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株式会社村田製作所は、球形スピーカーユニットを採用した新モデルとして、トールボーイタイプの「ES301」を発売する。受注生産となっており、受注開始は11月1日、出荷開始時期は12月上旬を予定。価格は仕上げによって異なり、クロウルシ仕上げが1本499,800円、ワインレッドピアノ仕上げが1本531,300円。
2003年10月の「Hi-End Show Tokyo 2003」で公開されたトールボーイスピーカー。主な特徴は、無指向性の球形スピーカーユニットを搭載すること。球形ユニットはミッドレンジを担当し、ウーファは100mm径の平面ウーファを3機搭載。2ウェイ4スピーカーシステムとなっている。
同社は2002年1月に、ドーム型に成形した圧電セラミックスを使用し、半球が呼吸するような振動を利用した無指向性ユニットを開発。フルレンジスピーカー「ES024」として発売した。ES301は、80mm径のセラミック球形ユニットをミッドレンジとして搭載している。
また、ES301独自の特徴として、ウーファ部に新開発の「渦流抑制ドライブ方式」を採用している。
音波は通常、スピーカー振動板の前後運動により空気が振動し、疎密波として伝達する。しかし、商品開発室の中村武氏によれば「通常のドライブ方式の場合、振動板の剛性が高いと、振動板の端部において振動板で押された空気と周囲の空気の境目で気圧差が発生する。そこで渦巻きのような空気の流れが生まれ、後続する音が渦に引き寄せられ、時間軸再生に影響が出てしまう」という。
渦流抑制ドライブ方式は、この渦の発生を抑えるシステム。具体的には、3基搭載された100mm径の平面ウーハーの中央の1基が、メインウーファとして稼動。上下のウーファは、メインウーファが作り出した渦流を打ち消すように、音波を押し出す速度を変えているという。 これにより、先行音の影響を受けず、後続の音もスムーズに再生。聴覚上では、音場が広がり、楽器の分離や質感も改善されるという。なお、筐体の背面には渦流ドライブ方式と、通常のドライブ方式を切り替えるスイッチも備えており、簡単に効果を確認できる。「このスイッチはデモ機だけに付けようと思っていたが、購入したユーザーの誰もが切り替えてみたくなるだろうという声を受け、製品版にも付けることにした」(中村氏)という。
また、振動対策にも独自のシステムを採用。「重心一点支持構造」と名付けられたもので、エンクロージャ内部をドライバユニット毎に独立ハウジングで細分化。干渉と不要な振動を抑制したという。さらに、エンクロージャの中央に円筒形の空洞があり、スタンドから伸びた軸が、スピーカー上部の重心をピンポイントで支えている。 これは、「筐体の上部に行くほど振動幅が大きくなる」という通常のスピーカーの欠点を補うためのもの。ツイータなど、振動幅の小さいユニットは、スピーカーそのものの振動による影響を受けやすいが、重心一点支持構造では上部で約10分の1、下部でも約5分の1に振動を減らせるという。
再生周波数帯域は50Hz~30kHz。インピーダンスは8Ω。スピーカーターミナルはバイワイヤリング、バナナプラグに対応する。外形寸法は200×285×680mm(幅×奥行き×高さ)。スタンドを含む1台の重量は16.6kg。
(2004年9月10日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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