体験)から作られた言葉。「一度作られた番組がいつでも好きなときに見られることをイメージした」という
7月13日サービス開始


 デジタル・ネットワーク・アライアンス株式会社(DNA)は13日、Webベースのビデオ・オン・デマンド(以下VOD)サービス「でじゃ」を開始した。

i-DVP

 「でじゃ」は、40GBのHDDを搭載した専用端末「i-DVP」を光ファイバやADSLなどのブロードバンド回線と接続。端末を介してインターネットから家庭のテレビへ映像を配信するというサービス。

 最大の特徴は、Webベースの配信システムを採用したこと。これにより、光ファイバやADSL、CATVなど、利用するブロードバンド回線が自由に選択でき、どのキャリアやISPと契約していてもサービスを受けられる。

 映像フォーマットはMPEG-2、もしくはMPEG-4を利用。ビットレートはコンテンツによって異なるが、約2~6Mbps。i-DVPを接続したテレビ画面からリモコンを使ってすべての操作ができ、見たい番組を選択すると内蔵したHDDへ映像のダウンロードが開始される。

配信システムの概念図

 その際、ダウンロード中の映像を視聴することが可能。光ファイバでは2時間の映画を約40分、ADSLでは約2~3時間でダウンロードできるという。同社は「光ファイバではほぼリアルタイムのオンデマンド視聴ができる。ADSLでは視聴の30分程度前にダウンロードを開始しておけば、視聴中にダウンロードが追いつかなくなることはない」と説明している。

 なお、将来的にはFOMAなどの携帯電話を使い、プレビュー画面を見ながらダウンロード予約をする機能なども追加予定。

トップメニュー。利用料金の確認なども行なえるほか、スペシャルメニューとして成人向けコンテンツも用意する 10ジャンルから見たいものを選択する 各番組の簡単な紹介も表示される。なお、より詳しい内容は公式のWebサイトで閲覧可能。教育番組のテキストをPDFファイルでダウンロードするサービスなども予定しており、Webは補完的に使われる

 一度HDDにダウンロードしたコンテンツは、決められた期間中ならば何度でも視聴できる。サービス開始当初は3日間のコンテンツがほとんどだが、1週間、1日、3時間など、コンテンツホルダが自由に設定できるという。ちなみに、40GBのHDDに2時間の映画で約20本が保存できる。

ダウンロード済みのコンテンツは、定められた期間中何度でも視聴可能 利用料金なども随時確認できる

 セキュリティ面は、すべての映像にはマクロビジョンがかけられ、配信するデータは独自方式で暗号化している。また、視聴期限を過ぎたコンテンツは自動的にHDDから削除される。

 i-DVPはLinuxベースの端末で、メディアプロセッサを搭載。デコードはソフトウェアで行なっている。なお、6Mbps以上のビットレートを使った720pのHD放送も予定しているほか、H.264コーデックにも対応可能。映像出力端子はコンポジット、S映像を各1系統。音声出力はアナログステレオ(RCA)を1系統備える。外形寸法は260×253×67mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約2.8kg。

背面端子部。なお、USB端子やAV入力端子も備えるが、利用はできない 使いやすさにこだわったというリモコンが付属する

 利用料金は、加入料金として8,000円が必要。さらに、VODの基本料金として月額525円、端末レンタル料金は3年契約で月額2,625円。これに、各コンテンツのPPV課金が加算される。コンテンツの価格は50円~300円程度で、無料のものも用意している。なお、無料キャンペーンとして、サービス開始当初の7月13日から8月31日までは、加入料金と基本料金、コンテンツ料金が無料になる。


■ オープンなオンデマンドサービス

齋藤茂樹CEOは、「将来的にはWebベースのオンデマンドテレビという多種多用なサービスの中の1つとして、でじゃが存在するという状況になる」と予測

 齋藤茂樹CEOはサービスの特徴について、「最近各社が発表しているオンデマンドサービスとの違いは、オープンであること。回線を選ばず、PCのメディアプレーヤーソフトで動画を視聴するような気軽さで、映画などをテレビで視聴できる」と説明。

 「回線とコンテンツがパッケージになっているサービスが多いが、PCを利用している時は、ISPが違うからといってYahoo! が見れなくなることはない。本来インターネット自体はそういう仕組みになっている」(同氏)と、オープンなサービスである点を強調した。

 さらに、コンテンツの選択画面はHTMLで記述し、映像配信システムをWebベースで構築している点を挙げ、新規事業者が参入しやすいシステムであることをアピール。ビジネスモデルとしては「各コンテンツホルダからマスターテープなどを借りて、DNAが無料でエンコードや配信サーバの用意、ファイルの保管を行なう。そして、課金で得た売上をDNAやコンテンツホルダの間で適正に分配する」という。さらに、個人が撮影したビデオ映像などを特定の人だけに公開するサービスなども考えているとのこと。

 また、「DNAは“でじゃ”を展開するが、ブロードバンド回線を利用したオンデマンドテレビ市場を独占しようとは考えていない」とし、他社が同じ技術に対応した端末や配信サーバ、独自のポータルサイトなどを用意し、自由に参入できるプラットフォームであることを明らかにした。

 なお、こうした自由なプラットフォームを実現するために、i-DVPには専用のICカードスロットが設けられている。これはコンテンツ視聴の際にIDの認証を行なうもので、ICカードの番号をもとに視聴履歴などが保存される。将来的には他社がオンデマンドサービスを開始する場合には、オリジナルのICカードを作成。そのカードを挿すことで、同じ端末で異なるサービスとコンテンツが楽しめるようになるという。

専用のICカードを本体前面に挿入する。カードを交換することで、他社が提供するサービスにも対応できるという


■ コンテンツは年内に5,000個を目指す

 提供されるコンテンツは、公式サイトで公開している。サービス開始当初のコンテンツ数は200~300個だが、本格的な課金が開始される9月以降は約2,000タイトルに増加。「年内に5,000タイトルを目指す」(同社)としている。

 なお、発表会の最後には「エンターテイメント」チャンネルでオリジナル映像が視聴できる、グラビアアイドルの花井美里さんが登場。「可愛いものからセクシーなものまで、様々な映像が楽しめますので、ぜひ見てください」と同チャンネルの魅力をアピールした。

花井美里さんも、セクシーな衣装で発表会に駆けつけた


□DNAのホームページ
http://www.dnainc.co.jp/
□でじゃのホームページ
http://www.deja.tv/

(2004年7月13日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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