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東芝、第1四半期は収益性を改善、中間期を上方修正
-パソコンと携帯電話が貢献、RDシリーズはシェア15.3%


笠貞純代表執行役専務
7月30日発表


 株式会社東芝は30日、2004年度第1四半期の連結決算を発表した。デジタルプロダクツ、電子デバイス、社会インフラが増収となり、売上高は前年同期比112%の1兆2,479億円となった。

 利益面では、電子デバイス部門、デジタルプロダクツ部門、社会インフラ部門が改善。営業損益は554億円プラスの141億円、税引き前損益は512億円プラスの3億円、当期純利益は290億円プラスのマイナス78億円となった。

中間期上方修正の詳細

 これらを受け、同日に中間期の上方修正を発表している。売上高をプラス1,400万円の2兆8,000億円に、税引前利益をマイナス200億円から50億円に、当期純利益をマイナス300億円からマイナス50億円にそれぞれ修正した。

 東芝本社で行われた会見では、代表執行役専務の笠貞純氏が質疑に答えた。

 デジタルプロダクツ部門の売上高は、前年同期比113%の4,871億円となった。営業損益はマイナス106億円で、前年同期より67億円増加。増収にはパソコン事業と国内向け携帯電話が貢献した。

 パソコンは、米国・欧州での売上伸張と構造改革が功を奏した結果、前年同期比14%増の1,620億円となった。ただし、国内市場はふるわなかった。構造改革については、特に「調達力の改善」を挙げている。また、国内・海外ともに脅威はあるものの、「昨年のHPショックのようなサプライズは特にない」と見ている。

 売上高には、サムスン電子と設立した光ディスク装置の合弁会社、東芝サムスン ストレージ・テクノロジーも加わっている。ただし、光ディスクは「技術競争が終わり、価格競争に入った。コストダウンのプロジェクトを推進しているところ」とし、第2四半期に向けて厳しい見通しを示した。一方HDDについては「通常ベースまで戻る」と予測し、売価の低下についてそれほど心配はしていないという。

デジタルプロダクツ部門実績 液晶実績

 電子デバイス部門は、半導体の売上増や液晶事業の改善で増収増益を達成した。売上高は前年同期比115%の3,300億円。営業損益は前年同期より318億円プラスの388億円。

 半導体の売上高は、前年同期比20%増の2,314億円。営業損益も前年同期比で210%増、369億円と大幅に増益。特にデジタル家電向けなどが好調だった。

 NANDフラッシュメモリについては、「Sandiskによる5月の値下げは想定より早かった」としながらも、予定通りの利益を確保。下期に価格低下を見込んでいるが、現在は一部を除きフル稼働としている。また、90nmプロセスの製造ラインは、予定通り7月から稼動している。

 液晶は東芝松下ディスプレイテクノロジー(TMD)の製造する中小型がメインで、売上高は前年同期比18%増の798億円。営業損益は前年同期比112%の44億円となった。第3四半期から予想される売価の低下については、「携帯電話やデジタルカメラ向けの小型が落ち気味なのは確か。それ以外については、シリコンサイクルに即したような急激なダウンはないのでは。ただし、年明けはどうなるか見えていない」との見通しを示した。

 家庭電器部門の売上高は、前年同期から横這いの1,559億円で推移した。営業損益は前年同期のマイナス15億円からマイナス27億円に落ち込んでいる。白物家電の売価下落の影響を受けたもので、特に「冷蔵庫の価格低下についていけなかった」としている。

 出遅れ感のある液晶テレビについてはリカバリー策が功を奏し、「26V型と36V型で人気トップになった」という。DVDレコーダのシェアは15.3%で、市場において「そこそこのステータスがある」と分析している。

 なお笠氏は、キヤノンと共同開発している薄型ディスプレイ「SED(Surface-Conduction Electron-Emitter Display)」についても「キヤノンとの調整もついた。早い段階でお話できると思う」と言及した。その後「3年くらい前からずっと言ってるが……」とも述べ、会場からは失笑が漏れた。

□東芝のホームページ
http://www.toshiba.co.jp/
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~2003年度決算は事実上の増収増益に
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0428/toshiba.htm

(2004年7月30日)

[AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]


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