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三洋電機株式会社は2日、外付け部品を必要とせず、従来の約半分のサイズを実現した携帯機器向けFMチューナIC「Easy Radio IC」シリーズを発表した。チューナIC単体に加え、セレクタやヘッドフォンアンプなどを搭載した計5モデルをラインナップしており、サンプル出荷は8月から順次開始される。各モデルの型番、サンプル価格、生産計画は下表の通り。
ベースモデルの「LV24000PL」は、従来約20点程必要だった検波回路や、IF部で必要になる外付け部品を不要にしたFMラジオチューナIC。実装基板面積を従来の約半分に抑えられることから、携帯電話やPDA、シリコンオーディオプレーヤーなどへの組み込みを想定している。動作電源電圧は2.7~5V。消費電流は18mA。 外付け部品削減技術の例としては、サイズが大きいバラクタダイオード(バリキャップ)などを削減。代わりに、キャパシタ・バンクと呼ばれる容量が小刻みに異なる10個のコンデンサを並列に内蔵している。ソフトウェアでバンクの容量値を順次切り替えることで周波数を変えるチューニングシステムを開発した。
さらに、外付けだったインダクタをICのパッケージ裏に搭載するなどのアイデアも採用。オランダのSemiconductor Ideas to the Market B.V.との技術提携と、三洋独自のBi-CMOSプロセス技術、小型パッケージング技術により、5×5×0.8mm(縦×横×厚さ)のモールド外形(VQLP40)に収めた。なお、現在市場で最も小さい製品は、チューナICに14点の外付け部品が必要で、サイズも約7×7×1mm(同)と約2倍の容積になっている。
「LV24010PL」は、ベースモデルのLV24000PLにRDSデモジュレータ機能を搭載した欧州市場向けモデル。「LV24100PL」はAM受信機能を搭載しており、唯一IC以外に微小な外付けコイルが必要。「LV24001PL」はソースセレクタを用意し、外部入力に対応。「LV24002PL」はソースセレクタとヘッドフォンアンプを内蔵した多機能モデル。ICのサイズはすべてVQLP40。 サイズ以外の利点では、チューナパターンレイアウトの最適化や、デジタルノイズなどの干渉問題対策など、設計時の煩わしさを排除でき、チューナパックと同等の使い勝手を実現するという。 また、ソフトウェアの変更のみで日欧米の全周波数バンドが受信可能。実用感度は10dBu。電波の弱い状況で音声を強制的にモノラルに変更し、ステレオノイズを低減する「ステレオブレンド機能、デジタルAFC、トーンコントロールなども装備。コスト面は「ICと言うよりモジュールの感覚で扱ってもらいたい。価格もそういったモジュールと同程度になるだろう」(同社)とした。
(2004年8月2日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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